甲子園へ行こう!


1999年~2004年
作者:三田紀房
週刊ヤングマガジン(講談社)
全18巻

 




 

 

地方大会も大体が終わり、ボチボチ甲子園の季節がやって来ますな。

未熟ながらも全身全霊で闘い、一試合毎にドラマが生まれる夏の風物詩はやはり面白いものです。

しかしTVで観る甲子園の他に、各学校がいかに協力し、各選手がいかに努力を重ねているかをフォーカスされるのは意外と少ないもので、よほど好きじゃないとそこまで興味を持たないのもまた事実。

スーパースターを中心に描いた作品や、超人的な運動神経や技術を描いた作品は数あれど、少しだけ恵まれた才能を磨き抜いて強豪に挑む作品は本作くらいではないでしょうか?

ひたすら地味に甲子園を目指し県大会を勝ち抜く球児を描いた作品ですが、かなり手に汗握る、感情移入しやすい作品だと思います。

 

 

さっくりあらすじ

鎌倉西高校、通称”鎌西”の1年・四ノ宮は夏の大会の先発登板で九回二死まで無失点で抑えるも、満塁のピンチにストライクが取れずサヨナラ負けを喫してしまう。

チームのエースピッチャーの故障で得た出場機会だったため、その後はスランプに陥り、予選リーグは通過するものの県大会では敗退してしまった。

野球部を統括する部長の貞兼は今後は「勝つ野球」の方針を打ち出し、部内では「勝つ野球」か「楽しい野球」かで意見が分かれるも、最終的には「勝つ野球」を目指すようになる。

同時に貞兼はエース投手の確立が不可欠だと考え、教え子で元プロ野球選手の若村に対し、野球協約違反を承知の上で四ノ宮のコーチを依頼するのだが、、、

 

リアル高校野球

もうその一言に尽きますね。

特殊な才能や体格に恵まれなかった選手たちが、いかに根性と気合と科学的根拠に基づいたトレーニングを重ね、弱者が強者を倒すのか。

また「高校野球」というスポーツに対し、かなりの玄人目線での描写や解説が多く、単純な努力だけでは勝ち上がれないシビアさを現実的に描いてあります。

逆に言えば甲子園に行くために必要なのは「金」「設備」「指導者」だと端的に語る場面も少なくなく、甲子園を目指す球児を支える側の人間に対してのシビアさもまた特徴的だと言えます。

 

とはいえ基本的にはスポ魂のお話なので、それ系が好きな方は概ね楽しめるものではあるでしょう。

チャンスで手に汗握る感じ、ピンチで仲間と励まし合う感じなど、実際に試合を観戦しているかのような高揚感や緊張感は何ともクセになります。

主人公チームがリアル雑草魂系のチームなのも特徴的で、甲子園常連の名門高校との試合に対する”温度差”なんかも個人的には興味深いものでした。

 

甲子園に行くために努力を重ねる。

当たり前ですが弱小だろうが強豪だろうが努力はしているわけで。。

いかに才能に恵まれ、良い指導者に恵まれ、またチームメイトに恵まれた上で活躍できるのか。

たんなる青春ドラマや根性物語ではなく、努力した上で壁にぶつかり、またそれをどう乗り越えるのかを描いてある点にも好感が持てますし、応援したくなるわけで。

学生はもちろん、社会人も読んで得るものはあるはずですよ。

 




 

 

まとめ

強いて言えば「ドラゴン桜」でブレイクした三田紀房先生の作画があまりスポーツ描写にマッチしておらず、馴れればそれなりの迫力と感動を味わえますが、そもそもスポーツ漫画に向いてる絵柄とは言い難いところではあります。

それを踏まえた上でも十二分に感じる情熱、青春、そして野球に対する熱意は感じられる熱い作品かなと思います。

とはいえ野球漫画なんで、そもそも甲子園や野球に対して興味が無い方は最初から選ばないジャンルでしょうし、どんなきっかけであれ興味を持ったらぜひとも読んで欲しい作品ではあります。

若干のご都合主義はありますが良作です。

よければ一度ご拝読くださいませ。



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