PiCNiC


1996年/日本
上映時間:68分
監督:岩井俊二
キャスト:CHARA/浅野忠信/橋爪浩一/鈴木慶一/六平直政/伊藤かずえ/他

 




 

スワロウテイル」や「リップヴァンウィンクルの花嫁」で有名な岩井俊二監督作品。

結果的に離婚されてしまいましたが、CHARAと浅野忠信を結び付けたメモリアルな作品でもあります。

ショートフィルムながら印象的な映像美や独特な世界観、さらに主要人物3人のインパクトもあり、岩井俊二が思い描くメルヘンな感性が反映されています。

美しい描写と気味の悪い描写が交差するような混沌とした物語であり、ある意味で詩的、ある意味で哲学的、そんな多角的な意味を感じさせる映画です。

 

 

 

さっくりあらすじ

心の病気を抱えるココは親にすら見捨てられ、不気味な笑顔を浮かべる職員たちがいる精神病院へと入ることになる。

患者が着る白い服が気に入らないココは絵具で服を真っ黒に染め、捕まえたカラスの羽をむしり取り、お手製のマントを羽織ってはしゃいでいる。

ある日、同じく入院しているサトルと幻覚に悩まされているツムジは病院の塀に上り外の風景を眺めていた。

外の世界に探検に行くという2人にココもついていくのだが、、、

 

 

 

 

塀の上を歩く3人

 

当たり前だけど浅野忠信が若い!
カッコえぇ、、

 

美しくも悲しい映像

 

 

 

 

若く、繊細で、刹那的

寓話の世界のように現実味を帯びず、現代風の街並みを背景にしながらもメルヘンチックなテイストを感じる不可思議な作品と言えます。

このシュールでナイーブな世界観は何とも形容し難く、幻想的な印象を抱かせる人間の気持ち、その刹那的な一瞬を切り取り、ツギハギしたようにも感じます。

これは一般の健常者の世界観ではなく、病院にいる患者の感性で描かれた物語だからですね。

 

とにかく本作に於いて、間違いなく言えることはCHARAも浅野忠信も極めて魅力的な存在感を発揮しており、この2人を輝かせるための映像集と言っても差し支えないでしょう。

とにかく”絵”になる2人ですな。

 

 

物語としては心に闇を抱え、どこかがおかしい3人組が外の世界へと冒険に行くというもの。

ただ「何かあったんだろう」とは思っても具体的な描写は描かれず、悪い言い方をすれば様子のおかしい人たちがブラブラしているだけとも言えますかね。

 

この何てことのない「外出」をいかにもソレっぽく仕上げるあたりが岩井監督の真骨頂とも言えますが、面白くない人はとことん退屈な映画に見えることでしょう。

しかし世間の”冷たさ”や”悲しさ”から逃れる術を知らず、常にそれらに晒されて生きている人たちの気持ちは上手く描いてあるかなと。

要は登場人物を含めどれだけ”世界観”に浸れるかがキモであり、浅はかなようで深みがあるようで、不可思議な印象を持つ作品としては興味深いものではあります。

 

 

あとは歳ですかね。

極めて感傷的でイノセントな物語なので、多感な年ごろを迎える少年からすれば世界観を揺るがすレベルの影響を与えるかもしれません。

いい大人からすればあくまでひとつの「作られた物語」として捉えられるでしょうが、思春期真っ只中の少年少女にはきっと大きなインパクトとなり、心に響くものがあると思います。

 

 




 

まとめ

”内側”と”外側”を隔てる塀の上という比喩。

世界の終わりを見届けるために塀の上を歩く意味。

そしてその先にある映画としてのメッセージ性。

こうして振り返ってみると玄人向けな作品かもしれませんね、でも独創的で芸術性を感じさせる作品として観て損は無いでしょう。

 

大人になってしまった人々は映像美を楽しみ、学生くらいの若者には失いつつある純粋さを感じてほしい作品です。

ちなみにそれ未満の子供にはオススメはしません。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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