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ベイブ

      2017/11/18

babe-1995
(原題:Babe)
1995年/オーストラリア/アメリカ
上映時間:92分
監督/脚本:クリス・ヌーナン
キャスト:クリスティーン・カバナー/ジェームズ・クロムウェル/マグダ・ズバンスキー/ポール・ゴダード/ミリアム・マーゴリーズ/ヒューゴ・ウィービング/他

 




20年以上前の古い映画ではありますが、卓越したCGとアニマトロニクス技術は今でも色褪せることなく、非常に自然で感情豊かで、素晴らしい出来栄えの作品です。

「動物もの」はかつては非常に根気のいる作品だったと言われていましたが、当時最高峰だった技術をふんだんに生かし、言葉を喋る動物たちと本物の動物たちの境目はほとんど感じません。

ただ単に動くだけでなく、言葉に合わせて動く口元や感情に合わせて滲み出る表情など、全く違和感の無い完成度は本当に素晴らしいの一言です。

 

可愛らしい動物たちによるドラマは大人も子供も楽しく、しかし”家畜”という動物が辿る運命を考えれば一転して大人も子供も考えさせられる深い内容。

動物たちの輪の中で出来上がる上下関係やある種の社会性など、実際の人間社会のような世知辛さを感じると共に、興味深い演出が多いのも特徴です。

さっくりあらすじ

養豚場で生まれた仔豚のベイブは母親と離れ離れになり、田舎の農村で開催された「仔豚の体重当てコンテスト」の景品として農場を営む老人・アーサーに引き取られる。

農場にいたのは多くの羊たち、牧羊犬で気性の粗いレックスと心優しいフライ、お喋りなアヒルのフェルディナンド、意地悪な猫のダッチェスなど、多種多様な動物たちが暮らしていた。

アーサーはベイブを育てたらソーセージやベーコンにするつもりでいたが、そんなことは露知らず、母と引き離されたベイブは日々寂しさを募らせていく。

見かねたフライが「ここに慣れるまで」と期限を設けながらもベイブの面倒を見てあげることに、ベイブもフライに懐き、母のような存在になり、牧羊犬であるフライの仕事に興味を持ち始めるのだが、、、

 

 

 

 

preview寡黙な農場主・アーサー
実際ほとんど喋りません

 

Scene from film Babe 1998 Farmer Hoggett wins a runt piglet at a local fair and young Babe, as the piglet decides to call himself, befriends Ferdinand the duck, who thinks he is a rooster and Fly, the sheepdog he calls mom. Babe realises that he has the makings to become the greatest sheep pig of all time, and with Fly's help and Farmer Hoggett's intuition, Babe embarks on a career in shepherding with some surprising and spectacular results. 牧羊犬のフライにくっつくベイブ
牧羊犬の真似事をし始める

 

Babe牧羊犬コンテストに出場するベイブ
観客は奇跡を目にすることに

 

 

 

命の価値

母と別れ、何も知らない世間知らずなベイブが農場主・アーサーに引き取られることで物語は始まります。

実直で寡黙な老人アーサー、気難しそうだけどもどこか優しさを感じるような男性ですが、当然食べるためにベイブを飼い始めるわけです。

 

これは人間目線で考えれば、というか牧場経営をしていれば当たり前な話で、動物と人間の間に生まれる絆はタダでは手に入らないということを暗に表しています。

よくよく考えれば人間社会にも通ずるものであり、言葉を理解する人間同士でも無償の友情や愛情というものは実際には極わずかな間にだけできるものですよね。

 

 

特にアーサーが営む農場では番犬は言わずもがな、鴨や鶏を含む家畜それぞれに役割があり、それが全うできなければ食べられてしまうという動物目線で考えれば非常に残酷で悲しいもの。

こうした現実に心を引き裂かれてしまうベイブですが、死ぬことよりも、食べられてしまうことよりも、人間から見た自身の価値にショックを受けているというのがポイント。

 

筆者も豚肉好きだし、豚カツとか超好きだし、”可哀想だなぁ”とか思いつつも平気でバクバク食べているのが現実なわけで。

そういった価値ある命を頂いている人間の業をボカさずにきっちりと描いているあたりが、本作の観るべきところかなと思います。

非常にコミカルで楽しい映画ではありますが、「可愛い仔豚ちゃんの成長記」で終わらせたらダメ、作品の意味を考えましょう。

 

 

登場するキャラクターの大半が動物なわけですが、賢い犬、うるさいアヒル(鴨?)、意地悪な猫など、何故か自然と連想させる動物の性格を自然に描いてあり、動物占いみたいなもんでよく分からないけど何故か納得してしまう説得力があります。

 

実際に人間としてはほぼアーサーの一人芝居に近い状態であり、アーサーを演じるジェームズ・クロムウェルの演技力が鮮やかに映えます。

2mを越える巨漢なおじさんですがセリフとしてはほとんど喋らず、寡黙な農夫として、時折見せる優しさで見える人間性は素晴らしいものだと思います。

 

特にベイブを抱いて歌を聴かせるシーンや、ベイブを元気づけようと踊るシーンは作中トップクラスの涙腺崩壊ポイント。

”人間”と”家畜”が立場を越え、心を通わせようと努力する名シーンです。

 

ちなみにヴィーガン(ベジタリアンのパワーアップ版)であり、動物愛護にも熱心な方で、様々な抗議運動に参加し何度か逮捕されているそうな。

人は見かけによりませんな。

 




 

まとめ

動物が言葉を話し、観ている僕らは彼らの心情を理解する作品ですが、人間と動物が言葉で理解し合えることは無いのが現実。

というか、人間同士のように動物とコミュニケーションを取れたらもはや僕らが肉を食べることは無くなってしまうでしょう。

「食材に感謝せよ!!」なんて説教臭い言い回しは嫌いですが、どの生物にも宿る命の価値を知れば、好き嫌いなんて言葉も減るんじゃないすかね?

 

人間の都合で育てられ、殺され、食べられる、そんなつらい現実を優しく教えてくれる映画です。

絶対に子供に見せるべき名作です。

オススメです。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

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