ヒドゥン


(原題:The Hidden)
1987年/アメリカ
上映時間:95分
監督:ジャック・ショルダー
キャスト:マイケル・ヌーリー/カイル・マクラクラン/クリス・マルケイ/ウィリアム・ボイエット/クローディア・クリスチャン/他

 




 

知る人ぞ知る、懐かしい映画のご紹介。

刑事もののバディ・ムービーを軸に、異星人による犯罪を扱うSF風な背景、サスペンス風な緊張感に銃撃戦を含むアクション要素と、一度に色々と味わえる面白い作品です。

 

主演はカイル・マクラクラン、「セックス・アンド・ザ・シティ」や「デスパレートな妻たち」に出演するなど、最近は映画よりもドラマの出演が多い模様。

古いしマニアックな作品なので知らない人も多いと思われますが、シュールな笑いあり、泣ける感動ありの秀作だと思います。

 

 

 

さっくりあらすじ

ロス市警のトム・ベックはカーチェイスの末に凶悪犯ジャック・デヴリーズを逮捕するが、その後の調査でデヴリーズは「極めて平凡な一般人である」との証言しか得られずにいた。

真相が掴めず困惑気味のベックの元にロイド・ギャラガーと名乗るFBI捜査官が訪れ、反発するベックに構わずギャラガーは強引に捜査に乗り出してくる。

また同じ様な事件が起きるとギャラガーが予言する通り、再び凶悪事件が発生し犯人は射殺された。

このような結果に疑問を抱いたベックはギャラガーを問い詰め、ギャラガーは事件の真相を語り始めるのだが、、、

 

 

 

叩き上げの刑事・ベック
謎のFBI捜査官・ギャラガー

 

危機を乗り越え二人に友情が芽生える

 

結構エグいシーンもあります

 

 

 

人間と異星人との絆が生む感動

最近は全く観ることが無くなってしまいましたが、筆者が幼い頃は「日曜洋画劇場」とかでよくやってたんすよね。

2~3回は観た記憶があるので、当時は鉄板で数字が取れる映画だったのかもしれません。

 

話は逸れますが「日曜洋画劇場」ではマイナーな作品も少なからず放映されていて、派手さはなくとも味のあるチョイスが本当に好きだったんですよね。

今は亡き淀川先生の挨拶も懐かしいですね。

思えばあの方の映画に対する造詣の深さにに憧れて映画を観るようになったのを思い出します、良い時代でした。

 

 

話を戻しますが、ざっくり言えば人間の刑事と善良エイリアンがタッグを組んで、悪玉エイリアンをやっつけるという割とベタな内容です。

強いて言えば、悪玉エイリアンがヘヴィメタルとスポーツカーを好むという設定が斬新ではありますが。

 

エイリアンは主に口から口へと移動し、体の内側から人間を操るという「寄生タイプ」の異星人であり、その辺のシーンはややエグめなのでご注意ください。

昔の映画ならではの大味なアクションや、これまた大味なカーチェイスは良い意味で期待通りの展開。

潔いほどに描かれる善vs悪の構図も、良い意味での安心感があります。

 

このあたりは「ゾンビコップ」と同じようなもんで、現在のアクションのクオリティとは比べ物にならんレベルなんですが、何故かハラハラドキドキ、面白いんですよね。

公開された時代を考えれば、これはもう秀逸な出来だと言えます。

 

善良エイリアン刑事を演じたカイル・マクラクランの存在感がとにかく印象的で、どこか透明感すら感じさせるような無表情っぷりは非常に印象的です。

凶悪事件を起こす犯人を追いかける正体不明の男として、得体の知れない魅力を醸し出す彼の存在感は本当に素晴らしい。

マイケル・ヌーリーが演じる無骨な刑事・ベックと、冷静で知的なギャラガーの対比もバディ・ムービーとしての完成度を高めていますね。

 




 

まとめ

全体的に漂う緊迫感の中で展開されるシュールでコミカルな演出、深い喪失感を生み出す感動的なエンディングなど、一つの作品の中で様々な色が交錯し、極めて高いバランス感覚で構成されています。

古い映画だけに細かい粗が無いわけではないですが、それを補って余りある内容に不満はありません。

 

エンディングの展開については賛否両論あるようですが、それも含めて楽しんでほしい作品です。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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