陰日向に咲く

2008年/日本
上映時間:129分
監督:平川雄一郎
キャスト:岡田准一/宮崎あおい/伊藤淳史/緒川たまき/塚本高史/平山あや/西田敏行/三浦友和/他

 




 

芸人であり俳優であり作家であり映画監督でもあり、マルチな才能を発揮する劇団ひとりの小説の映画化作品。

小説が発売されたのは2006年、これが劇団ひとりのデビュー作となるようで、最終的には100万部を超える大ヒットとなったようです。

 

芸人としての劇団ひとりは正直あまり好きではないのですが、原作は面白かったんですよね、これが。

タイトル通りスポットライトの当たらない社会的な落ちこぼれ達の群像劇ですが、多種に渡る人間模様を描くのに長けているなという印象です。

 

 

 

さっくりあらすじ

社会的なストレスに悩むサラリーマンはホームレスの「モーゼ」に出会い、その自由な暮らしに憧れを持ち自身もホームレスになる。

ある日、若手ながらも億を稼ぐ野球選手が父親を捜しにホームレスが集う公園へとやって来て、彼を見たモーゼは自分が父親だと語るのだが、、、

 

デビュー5年目ながらも芽が出ないアイドル・ミャーコこと武田みやこ、そして彼女を熱狂的に支えるファンの青年・ゆうすけ。

ゴールデン番組に出演するもひどい扱いを受けるミャーコの姿に心を痛めるゆうすけ、思い立った彼は番組HP上で彼女を絶賛するのだが、、、

 

ギャンブルが止められない多重債務者のシンヤは借金が400万を超え、遂にオレオレ詐欺に手を出してしまう。

電話に出た老婆の息子「健一」になりすまし、50万円を工面するように頼むのだが、、、

 

ひどい家庭で育った鳴子は中学の修学旅行で浅草を訪れ、売れない芸人・プードル雷太に出会う。

3年後、運命を感じた鳴子は上京し雷太を探し、彼を売れっ子芸人にするためにコンビを組むのだが、、、

 

 

 

群像劇なので、登場人物が多数

 

アイドルオタクとか

 

威厳のあるホームレスとか

 

 

 

心温まる、人の輪

あくまで映画なので現実とは異なるものだとは思いますが、どこかで誰かと繋がっている”縁”というのは本当に不思議なものであり、そんな”縁”を群像劇で描いた物語として非常に良く出来ていると思います。

作品の特徴として仕方ないところもあるものの、各ストーリー上の繋がりがあるような無いような、、ややぶつ切り感が出てきてしまうのが残念なところ。

それを踏まえた上でもオムニバス形式の映画としてのまとまりはありますが。

 

 

借金まみれ、ホームレス、孤独な老人など、社会的に孤立してしまう立場の人間でも”人間の輪”の中にいるんだよ、という話だと思われますが、コレは今の世の中で非常に意味のある大事なメッセージだと思います。

叶わぬ夢や恋、それどころか人並みの生活さえ破綻してしまったような人たちが中心のドラマですが、それでも人間にはどこかに縁があり、縁が心の寂しさを埋めていくサマが描かれます。

 

産まれてきたんだから生きなきゃいけないし、人間なんだから群れて暮らさなきゃいけないし、あらゆる方面からのストレスにさらされながらも逞しく生きていかなきゃいけないのが現実の社会です。

そんな中で報われない日陰の生活を送っていても、どこかで誰かの支えとなり、また誰かに支えられているわけですな。

 

 

ただその深いメッセージを映像で表現しきれてないのがもったいないかなぁ、、一貫したテーマにも関わらずピンボケしてる印象があります。

むしろ感動作に仕上げたぞー!的な意図というか、雰囲気が伝わってしまうところがチラホラあったようにも感じるので、これは演出が悪いのか、脚本が悪いのか、、、

 

テーマは非常に素晴らしいものだと思うんですけどね、存分に発揮できてるかと言えば、決してそんなことはなさそうですな。

 




 

まとめ

ご都合主義と言えばそれまでの作品ではありますが、芸人が書いた処女作だと思えばストーリー的には及第点。

むしろ魅力ある原作を活かしきれない演出の方に稚拙さを感じます。

映画としての作りが雑と言いますか、、「映像」を繋げただけで「映画」としての完成度は低いと言えるでしょう。

 

とはいえ、ある程度は俳優の演技力と魅力で補えてはいるので、十分に観るに値する作品だと思います。

ダメ人間のほっこり話が個人的に好きなので甘めな評価になっておりますが、オススメまでは到底いかないかな。

 

良ければ一度ご鑑賞くださいませ。



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