パッセンジャー


(原題:Passengers)
2016年/アメリカ
上映時間:116分
監督:モルテン・ティルドゥム
キャスト:ジェニファー・ローレンス/クリス・プラット/マイケル・シーン/ローレンス・フィッシュバーン/アンディ・ガルシア

 




 

宇宙空間や惑星移住に伴う時間の概念と、男女のロマンスを掛け合わせたような異色のSF作品。

ユニークなアイデアを元に作られた物語はなかなかに考えさせられますが、映画評論家的にはイマイチだったそうです。

 

閉鎖的な空間に男女で閉じ込められるという流れは過去にもありましたが、舞台が宇宙なだけにその映像美や空間美は目を見張るものがあります。

そして、それに負けないほどに魅力を放つ筆者のお気に入り、ジェニファー・ローレンスの美貌を堪能できるのも本作のポイントとなります。

いやぁ、、マジ超可愛いよね(キモい)

 

 

さっくりあらすじ

新たな惑星への移住を目的とした大型宇宙船・アヴァロン号の航行中、人口冬眠ポッドの不具合によりジムだけが目覚めてしまう。

再びポッドを使用することはできず、また目標とする惑星まであと90年もかかると予想されており、地球へとメッセージを送るも返事が返ってくるのは74年後だとAIに伝えられる。

大勢の人が眠る宇宙船内での孤独死に怯えたジムは乗組員がいるエリアに入ろうと試みるも、扉は頑丈に閉ざされており、誰も起こすことができない。

何とかスイートルームの扉をこじ開け、船内に備えられたアクティビティで遊び、アンドロイド・バーテンダーとの会話で寂しさを紛らわしていくのだが、、、

 

 

 

 

大型宇宙船・アヴァロン号
自動航行で惑星を目指す

 

人工冬眠ポッドの故障により
ジム1人だけが目覚めてしまう

 

バーテンダー型アンドロイド
唯一の話し相手

 

 

 

 

 

危機と宇宙と男と女

90年後まで一人ぼっちという絶望感。

目の前で人が寝ているにも関わらず、コミュニケーションがとれない孤独感。

無機質で閉鎖的な宇宙船内での演出もあり、一人だけで過ごす”キツさ”には結構なリアリティを感じます。

 

そんな孤独に苛まれた男が罪の意識に葛藤しながらも、理想的で美しい女性を”起こして”しまうのが映画の本筋となります。

他に助けを呼べない空間内にて、止むにやまれず巻き込んだ側と、意味不明に巻き込まれた側の心理描写をラブストーリーで包んだような作品ですな。

 

よって男性目線と、女性目線での感想は大きく剥離することになるでしょう。

そもそもの設定からして予定調和な空気感が漂っているので、多少の強引さには目をつむって鑑賞した方が良いかもしれません。

 

 

そんな本作の見所としては船内での映像美、これに尽きます。

近未来的ながらも現実味を感じさせる船内のインテリア、宇宙の恐ろしくも美しい空間美、そして最も素晴らしいプールエリアのデザインや無重力の演出。

どれをとっても目を奪われるような迫力と美しさがあり、これらの演出だけでも観るに値するのではと思いますね。

 

閉鎖空間内での出来事なので、登場人物はアンドロイドを含め実質4人だけと少なめ。

その大部分をクリス・プラットとジェニファー・ローレンスが占めることになります。

 

最近は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」や「ジュラシック・ワールド」など、多くの大作映画に出演しているクリス・プラット。

舞台が宇宙だけに、正直スター・ロードのイメージが頭から離れない気がしないでもないですが、孤独に耐えきれない冴えない男性としての存在感はなかなかのもの。

というより本来はイケメン枠ではないと思いますし、いわゆる3枚目な立ち位置の方がしっくりきますよね。

 

そしてヒロインとなるジェニファー・ローレンスは相変わらずの演技力と美貌が光ります。

知的で野心的な女性記者という役にもピッタリと合わせ、その魅力を存分に発揮しています。

 

意味も分からずに目が覚め、先に起きていたジムの言うことを受け入れる素直さ。

かと思えば事の真相を知り、極めて攻撃的にヒステリックに保身に走る切り替えの早さ&狡猾さ。

そういった感情の振り幅を上手く演じていますし、なにより超可愛いっす(*´Д`)ハァハァ

 

 

 

何よりも本作に置いて、最も注目したいのは「自分ならどうするか?」という点に尽きますね。

 

たらたらと時間を潰して孤独に生きるのか?

孤独に耐えきれず、誰か仲間を作ろうとするのか?

好き勝手に生きて、自ら死を選ぶのか?

 

人間は群れて生きる生物ですし、絶対的な孤独を1年以上過ごすという機会は普通に考えればまず無い話でしょう。

それでも誰にも迷惑をかけることなく、自分の運命を呪いながら”独りで死ぬ”ことが恐らくは正解なんだと思います。

 

 

当然ながら、藁をもすがるような気持ちで誰かを道連れにすることは認めがたいことである一方で、許さざるを得ないようなシチュエーションだったとも考えられ、ここは正に賛否両論なところかなと。

先述したように男性と女性では受け取り方が大きく異なるであろう脚本ですし、どういった結末が相応しいのかという点については誰もが違う答えを出しそうです。

 

ご都合主義ではあるものの、本作で迎えるエンディングは個人的には好きでしたけどね。

 




 

まとめ

理不尽なトラブルに見舞われた男。

さらに理不尽なトラブルに巻き込まれた女。

SFな世界観の中で異質な恋を繰り広げる映画として、結構な変わり種にも感じますが、それなりに楽しめるだろうと思います。

 

何よりも映像美は本当に素晴らしいものがありますし、これだけでも見て損は無いです、断言できます。

遥か宇宙でのロマンスとして、決して悪い内容ではないですが、いかんせんカップルで観ると意見が分かれそうですねぇ。

 

色々とアラの多い映画ではありますが、それを補う魅力も確かなものです。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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