激突!


(原題:Duel)
1971年/アメリカ
上映時間:90分
監督:スティーヴン・スピルバーグ
キャスト:デニス・ウィーバー/ジャクリーン・スコット/エディ・ファイアストーン/ルー・フリッゼル/ルシル・ベンソン/他

 




 

 

数々の製作や監督を手掛けヒット作を世に送り出す巨匠・スピルバーグによるサスペンス・スリラー。

元々はTV放映用に作られた作品で、製作当時はスピルバーグも無名のいち監督に過ぎず、その名前と才能を世に知らしめた作品として有名な映画です。

ぶっちゃけトラックが乗用車を追いかけまわすだけの内容ですが、正体不明の危険な”何か”が主人公を執拗に狙うというプロットは後の「ジョーズ」シリーズにも影響を与えたんだとか。

ちなみに撮影期間が16日と、早撮りで有名なスピルバーグ作品の中でも極めて無茶苦茶なスケジュールで製作されたのも有名な話。

さっくりあらすじ

セールスマンのデイヴィッドは商談に向かうために車でカリフォルニアへと向かっていた。

その途中で遅い大型トレーラーを邪魔に思い追い越すと、何故かトレーラーはデイヴィッドの車を追いかけ始めるのだが、、、

 

 

 

カリフォルニアへ向かうデイヴィッド

チンタラ走るトレーラーを追い越すと、、

何故か命を狙われる羽目に

 

 

 

これぞクローズド・サークル

舞台はカリフォルニアへと続くであろうハイウェイ。

なんせ広大な大地が広がるアメリカですからね、どこまで行っても一本道であり、昼間とはいえ逃げ場の無い現実的な環境は嫌でも恐怖を感じさせます。

閉鎖的な空間で誰の助けも得られず、否応なく危険と向かい合うような環境をクローズド・サークル作品と呼びますが、これは正にその典型的な作品と言えるでしょう。

 

スマホもカーナビも無い時代で、とにかく物理的に距離を取るしか逃げる手段が無いシンプルさも良いところですね。

繰り返しになりますが、内容としてはひたすらにトレーラーに追いかけまわされるだけ、それだけ。

しかし高速道路を走る、前でトロトロ走っている車を抜かす、そんないたって普通の行為の中に存在する恐怖にリアリティを感じます。

 

あえて運転手を移さないことで、まるでトレーラー事態に意思があるかのように感じる演出。

ちなみに追い越されたことにキレて追いかけまわすのではなく、元々ああいったことで殺人を重ねているという設定があるそうです。

それ故に感じる、圧倒的な質量を誇る大型車両が有無を言わさずツッコんでくる圧迫感。

スーパー低予算とは思えないほどの迫力で展開される物語はこれ以上ないほどの純粋な恐怖に満ちています。

その単純さ故に観ているこちら側の想像力を掻き立てるというか、得体の知れない不気味さを助長する演出は秀逸です。

 

年代を感じる古い作品であり、TV放映を前提として作られただけあって現在のハリウッド映画とは比べ物にならないほどの低予算。

しかしそれを補って余りある内容の濃さは異論を挟む余地を残しません。

脚本や演出、表現方法が優れていれば十分に面白いものが作れる見本のような話ですね。




 

 

まとめ

そんなに解説するところも無いような単純な物語。

これだけ単純なのにも関わらず、人を魅了する迫力を感じさせるのはもはや神業と言って良いでしょう。

現実味のある恐怖、それを彩るスピード感とカメラワーク、後に大躍進を遂げるスピルバーグ監督の才能の片鱗を感じさせます。

 

ただ、ただね、張り詰めた緊迫感のある作品ではありますが、極めて単調な作品でもあります。

日常的に車に乗る人や、高速道路でマナーの悪いドライバーに煽られた経験がある人はよく分かるでしょうが、場合によっては退屈に感じる可能性も少なくありません。

しかし、それを踏まえた上でも間違いなく価値のある傑作だと思います。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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