リトル・ミス・サンシャイン

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(原題:Little Miss Sunshine)
2006年/アメリカ
上映時間:100分
監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス
キャスト:グレッグ・キニア/スティーブ・カレル/トニ・コレット/ポール・ダノ/アビゲイル・ブレスリン/アラン・アーキン/ブライアン・クランストン/ディーン・ノリス/他

 




 

 

ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス夫妻の監督デビュー作となるヒューマン・ドラマ。

さらに「トイ・ストーリー3」も手がけた、脚本家のマイケル・アーントが初めて執筆。

さらにさらに、わずか800万ドルで製作された映画ですが、世界中の批評家から高い評価を受け、興行収入は1億ドルを突破。

 

アカデミー賞では脚本賞と助演男優賞を獲得し、その他の映画賞でも続々と受賞を重ねた、名作映画の見本のような作品です。

バラバラな家族が同じ方を向いて車を押すシーンは、ほっこりと感動しますよ。

 

 

 

さっくりあらすじ

むっちり眼鏡っ子の少女・オリーブは、美少女コンテスト「リトル・ミス・サンシャイン」の地方予選を通過した。

しかしコンテスト会場までの旅費を捻出できず、様々な諸事情もあって家族全員で同行することになる。

仕事が上手くいかず、短気に当たり散らす父リチャード。

家族の面倒を見ることに疲弊した母シェリル。

ゲイで恋人にフラれ、自殺未遂を起こした叔父のフランク。

空軍パイロットになるため、沈黙の誓いを立て喋らなくなった兄ドウェイン。

退役軍人で口汚く、ヘロイン中毒の祖父エドウィン。

バラバラでまとまりに欠ける家族。

ボロボロのフォルクスワーゲンでいざカリフォルニアへ、1000キロ以上の旅に出るのだが、、、

 

 

 

 

LMS-little-miss-sunshine-6646413-1400-933むちむち眼鏡の末娘オリーブ、超かわいい

 

Little-Miss-Sunshine-little-miss-sunshine-649538_1024_864クセがありすぎてバラバラな家族

 

Little-Miss-Sunshine-little-miss-sunshine-4115547-960-536アメリカでよくある美少女コンテスト
ジョン・ベネ事件とか有名だよね

 

 

 

 

笑って泣ける、最高峰の映画

およそ協調性というものに欠ける家族が末娘の美少女コンテスト出場を目指し、車での旅の中で次から次へと騒動を起こしていくロードムービーです。

「家族再生」をテーマに、いわゆる感動系映画と言える本作。

丁寧に重ねられていくエピソードは奥深さを生み、低予算ゆえに映像には派手さも捻りもないですが、田舎道を行く優しい景色や雰囲気も相まって良い味を出しています。

 

 

オリーブ役のアビゲイル・ブレスリンがもう、悶絶するくらい可愛いです。

当時若干10歳ながら、本作でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、その他にも多くの映画祭にて助演女優賞や若手女優賞を獲得しています。

 

彼女が演じるオリーブは可愛いけどダサい、ただの田舎の女の子。

素直でとても良い子ですが、世間知らずでコンテスト優勝に憧れ、根拠の無い自信も相応に持ち合わせています。

変人だらけのこの家族で唯一まともと言ってもいい感性の持ち主で、バラバラな家族全員に優しく接する姿は思わず目じりが下がります。

特に兄に対する接し方はホロリと泣けてきますね。

 

 

期待の若手俳優ポール・ダノ演じる兄のドウェインは台詞がほとんど無い役ですが、地味ながら感情表現は豊かでしっかりと存在感を発揮しています。

閉鎖的で、口を開かない兄が妹に見せるちょっとした優しさがまたジーンとくるわけです。

心が繊細だからこそ罵りあう両親に胸を痛める彼の気持ち、分かる方も多いのではないでしょうか?

 

 

そして、この映画に欠かせないのがおじいちゃんのエドウィン。

基本的に口が悪いし、喧嘩腰だし、ついでにヘロイン中毒だし(笑)

でもムチャクチャなことばかり言っている訳でもなくて、たまに筋の通った良いことを言ったり、孫のオリーブにはすごく優しかったり、一番キャラが立ってる素晴らしい演技でした。

コンテストに不安を覚えるオリーブを諭す言葉はもはや名言です。

ヘロイン中毒に人生の意味を説かれるのもどうかと思いますが、間違いなく作中で一番心に響くシーンだと思います。

 

演じるアラン・アーキンはゴールデングローブ賞を皮切りに数多くの映画賞のノミネート歴があり、本作ではアカデミー助演男優賞を獲得した本格派俳優です。

スクリーンに映るだけで作品が引き締まる貴重な俳優で、まさにいぶし銀といった感じで素敵です。

 

 




 

 

まとめ

この映画、やけに人生の勝ち負けにこだわります。

社会で生きている限り競争があるわけですが、本作における子供のビューティーコンテストはその比喩なのでしょう。

 

見終わった感想としては、結局は勝ち負けなんてものは自分の意識の中の問題なんでしょうね。

そもそもは勝ち負けなんて曖昧なものに縛られて、支配されて生きる方が異常なのかもしれません。

 

競争の螺旋を降りることは負けることを意味するものではありません。

馬鹿にされても、笑いものにされても、貧しくても、前を向いて諦めない生き方ができる人が最も勝ちに近い人なのだろうと感じます。

身近なものの大切さ、支えてくれる人の心強さ。

大切な人を大切に扱う、そんな当たり前のことを思い出させてくれる本当に素晴らしい映画です。

 

オススメです。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 



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