ヘルボーイ


(原題:Hellboy)
2004年/アメリカ
上映時間122分
監督:ギレルモ・デル・トロ
キャスト:ロン・パールマン/ジョン・ハート/セルマ・ブレア/ダグ・ジョーンズ/ルパート・エヴァンス/ジェフリー・タンバー/他

 




 

1994年から連載されたコミックを映画化したSF・アクション。

どうやら今年(2019年)にリブート作品として、新たにスタートするようですな。

ちなみに2017年に「シェイプ・オブ・ウォーター」で見事アカデミー賞を獲得したギレルモ・デル・トロが監督を務めました。

 

ギレルモ監督が敬愛しているらしい、クトゥルフ神話の創造者ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの影響をモロに受け、独自に味付けした意図が見て取れます。

第二次世界大戦やナチスをきっかけに、カルト的な悪魔崇拝を元にしたSFものとして、なかなか良くできた映画だと思います。

 

 

 

 

さっくりあらすじ

1944年、第二次世界大戦で敗色濃厚のドイツ軍は形勢逆転を狙い「ラグナロク計画」を実行しようとしていた。

しかしアメリカ軍がこれを阻止し、計画の中心人物・ラスプーチンは開かれた魔界の入り口に吸い込まれてしまう。

その代わりに悪魔の赤ちゃんが地上に舞い込んできたことで、同行したブルーム教授は彼に”ヘルボーイ”と名付け、育てることを決意した。

そして60年が経ち、大人になったヘルボーイは超常現象調査防衛局でエージェントとして活躍していたのだが、、、

 

 

 

 

ヘルボーイ
大型リボルバーを扱うが当たらない
チョンマゲが素敵

 

ヒロインのエリザベス
ヘルボーイとはつかず離れず
感情が昂ると炎が噴き出る

 

ヘルボーイの相棒・エイブ
半魚人でサイコメトラー
でも弱い

 

 

 

 

 

コミック感満載

原作の方は読んだことがないので何とも言えませんが、このコミック感をそのまま映像に落とし込んだ独特の味はクセになります。

各キャラクターの造詣も然り、分かりやすい展開も然り、強引で投げっぱなしな脚本も然り。

本当に漫画を読んでいるかのような演出の数々には単純ながらも奥深い魅力がありますね。

 

その魅力の土台となる美術は本当に素晴らしいもので、各キャラクターや武器の数々、罠のギミックやクリーチャーのデザインなど、どれも印象的で強い個性を感じます。

独特の世界観に負けない土台として、この映像美術はよく練られ、完成していますよ。

 

 

主人公のヘルボーイは、もう見たまんまの悪魔の子、というか悪魔(笑)

赤ん坊の頃に地上に迷い込み、優しく常識的な義父の下で育ったために正義の味方として活躍しています。

その厳つい風貌に巨体、電動ヤスリで荒々しく削る角、イカすちょんまげ、そして猫好きな性格。

武骨で不器用で、悪魔のくせにやたらと人間臭いキャラクター性はなんとも愛嬌があり、非常に魅力的なダーク・ヒーローという感じ。

 

でかいリボルバー拳銃も全然当たらないし、彼自身は強いにしろ敵もバケモノ級に強いので大変そうだし、それでも愚痴をこぼさず今日も戦う彼の背中は本当に立派ですな。

何より人間じゃないし、どう見ても悪魔っぽいにも関わらず恋路に頭を悩ませる姿はコミカルで面白いですね。

本当に人間臭い。

そして、そんなヘルボーイを支える相棒のエイブも弱いけど有能だし、キレるとヤバい恋人未満のリズも素敵です。

 

しかし、個人的には最も印象的なのは敵の殺し屋・クロエネン。

これがもう厨二病をビシバシと刺激するデザインでして、劇中では一言も話さないにも関わらず相当な存在感を発揮しています。

トゥーレ協会(ナチスの前身)の会長でナチスで最強の殺し屋で、自傷癖がある潔癖症で、そして体の秘密を駆使したトンファー剣を振り回す姿は超絶カッコいいす。

もうロマンの塊ですよ、マジで。

 

 

物語としては魔界から来たダーク・ヒーローと、魔界と地上を繋いで混沌に陥れようとする勢力との闘いが描かれ、その合間にヘルボーイとリズの恋路が挟まる感じ。

 

それぞれに盛り上がりもあるのですが、終盤に失速してしまうのが唯一残念なところ。

世界の終末が近づいているにも関わらず、どこかのんびりした空気感も賛否が分かれそうです。

狂言回しのポジションになるはずの新人エージェント・マイヤースも立ち位置が微妙というか、ちょっと空気な存在感で中途半端さも目につきますね。

 

総じてユニークな設定と、秀逸な美術に支えられてはいるものの、どこか漂うB級の凡作感が拭えない雰囲気があります。

面白いは面白いんだけどね、思わず何度も観たくなるような映画ではないですな。

 

 




 

まとめ

とはいえ続編もありますし、新たなリブートの計画もありますし、やはり人気のあるコンテンツなんだろうと思います。

思い切りSF臭が漂うシンプルなアクション映画なので、かなり好みは分かれると思いますが、それも含めて観て損のない作品だとは思います。

 

意外性の塊のようなお茶目なヘルボーイ、そして彼を中心に巡る一連の物語はそこそこの見応えがありますし。

暇な時に観れば、思いのほか楽しめる作品ですよ。

 

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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