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第9地区

      2018/04/04

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(原題:District9)

2009年/アメリカ/南アフリカ共和国/ニュージーランド
上映時間:111分
監督/脚本:ニール・ブロムカンプ
キャスト:シャールト・コプリー/デヴィッド・ジェームズ/ジェイソン・コープ/ヴァネッサ・ハイウッド/ジョン・ヴァン・スクール/マリアン・フーマン/ルイス・ミナー他

 




 

 

エリジウム」や「チャッピー」など、SFを通して人間の本質を描くニール・ブロムカンプ監督の長編映画デビュー作です。

エイリアン5の脚本を執筆してるらしいニール監督ですが、「人間」と「人間以外」の境界線は何か?をテーマの一つとして描く作品が多いですね。

 

「SF」というフィルターでボカしてはいるものの、実際に人類社会で起きている、または起こり得る問題や懸念を背景に、なおかつ迫力あるVFXを使用したエンターテイメント作品として素晴らしい完成度を誇ります。

派手なアクションシーンの娯楽性、社会というコミュニティで生まれる必要悪、さらに人間の無意識に潜む闇を描く人間の本質を考えさせられる作品です。

また、登場する役者さんたちはほとんどが無名な俳優さんたちで、このドキュメンタリー風なタッチにがっつりフィットしています。

 

誰もが知ってるような俳優さんを起用したならば、決して名作とは呼ばれなかったでしょう。

時として、「知らない人しか出演していない」というのは大事なことだと思います。

有名俳優が持つイメージや期待感に頼ることなく、純粋に面白い脚本と映像、演技があれば映画って面白いですよね?

ごり押しタレントの発表会ばっかりやってる日本映画界にも見習ってほしいもんです。

さっくりあらすじ

1982年、南アフリカ共和国、ヨハネスブルグ上空に宇宙船が出現。

上空に停滞したまま何もアクションを起こさない宇宙船に対し、人類初の地球外生命体との接触を期待して人類は宇宙船内へと乗り込むが、調査隊が発見したのは宇宙船の故障により身動きのとれなくなったエイリアンの大群だった。

超国家機関MNUはエイリアンたちを地上へ降ろし、隔離エリアである「第9地区」に移動させ「難民」として管理することになるが、文化や外見の醜さを理由に、国民のエイリアンに対する差別や反発が強まり社会問題へと発展して行く。

宇宙船が現れてから28年、ようやく完成した新たなエイリアン専用の居住区域「第10地区」へと移動させることになる。

現住所からの立ち退きの同意を得るため、MNUの職員ヴィカスは第9地区へと訪れるが、、、

 

 

district9_4_convert_20151225131540主人公のMNU職員・ヴィカス
けっこうイヤなやつ

 

district9_convert_20151225131601エイリアン専用
ロマン溢れる宇宙兵器

 

人間は正義なのか

エイリアンと邂逅するのではなく、エイリアンが来ちゃった後の物語という斬新さが目を引きます。

 

このね、主人公のヴィカスが嫌なやつなんですよねー(笑)

悪い意味で野心的というか、自分のことしか考えてないというか、腹黒さが顔に出ちゃってる感じ。あぁこーゆーやついるよねって妙なリアリティがあります。

 

唯一まともなのは奥さんに対する誠実な愛情だけ。

主人公を取り巻く連中も決して良いやつって感じではないですね。

一見すると仲良しな雰囲気ですが実のところ関係が希薄というか、現実にありそうな表面的な仲だけで成り立ってる人間関係を感じ取れます。(ヴィカスの奥さんも例外ではなく、あまり良妻賢母な人ではないっぽい)

 

この映画の背景はアパルトヘイト(人種隔離政策)です。

人種差別という理不尽な考え方を根底に、支配層(人間)がいて差別される人(エイリアン)がいるわけで、人間サイドがエイリアンに行う差別や虐待はほぼ当たり前のような形として描写されています。

何せ相手は大きな人型エビなので、実際目の前にいたらかなり怖いと思いますが、、、でも差別しようとは思いますかね?攻撃的に接するのはやはり未曾有の恐怖が根っこにあるからなんでしょうか?

 

ヴィカスが第9地区に立ち退きの要請に行くわけですが、エイリアンが抵抗すれば容赦なく撃ち殺し、エイリアンが生んだ卵を発見すれば笑いながら燃やしたりと、よくそんなことできるなお前って感じでドン引きするわけですが。

まぁヴィカスは超国家機関の職員、法的な権限は無限にあるのでしょう。

でも人道的って言葉の意味が分からなくなりますね(゚д゚)

 

で、色々とあって後半はヴィカスがエイリアンの仲間入りに(汗)

一転して自分が人間に狙われる存在になり、人間に戻りたいヴィカスと自分の故郷に帰りたいエイリアン父子。

利害の一致でエイリアン父子と協力することになるのですが、自分本位で利己的なヴィカスと、互いの利益になるようにと誠実なエイリアンの描写が印象的でエイリアンは知らんけど人間てこーゆー生き物だよね、と腹がたつと同時に少し悲しくもなります。

 

終盤は迫力あるアクションシーンの連続で、軍人相手にロマン溢れる宇宙兵器で奮闘するヴィカス。

長い銃撃戦の末、満身創痍になった彼はエイリアン父子を逃がすことになるわけですが、人間に戻ることを諦めたのか?

贖罪のためにエイリアン父子を逃がすことに決めたのか?その辺の具体的な描写は無く、考察も人それぞれだと思います。

 

 




 

 

まとめ

色々な背景やテーマ、メッセージ性などは多すぎて書ききれませんが、間違いなくSF映画の名作です。

グロめなシーンが多いので、食事中の鑑賞は控えましょう(汗)

オススメです、ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

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