ライト/オフ


(原題:LIGHTS OUT)
2016年/アメリカ
上映時間:81分
監督:デヴィッド・サンドバーグ
キャスト:テリーサ・パーマー/ガブリエル・ベイトマン/ビリー・バーク/マリア・ベロ/アリシア・ベラ=ベイリー/他

 




 

 

デヴィッド・サンドバーグが手掛けた短編映像が動画サイトで公開され、驚異的な再生回数を記録し、改めて長編映画として製作された異色のホラー。

監督はそのままデヴィッド氏が続投し、製作総指揮には「Saw」シリーズで躍進し、今や売れっ子監督となったジェームズ・ワンが務めます。

 

電気を消す、という日常で必ず行う行為ですが、これがまぁ怖いのなんの。

こうして前情報を得た時点で、どういったテイストのホラーなのかが丸分かりな作品ではありますが、その予想の上を行くインパクトがあります。

ただし、初見のインパクトが強すぎるが故に、長編になってくると怖さがどんどん薄まって来るジレンマもあるわけで。

ホラー映画って難しいですね。

 

 

 

さっくりあらすじ

ポールは深夜までマネキン工場で残業をしており、息子からの電話で妻の容態を聞かされると「なるべく早く帰る」とだけ告げ、電話を切った。

同僚のエスターが社内を施錠し電気を消すと、人影が現れる。

電気をつけると人影は消えたが、電気を消すにつれ近づいているようにも見え、怖くなったエスターはポールの元へ逃げ込んだ。

事情を説明するもポールには伝わらず、訝しげながらも、エスターはそのまま帰っていった。

そしてポールも片づけを終え、倉庫を見て回ると暗闇に人影が見えるのだが、、、

 

 

 

 

暗闇に、誰かいる

 

どんどん近づいてくる

 

弟は可愛いが、母との確執に悩むレベッカ
彼女が主人公

 

 

 

 

 

良質ではある

元ネタとなる、およそ2分40秒の短編映像は非常にユニークで面白いものであり、長編映画へのネタにしたい気持ちは十分に理解できます。

しかし”短編”という濃ゆいソースが故に、長い時間軸で伸ばすと薄味な仕上がりになってしまうのは避けられないんですな。

 

恐怖の源がほぼ最初だけになってしまうので、時間が経てば経つほどに怖くなくなってくるわけで。

人影の正体に迫るほどに、また対抗策が判明するほどに、ミステリー性も損なわれていきます。

1発目の”掴み”が秀逸なだけに、その後に続く薄味なストーリーには物足りなさが否めません。

 

 

物語の主人公となるのは親元を離れ、彼氏との半同棲生活を送る女子・レベッカ。

若干ですが尻軽っぽい雰囲気が漂うのが、個人的にはど真ん中(どうでもいい)

重度の鬱病と向き合おうとしない母親に辟易し、置いて来た弟・マーティンを気を揉みながらも決意は固く、実家へは寄り付こうとは思いません。

 

そして母のソフィーは幼年期から鬱病に悩まされており、薬の服用を止めると暗闇の中で喋り続けるというヤバめなお方。

見た目的には至って普通の中年女性であり、マーティンとの2人暮らしにも関わらず「3人で映画を観ましょう」とかサラっと言うあたり、ある意味で1番怖い人だと思いますね。

主にこの2人+弟が物語の中心となり、徐々に人影の正体に迫っていくサスペンス性が作品の軸となっております。

 

 

細かい部分は置いといて、概ね面白い(怖い)ホラー映画として完成されてはいます。

照明をつければ消え、消すと現れる人影というものは実に現実味のある恐怖ですし、特に序盤のシーンでは殆どの方はビックリさせられることでしょう。

 

ただね、やっぱり視覚的な恐怖に頼り過ぎな感は否めません。

映像に馴れれば怖くはなくなりますし、そういった恐怖を後押しする謎も掘り下げが足りず、ちょいと消化不良な印象です。

「何かがいる」という不気味さが恐怖を助長するわけであって、その「何か」が超アグレッシブなアクションに走ると怖さのジャンルも変わってしまいます。

ましてや音も立てずに近づくから怖いんであって、喋り始めたりするともう、目も当てられませんな。

 

 

総じて面白いアイデアと映像表現ではあります。

しかし長編映画にした結果、恐怖感は明らかに短編映像に劣っているようにも感じますし、ホラーを成立させる難しさが浮き彫りになっているとも思います。

瞬発力は良いんだけどね、持久力に欠けて長続きする恐怖が無いんです。

 




 

まとめ

とはいえ、ホラー映画としては取り留めなくまとまってはいますし、決してつまらない作品ではありません。

先述したように、純度の高い恐怖を薄味に伸ばしたような作品なので、ホラー馴れしている人からすれば退屈な作品でしょう。

逆にホラーが苦手な人や、ホラー初心者に対してはうってつけな映画だとも思います。

 

当たり前のように行う”電気を消す”という動作、それがもたらす恐怖はなかなかのもの。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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