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エリジウム

      2018/08/05

ElysiumDamonBigPosterNew590June
(原題:Elysium)
2013年/アメリカ
上映時間:109分
監督/脚本:ニール・ブロムカンプ
キャスト:マット・デイモン/ジョディ・フォスター/シャールト・コプリー/ヴァグネル・モーラ/アリシー・ブラガ/ディエゴ・ルナ/ウィリアム・フィクナー/他

 




 

アカデミー賞4部門でノミネートされた「第9地区」で成功を収めたニール・ブロムカンプ氏が脚本、監督を務めた考えさせられるSF映画の第2弾。

前作では人種差別をテーマに、本作では格差社会をテーマに、エンターテイメント性と社会的なメッセージを両立させる手腕はさすがですね。

 

前作での商業的成功からか、本作ではマット・デイモンとジョディ・フォスター、ウィリアム・フィクナーなどの大物を起用。

ちなみに「エリジウム」とはギリシャ神話に登場する楽園なんだそうで、神の寵愛を受けた者や英雄が死後に住む場所なんだそうな。

 

 

さっくりあらすじ

2154年、格差社会は拡大し富裕層は大気汚染が著しい地球から離れ、衛星軌道上に建設されたコロニー「エリジウム」で何不自由ない生活を送っている。

アーマダイン社が設計したエリジウムは美しい自然と清潔な環境に恵まれ、高度な科学技術によりケガや病気を完治させることも容易にできる。

一方で、荒廃した地球の貧民層は過酷な労働とドロイドによる厳しい監視の中で、ろくな治療も受けられず厳しい生活を強いられていた。

そんなある日、アーマダイン社のドロイド工場で働くマックスは事故で致死量の放射線を浴び、余命5日と宣告される。

生き残るためにエリジウムでの治療を決意するマックスは、密航を企てる違法な組織と接触しエリジウムへの潜入を試みるのだが、、、

 

 

 

 

elysium_vfx_13_h_2013富裕層が住む理想郷・エリジウム
地球から肉眼で見えます

 

elysium2013akm4強化外骨格・エクソスーツ
身体能力を飛躍的に強化します

 

elysiummaxvskruger前作の主人公
今回は極悪非道な傭兵

 

 

 

 

相対的に「普通」

非常に良くできた作品ですが「第9地区」が衝撃的だっただけに、相対的に劣る印象が否めません。

未来に起こるであろう現実的な超・格差社会に、不衛生で荒廃した未来の地球に、それぞれ圧倒的な演出で見せてくれる悲しい未来は何とも複雑な気持ちにさせる説得力があります。

桁違いに増資された予算により有名俳優を起用し、映像もより緻密に作られ、砂埃を感じる生々しい映像は素晴らしいものです。

 

が、対照的に脚本には粗が目立つ印象。

究極の格差社会に不可欠な武力と情報統制が極めて不十分、地球からの密航者やテロリストを防ぐにあたり「本気で考えてんのか?」と聞きたくなるほどにいい加減です。

 

虐げられる側の視点は安定の完成度ですが、支配する側の視点はどうにも微妙。

あれほどの規模のスペースコロニーを作る技術を持ちながらも防衛意識に欠ける、そんな間抜けな人はいますかね?

 

 

さて、格差社会の象徴としてニール監督が最も強調するテーマは「医療の格差」となります。

あらゆるケガや病気を3秒で治癒させるとんでもないベッドが登場しますが、これはエリジウム内にしか設置されていません。

それ故に、羨望や妬みを通り越して、地球の貧民層はこのベッドを目当てに命がけで渡航するわけです。

 

相変わらず演出が極端ではありますが、アメリカをはじめ北欧諸国や日本でもじわじわと表面化している問題でもあります。

金持ちは十分な医療を受け、貧乏人は苦しいのを我慢して働く。

公平な社会を作るというのは非常に難しいものがあるとは思いますが、不平等な社会が続くようであれば、本作で描かれる未来もより現実味を帯びてくるような気がしますね。

 

結局はエリジウム入りを望む地球の貧民がドタバタする話なわけですが、治安を守るのは生身の人間ではなくドロイドです。

非常に頑丈で容赦のないドロイドに対抗するためにエクソスーツ(強化外骨格)を着けるわけですが、、これ装着するのに外科手術が必要なんですね。

地球は荒廃してるから仕方ないにしても、あんな不潔な場所で手術したらいかん、感染症になる。

 

ちなみにエクソスーツは第○世代とCPUのように開発されています、この単純な強さのメカニズムは男のロマンですな。

この古くさいガジェット、昔のSF映画ではよく見かけましたが、さすがニール監督はツボが分かってます。

 

 

本作はマット・デイモン主演で、もちろん彼も良い仕事をしているんですが、やはり注目すべきは前作の主人公ヴィカスを演じたシャールト・コプリー。

ニール監督の盟友でもあるコプリー氏ですが、前作とは正反対に野蛮で危険な傭兵・クルーガーを演じています。

人の苦しみが快感というガチなサイコパスですが、これがまたハマり役、この人メチャクチャ演技力高いですよ。

大スターのマット・デイモンをして「演技がすごいのか、彼がイカれてるのか分からなかった」と言わせるコプリー氏の演技は一見の価値ありです。

 

 




まとめ

人間の邪魔をするのは人間、「正義」とは利害関係から成り立つものとも言えます。

人が持つエゴが軋轢を生むわけですが、群れて生きる生物なのにどうしてこうなってしまったんでしょう?

メッセージ性が強く、演出、映像どちらも非常に高い完成度を誇ります。

 

やはり前作と比べると所どころ稚拙な部分もありますが、それを差し引いても十分に楽しめる作品だと思います。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

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