パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊


(原題:Pirates of Caribbean:Dead men tell no tales)
2017年/アメリカ
上映時間:129分
監督:ヨアヒム・ローニング/エスペン・サンドベリ
キャスト:ジョニー・デップ/ハビエル・バルデム/ブレントン・スウェイツ/カヤ・スコデラリオ/ジェフリー・ラッシュ/ケヴィン・マクナリー/他

 




 

 

恐らくは2017年・夏の目玉となるであろう、皆様ご存じの海賊アドベンチャー大作。

監督を務めたヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリはノルウェーで高い評価を受けた共同監督なんだそうで、基本的に二人一組で仕事をする変わり種。

でもプロデューサーは「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」をはじめ、「ローン・レンジャー」や「プリンス・オブ・ペルシャ」を手掛けるジェリー・ブラッカイマーのため、そこは安定のド迫力娯楽作品として完成しています。

 

主役であり本作の顔でもあるジョニー・デップを筆頭に、ある種の原点回帰とも言えるブレストン・スウェイツとカヤ・スコデラリオの若手コンビの加入、そしてオーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイの復帰がファンには嬉しいところか。

筆者が観たのが7月3日、平日の21時とはいえスクリーンにいたお客さんは多く見積もっても20~25人程度、公開3日めということを考えればかなり寂しいような気もしますが。。

 

ちなみに副題となる「Dead men tell no tales」は直訳すれば”死人に口なし”。

対して邦題では「最後の海賊」となっておりますが、さて、今回はどの程度的を得ているのでしょうか?

 

 

 

さっくりあらすじ

10年に1度しか陸に上がれないウィル・ターナーの呪いを解くため、息子のヘンリーは呪いを解く鍵となる”ポセイドンの槍”を見つけるためにジャック・スパロウを探す旅に出る。

9年後、英国海軍の船が”魔の三角水域”に入ろうとしており、水夫として乗船していたヘンリーは艦長に危険を伝えに行くも反逆者と見なされ、牢へと入れられてしまう。

そのまま三角水域へと突入した英国軍だったが深い暗闇の中から現れた何者かに襲われ全滅、唯一生き残ったヘンリーは亡霊と化したアルマンド・サラザールと出会う。

嘗てのスペイン最強の船「サイレント・メアリー号」の艦長だったサラザールと船員たちはジャック・スパロウへの復讐の伝言を託し、あえてヘンリーだけを逃すのだが、、、

 

 

 

 

ご存じジャック・スパロウ
相変わらず無計画で破天荒

 

ジャックを追う”亡霊”サラザール
スペイン訛りの英語が不気味

 

呪いに囚われたウィル
筆者の嫁のコメント「フジツボでも男前」

 

 

 

 

及第点な満足度

基本的には過去作の流れに準じている物語になりますので、最低でも初期の3部作くらいの知識は必要だと思います。

何だかんだでシリーズ5作目ということもあり、元祖レギュラー陣もチョイ役とはいえ復帰していることもあって既視感の強い仕上がりです。

でも登場人物がみんな相応に歳を取り、老けても相変わらず同じようなことをしているという面白さはなんとなくホッとしますね。

 

作品としては呪いで海に沈みっぱなしのウィル・ターナーと、その帰りを待ちわびているエリザベスの代わりに息子のヘンリー、そのヒロインとなるカリーナが参戦し、どことなく1作目を思い起こさせる雰囲気に。

主人公ジャック・スパロウにライバルのヘンリー・バルボッサ、そして敵のサラザール、微妙な三つ巴の中に巻き込まれる若者たちの姿はまんま1作目を観ているようで、どこか懐かしさを感じるような内容かなと。

かつて父を救ったウィルを救うため、成長した息子・ヘンリーが冒険に出る物語は過ぎ去った年月を感じさせ、何とも感慨深い気持ちになりますね。

 

 

アクション面では相変わらずの予算の掛けっぷりを感じる映像が多く、終始圧倒するような迫力満点の演出が楽しめます。

ただ前作から6年が経ち、役者が歳を取ったのも関係してるのか、剣戟アクションに関してだけは物足りなさがあったようにも思います。

特に船上での戦いは基本的に薄暗い演出が多く、迫力は感じるものの何をしているのか分かり辛いシーンもちらほらあったように感じます。

節目ごとに大爆発シーンがあり、見応えはあるもののワンパターンな演出に物足りなさもあり、何でもかんでも”爆発させて終わり”という展開にはもうひと工夫欲しいところ。

 

分かりやすいプロットで物語に捻りが無い分、どちらかと言えばコメディ調な演出が多く、脚本と言うよりは役者のコミカルな演技で笑いを取りに行っている印象が強く、ここが笑えるかどうかで評価がガラリと変わりそうですな。

特にCMでもお馴染み、ギロチンによるジャックの処刑シーンは個人的には結構ツボでした。

ありそうで無かった面白い演出だと思います。

 

 

トータルで見て良く言えば安定のドタバタ劇、悪く言えば代わり映えの無い展開、シリーズが好きな人は十分に楽しめそうだし、シリーズに飽きている人からすれば微妙な内容とも言えるでしょう。

個人的に一番気になったのが”ジャックの過去”が別に大した話じゃなかったこと(笑)

 

水夫だったと思われるジャックがいかにして海賊船長に成り上がったのかに期待していたんですが、そこは非常にさらーっと終わります。

亡霊となったサラザールとの因縁も特に捻りがあるわけでもなく、もう少しジャックの過去を掘り下げると思っていただけに、ここだけは肩透かしが強めだったかな。

ついでにサラザールも最初は非常に不気味で怖かったんですが、物語が進むにつれて感じる人間味というか、逆恨みに近い執念にあまり魅力を感じず、小物臭が漂ってしまったのも残念なところです。

 




 

 

まとめ

やはり邦題は関係無かったようです(笑)

でも言うてもそれなりに面白いっす。

広大な海が舞台なだけに、まさに夏にうってつけな娯楽作品かなと。

夫婦もカップルも子供連れも、若者もおじさん・おばさんも、大体の人は幅広く楽しめるはずです。

 

シリーズものの宿命として、1作目を超えるようなインパクトはありませんが、娯楽映画としての安定感には富んでいます。

個人的には1>>>>>本作>2=3=4といった感じ。

続編を匂わせるエンディングといい、正直もういいかなとも思いますが、何だかんだでまた観に行ってしまうのかなぁ。。

 

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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