バトルシップ


(原題:Battleship)
2012年/アメリカ
上映時間:131分
監督:ピーター・バーグ
キャスト:テイラー・キッチュ/浅野忠信/ブルックリン・デッカー/リアーナ/アレクサンダー・スカルスガルド/リーアム・ニーソン/他

 




 

2億ドルを超える予算をつぎ込んだおバカSF映画です。

そのあまりのB級の臭い、加えて「浅野忠信が出演してるよ!」という日本ならではのしょーもないマーケティングもあり全く興味の湧かない作品でしたが、先日TVでやってたので視聴。

結論としては「駄作だけど面白い」という不思議な感想に至ったB級映画といったところでしょうか。

 

2000年代でこういった作品に出逢えるのはある意味で貴重なものでもあり、これだけの予算を使ってここまで清々しい作品を公開したことには留飲が下がる想いですが、とにかく1から10まで苦笑い。

物語に対する整合性や、露骨なご都合主義を嫌う方にはとてもオススメできたものではありませんが、それ以外の方にはちょっとだけ観て欲しい。

思わずそう言ってしまう魅力に溢れたおバカ映画です。

 

 

 

さっくりあらすじ

2005年、NASAは太陽系外に確認された地球型惑星と交信を試みる「ビーコン・プロジェクト」を計画し、ハワイにアンテナを設置し交信を開始する。

バーにいたアレックス・ホッパーは海軍中佐の兄・ストーンに諭されている最中にサマンサに一目惚れ、サマンサの気を引くためにちゃちな強盗を犯し逮捕されるも、めでたく二人は付き合い始める。

しかし激怒したストーンに海軍へ入隊させられ7年後、世界14ヵ国の自衛艦が集結し、環太平洋合同演習が開催される。

演習中にナガタ一等海佐と喧嘩をしたアレックスは演習後の懲戒を言い渡されるが、突如として正体不明の物体が宇宙から飛来し、ハワイ沖へと落下するのだが、、、

 

 

 

 

アレックスとナガタ
熱い友情が描かれる

 

敵は大型要塞

 

圧倒的脅威に対するは戦艦
あとは気合

 

 

 

 

おバカ臭漂う男のロマン

要は未知の大型駆動兵器に対して地球のミリタリーがどう攻略していくのかを描いた軍事SF作品となりますが、「戦車」や「戦闘機」とはまた違う「戦艦」という兵器の迫力が満載です。

ただ真面目に観る映画ではないと断言しますし、2億ドルをつぎ込んだツッコミどころの宝庫だと思った方が正しいと言わざるを得ない完成度ではあります。

 

何故ならば、、

明らかな攻撃態勢に入らなければ割と優しいエイリアン軍とか。

ニート&前科持ちの兄ちゃんが異常な出世スピードで大尉になるとか。

大尉なのに率先して自ら敵地に赴くとか。

宇宙からの突入には耐えられるのに、ライフルで割れてしまう宇宙船のフロントガラスとか。

明らかに人手不足だけれども速攻で稼働し始める戦艦とか。

5~6人だけで動かせる1トンの砲弾とか。

間抜けでスーパーテクノロジーが活かせていないエイリアン軍とか。

 

さっと2秒で思い出せる範囲でもこれだけあるんですからね。

観ながらのツッコミは本当に星の数ほどあるといっても過言ではなく、この常軌を逸したテンションに対する耐性を身につけなければ確実に「駄作」と感じてしまうことでしょう。

逆に言えばB級戦争映画の枠組みとして観れば、映像を含む完成度は相当なもの。

この荒唐無稽さを堪能できるのであればそれなりに楽しめるかなとも思います。

 

 

しかもこういった作品の例に漏れず、極一部ながらも極めて素晴らしい名シーンというものがあるんですな。

ミリタリー系の知識が無くとも知っている有名な戦艦・ミズーリの航行シーン(本物)は結構感動しますし、そのミズーリを用いて最終決戦に挑む主人公達の決意もメチャクチャ格好いいんですよね。

 

特に主人公・アレックスが放つ「俺たちは皆いつか死ぬ、だが今日じゃない」のセリフは超絶ステキ。

長々と続く茶番劇も、もはやこのシーンを引き立てる為だけの前フリと言っても良いかもしれません。

総じてこの「熱さ」や異常な程の「ノリ」や「テンポ」の良さは作品構成としては大正解だと思いますし、この振り切った潔さは誉めて然るべきでしょう。

「こまけぇこたぁいいんだよ!」ってことね。

 




 

 

まとめ

前述のツッコミもあり、個人的にはそこそこ面白かったように感じています。

しかしラジー賞(最低映画賞)では6部門にノミネート、日本ではヒットを記録したものの本国アメリカでは失敗に終わった模様で、現実は厳しすなぁ。。

ただSFじみているとはいえ、これほどの規模での艦隊戦を見れたのは興味深いところですし、なによりいちいちツッコミを入れずにいられない愛すべき作品なのではないかと判断しております。

 

この「隙だらけ」な完成度に悪意や手抜きはなく、好意的に受け取れる魅力のような何かがあるんでしょう。

とてもオススメできる映画ではありませんが、暇な時のポップコーンムービーとしての価値はありますよ。

 

良ければ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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