ジュラシック・ワールド/炎の王国


(原題:Jurassic World/Fallen Kingdom)
2018年/アメリカ
上映時間:128分
監督:J・A・バヨナ
キャスト:クリス・プラット/ブライス・ダラス・ハワード/ジャスティス・スミス/ダニエラ・ピネダ/ジェームズ・クロムウェル/レイフ・スポール/他

 




 

前作はコチラ

恐竜映画の金字塔として、2018年の目玉映画のひとつだったのではないでしょうか?

 

前作に引き続き、ようやくオープンにこじつけ大盛況を誇ったテーマパークが、無残に崩壊した後の物語となっております。

過去の恐竜を復元し、その驚異的な恐ろしさから逃げ惑う物語から一転し、前作ではキメラ生物の開発という新たなエッセンスが盛り込まれました。

しかし結局は人間、というか管理する側のケアレスミスにより大惨事が引き起こされるという流れは変わらず、楽しかったけど既視感も満載な印象です。

何回同じことやってんだよ

でもね、言うてもね、ついつい観たくなってしまうのが金字塔を打ち立てた魅力でしょうかね。

 

 

 

 

さっくりあらすじ

大惨事を引き起こした事件から3年、崩壊したパークのある島では火山噴火が起き、島に残った恐竜たちは命の危機に晒されていた。

パークの運用管理を務めていたクレアは恐竜保護団体を設立し、島に残った恐竜を救出するためにロックウッド財団のベンジャミンの協力を得る。

さらに財団の経営者・ミルズにヴェロキラプトルの”ブルー”を探すよう依頼を受け、元調教師のオーウェンらと共に島へ向かった。

溶岩と噴石が降り注ぐ中、無事にブルーを発見した一行だが、ミルズの私兵たちが裏切りブルーを連れ去ってしまうのだが、、、

 

 

 

 

 

ブルーの協調性に気づいたオーウェン
オーウェンに懐くブルー

 

大人になっても協調性は変わらず
野生に戻っても意思疎通ができる

 

草食恐竜・スティギモロク
石頭で大活躍

 

 

 

 

 

更なる倫理観

内容は今までと大きな剥離は無く、要は恐竜を掻っ攫った人間がやらかして恐竜にフルボッコされるという流れ。

 

具体的には火山島からの脱出劇を描く前半と、少女を中心に危険生物から逃げ惑う後半に分かれます。

これが結構な温度差でして、どちらもハラハラドキドキなパニックホラーではあるものの、かなり色の違う演出なので2度美味しい感覚がありますね。

見慣れたような危機的状況でも、よりリアルに、より迫力ある映像で魅せてくれるのは新鋭・バヨナ監督の手腕でしょうか。

 

 

長く続くシリーズだけにマンネリ打破が最も重要な要素となりますが、本作からハッキリと舵を取り、今までは直接的に描かれなかった恐竜オークションが開催されます。

今まではあくまで動物園的な考え方として、端的に言えば恐竜を”見世物”として扱ってきましたが、今回は”生物兵器”としての側面が強めな印象。

とはいえ野生の恐竜ではなく、前作で登場した遺伝子工学を用いたキメラ生物(恐竜ではない)をより本格的に運用しようとしているわけで。

わざわざ恐竜を兵器に運用するメリットは無さそうな

よって恐竜映画と言うよりは、徐々にモンスター映画へとシフトしているような節もあり、ここらへんで賛否が大きく分かれそうですね。

恐竜パニックではなく、モンスターパニックやないかと。

 

 

個人的には迫力満点な映像で映画を引っ張るのは良いとして、モラルが置きっぱなしなのが気になるところ。

捕まえてきた恐竜を秘密裏に売買するのはまぁ良い(良くはないか)として、熊とかライオンじゃないんだからさ、恐竜なんてどうやって連れて帰るんだよと。

 

いくら”保護”の名目があろうとね、国ではなく個人が飼育するとなると世論が許さないでしょう。

現実的に考えればパンダの如し、アメリカからレンタルされるのが妥当なところなんだろうなと。

もしくはシーシェ〇ードのような連中が過激な妨害をしてくるんだろうなと。

 

勝手に恐竜を蘇らせて放置して、保護すると言っては売買して、この一連の行動は余裕で国際問題に発展するレベルの話だと思うんですけどね。

つまりは運用管理から保護団体に転身したクレアも、調教師として従事したオーウェンも、パークの運営に関わった全ての人間に責任があるんじゃないかと。

その責任問題が宙ぶらりんになり、誰がどう判断してるのかが見えないのが不満点として挙げられますね。

 

これは終盤の展開にも大きく関わる話で、恐竜の命運を決めるある行動には首を傾げざるを得ませんな。

生物を保護する優しさなのか。

責任を放棄し人類に脅威をもたらすのか。

エンディングも含め、どうにも不快な気持ちが拭えませんでした。

 

 

まぁ、この手の映画にマジになることもないんですけどね(笑)

相変わらずのご都合主義の連続に、「歴史は繰り返す」と言わんばかりのアホな大人たちに、良くも悪くもジュラシック節は感じられます。

ただ恐竜も悪人しか殺さないので、さすがにハラハラ感も薄まってきましたし、緩んだ気持ちを一気に緊張させるような演出には乏しかったかなぁ。

 




 

 

まとめ

ちなみに原題は「Fallen Kingdom」つまりは「王国の崩壊」となります。

これは恐竜が闊歩する「島」を指すのかと思っていましたが、エンディングを迎え一転、地上を支配する人間の社会を指すのかもしれません。

まぁ現実的に考えれば軍隊クラスの兵力で駆除されるのがオチだろうと思いますし、剥製なんかにしたら凄い金額にもなりそうな気がしますが。

 

やはり深いことは考えず、単純に迫力溢れる恐竜の姿を拝むのが吉ですな。

無理に恐竜との絆やキメラ生物や、哲学性を入れると色々と粗が出てしまいますしね。

 

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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