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ブレードランナー

      2017/10/26


(原題:Blade Runner)
1982年/アメリカ
上映時間:118分
監督:リドリー・スコット
キャスト:ハリソン・フォード/ルドガー・ハウアー/ショーン・ヤング/エドワード・ジェームズ・オルモス/M・エメット・ウォルシュ/他

 




 

「レプリカント」と呼ばれる人造人間の悲哀と狂気を描く、傑作と評されるSF映画。

元ネタとなった「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」も非常に有名であり、著者であるフィリップ・K・ディックは他にも「トータル・リコール」や「マイノリティ・リポート」などの元ネタを執筆、「現実」と「幻影」の境目を描くことに長けた作家です。

「スター・ウォーズ」や「スター・トレック」など宇宙を舞台にした広大な物語、いわゆるスペース・オペラ系の作品が次々と公開される中、荒廃した未来の地球都市というのは極めて斬新な発想であり、その独特の世界観は後の作品に多大な影響を与えたとも言われております。

奇しくも新作「ブレードランナー2049」がコケたと大々的に報道されていますが、元祖となる本作も最初はアレな感じだったそうですし、そもそも深い考察と哲学性は万人受けするものではありません。

とはいえ、それを踏まえた上でも「SF映画の金字塔」と評される作品であり、深みのある魅力は一度は経験してほしいものです。

さっくりあらすじ

2019年、環境破壊が原因で人類の大半は宇宙へ移住し、地球に残った人々は高層ビルが立ち並ぶ人口過密都市での生活を続けていた。

宇宙での開拓地で遺伝子工学より生まれた「レプリカント」達は奴隷のような扱いで過酷な労働に従事し、また製造から数年が経過すると自我が芽生え、人間に反抗的になることから4年という寿命を制限されていた。

そんな中、開発元のタイレル社の最新レプリカント「ネクサス6型」の集団が人間を殺害し脱走、シャトルを奪い地球へと逃げる事件が発生。

かつて人間社会に紛れ込もうとするレプリカント専門の捜査官「ブレードランナー」だったリック・デッカードは、潜伏した4名のレプリカントを探し出すために呼び戻されるのだが、、、

 

 

主人公リック・デッカード
その正体は、、、?

 

タイレル社の秘書・レイチェル
レプリカント

 

荒廃した都市
歌舞伎町を元にしたんだとか

 

 

 

バリエーション多数

ディレクターズ・カットとか、完全版とか、商業的に色々と形を変えることはありますが、さすがに5パターンは珍しいですよね。

筆者が観たのがどれなのか知らないので、多少の齟齬はご勘弁ください。

 

まずは荒廃した都市の芸術的な美しさ、印象深く余韻の残る音楽、それに彩られるレプリカントの悲哀、この世界観の演出は非常に素晴らしく、これだけでも観る価値があると断言したいところ。

薄暗くゴチャゴチャと演出された雑踏は世界観としても脚本としてもピタリとハマっており、哲学的な面が強めな作風に完璧に溶け込んでいると言えます。

繰り返しになりますが、劇中で描かれる緻密な「未来の都市」の姿は本作を中心に”前”と”後”に分かれたと言っても過言ではないと思います。

現在では精巧なCGにより何でも表現できてしまう時代ですが、それに負けず劣らずなインパクトを誇るアナログな美術は本当に目を見張るものがありますよ。

 

分類としてはサスペンスに入るのでしょうが全体的に叙情的な物語であり、アクションシーンも派手さは控えめで、あくまで物語性を楽しむ作品だと言えます。

人間のエゴから生まれたレプリカントという存在、そして自由に寿命を全うしたいという彼らの想い、それに伴う絶望感や悲壮感を描く映画なんですね。

そういう意味では小説を読んでいるような感覚に近く、一般的なSF作品に馴れていると面食らうかもしれませんね。

 

主演のハリソン・フォードは言わずもがな、ルドガー・ハウアーとショーン・ヤングの存在感が際立ちます。

特にレプリカント・ロイを演じるルドガー・ハウアーの存在感はずば抜けており、”死”に追われ”生”に執着する悲しき人造人間としての魅力が存分に発揮されています。

彼と主人公・デッカードの立ち位置には重要な意味があり、物語の上では一番大事なキャラクターと言えますし、またその期待に応える素晴らしい演技力を披露してくれます。

 

そしてヒロイン・レイチェルを演じるショーン・ヤングもまた素敵。

まぁ色気の溢れる美人さんでして本当にレプリカントに見えてくるというか、筆者が金持ちなら購入を検討したいくらいに美貌が光ります。

ただね、その後アル中になったりストーカーになったり、挙句の果てには逮捕されたりと、あまり関わってはいけないタイプの女性のようですな。

みんなも女性を顔で選ぶのはやめなさい。




 

まとめ

ある種の哲学を髣髴とさせる深いテーマ性ながら、独りよがりな内容ではなく誰もが何かを感じ取れるような間口の広い仕上がりは秀逸なもの。

深い考察の余地もあれば、単純なエンターテイメントとしても完成しているわけで、映画としてのバランス感覚は抜群と言えるでしょう。

いつ観たのか記憶がハッキリしませんが、当時受けたセンセーショナルな感情は相当なものであり、思わず原作も一気読みしましたが、決して原作に劣らない素晴らしい出来ですな。

とはいえ異色なSF作品なことに変わりはないので、確実に人は選ぶ作品だと思います。

 

古い作品ですが、カルト的人気を誇る傑作です。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

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