アメイジング・スパイダーマン2

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(原題:The Amazing Spider-Man2)
2014年/アメリカ
上映時間:142分
監督:マーク・ウェブ
キャスト:アンドリュー・ガーフィールド/エマ・ストーン/ジェイミー・フォックス/デイン・デハーン/コルム・フィオール/フェリシティ・ジョーンズ/ポール・ジアマッティ/サリー・フィールド/他

 




 

興行収入は世界で7億ドルを記録し、十分ヒットした作品と言えるものの、数字の面でもインパクトの面でもライミ版に及ばず。

特に本国アメリカでの成績が落ち込んだことで、続編としては失敗の烙印を押された本作。

 

「X-Men フューチャー&パスト」やマーベルのクロスオーバー作品「キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー」、少し遅れて「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」などなど。

総じて同時期に公開された作品に劣っており、観客の視点が「アベンジャーズ」方面に流れている象徴的な結果となりました。

本来は2016年の夏頃に3作目の公開が予定されていたものの、この結果を受けてソニーは「スパイダーマン」の映画化の権利を一部MARVELへと譲渡。

MCU系列作品への参戦が決まると同時に、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズの打ち切りも決定してしまいます。

 

結果として前作、本作でバラ撒いた大量の伏線は回収されることなく、投げっぱなしで消え入ることになりました。

 

 

 

さっくりあらすじ

スパイダーマンとしてニューヨークの平和を守るピーターは恋人グウェンとも充実した日々を過ごしていた。

しかし亡き彼女の父ジョージとの約束が枷となり、彼女の気持ちに深く踏み込めないでいたせいでグウェンとは別れてしまうことになる。

オズコープ社で働くマックスは優秀な電気技師だったが、冴えない外見と卑屈な性格のせいか誰にも好かれることなく、孤独な生活を送っていた。

偶然にも命を助けられたことのあるマックスはスパイダーマンに対して異常な執着を抱いていたが、作業中の事故が原因で全身から高圧電流を放電する「エレクトロ」へと変貌を遂げる。

力をコントロールできないせいでスパイダーマンのように人気者になれず、肝心のスパイダーマンが自身の名前を覚えていなかったことに怒りを覚え、彼の命をねらうのだった。

 

その頃、オズコープ社のCEOであるノーマンが死去。

息子であり、ピーターの旧友であるハリーが新たにCEOに就任するも、父と同様に奇病に冒されている彼は治療のためにスパイダーマンに血液の提供を求めていた。

しかしスパイダーマンに拒否されたことで怒り狂い、厳重に管理されていたエレクトロを解き放ち、スパイダーマンの抹殺を企てるのだが、、、

 

 

 

 

 

Jamie Foxx in Columbia Pictures' "The Amazing Spider-Man 2," starring Andrew Garfield and Emma Stone.電気人間”エレクトロ”
ジェイミー・フォックスの演技が光る

 

The-Amazing-Spider-Man-2-Green-Goblin-spider-man-37390840-720-363”ゴブリン”化したハリー
デイン・デハーンの演技も素晴らしい

 

rhino2サイ型重装甲を着込んだ”ライノ”
完全にCMに騙された

 

 

 

 

アクションは秀逸

迫力あるアクションが大幅に増加し、本作に対する意気込みは十二分に伝わってきます。

特にCGのレベルは非常に高く、スパイダーマンの描写はCGなのか生身なのかの区別が分からないほどの完成度。

前作はテンポが悪くスパイダーマンの登場が遅かっただけに、その鬱憤を晴らすかのように画面狭しと暴れまくる演出は圧巻の一言です。

 

一方で、相変わらずロマンスが長い&くどい。

ピーターはグウェンの父との約束で別れを選んだわりには未練タラタラ、グウェンはグウェンでイギリスの大学に行くだの何だのと、、ぶっちゃけどうでもいいっす。

人間としての内面を掘り起こすにしても「そこじゃないだろ」感が強すぎて、いまいち映画に没入できません。。

 

 

ほぼエレクトロvsスパイダーマンの展開にオマケ程度でやって来るゴブリンも不遇でなんだかねぇ。。

次回作を想定していたからとはいえ、こんなに出番が少ないならロマンスを削れば良かったのに、悪い意味で監督の色が出すぎとる。

ゴブリンを演じたデイン・デハーンの演技が良かっただけに、これは非常に残念です。

エレクトロの脅威も微妙にハッキリしないし、電撃を食らってもスパイダーマン元気に飛び跳ねてるし、、アクションの演出とは裏腹に、アクションの内容に雑さを感じます。

 

トータルで判断すれば、アクション映画なのにも関わらずロマンスが中心というヘンテコな作品になってます。

”ライノ”についてはもはや語る言葉もありませんが、これに関しては100%宣伝が悪い。

確信犯で嘘ついた罪はなかなか重いですよ、どう見たって”3人の敵が登場!”にはならないでしょ、これ。

とはいえ、完成した作品を観た上で、なおかつ打ち切りの事情を知ってしまえばどうにもできないのも理解はできますが。

 

 




 

まとめ

なるべくしてなった結果というか、日本はともかくアメリカで興行が振るわなかったのも理解できる作品になってしまいました。

 

3Dを意識しすぎてアクションがつまらない、という意見も多数あるようですが個人的には今時のアクション映画は大体そんなんだし、そこまで気にならなかったのが正直なところ。

というよりはそれ以上に気に入らないところが多かったと言った方が正しいか。

まぁ、最大の原因は「リブートが早すぎた」に尽きると思いますがね。

 

歴代のスパイダーマンを観た人は、せっかくだから観ておくと良いかもしれません。

甘ったるい超人のロマンスが好きな人にもオススメはできるかな。

 

良ければ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 

 

おまけ

以上で5回に渡るスパイダーマン評を終わります。

明日、4月29日に公開される「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で、新たなスパイディはどんな活躍を見せてくれるのか?

すごく楽しみですね。

では皆様、バルト9でお会いしましょう。

 



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