臨場(劇場版)


2012年/日本
上映時間:129分
監督:橋本一
キャスト:内野聖陽/松下由樹/平山浩行/高嶋政伸/渡辺大/段田安則/他

 




 

作家・横山秀夫の同名小説をドラマ化、高視聴率を叩き出し映画化された作品。

検視官という日の当たらない部分にスポットを当てながらも個性的な登場人物に彩られた物語は非常に内容深く、地味ではあるものの面白いサスペンス・ドラマとなっております。

 

一時期ハマってDVD全部借りて引きこもってました(笑)

どこまで現実の捜査に近いのかは判断しかねますが、非常に責任ある仕事をコツコツとこなす検視官の姿はとても格好良いものですな。

 

 

 

さっくりあらすじ

2010年、都内で無差別通り魔事件が発生し、死者4名、負傷者15名にも及ぶ凄惨な事件となってしまう。

現行犯逮捕された波多野は精神鑑定の結果、心身喪失と判断され無罪になり精神病院へと入院、被害者たちの遺族は深く憤りを覚えることになった。

それから2年、弁護士の高村と精神科医の加古川が相次いで殺害される事件が起きる。

警視庁刑事部・鑑識課検視官の倉石とその部下達が検視作業を始め、遺体の状況から同一犯の可能性を見出すのだが、、、

 

 

 

検視官・倉石
趣味は家庭菜園

 

刑事部捜査一課・管理官の立原
部下で刑事の江川

 

捜査本部で喧嘩になるのはお約束

 

 

 

 

毎度の「劇場版」クオリティ

TVシリーズの劇場版の例に漏れず、本作も力が入っているのがタマに傷。

前から観ている人ならともかく、劇場版で「臨場」を初めて観る方にはこのテンションはやや強めにも感じます。

 

主人公・倉石は非常に優秀な検視官ですが自由奔放・唯我独尊な男であり、検視により集めた証拠に基づく推論は決して曲げない男でもあります。

実際に捜査に加わるわけではないので、そこから先は捜査官や刑事の領域になるわけですが、その度に捜査本部と喧嘩しながらも互いの信頼関係は揺らぐことなく解決に向かう。

そんなプロとしての共同作業が見どころのひとつなわけですが、それが分からないとただの頑固でうるさいオヤジになってしまうんですよね(笑)

 

 

心身喪失や刑法39条といったセンシティブな問題をテーマにしたのは評価できますが、センシティブな問題故にキッチリと解決できなかったモヤモヤも残ります。

根本的に「死者の声を拾う」物語から「心身喪失を装う犯罪者・それに加担する悪徳弁護士や精神科医」にスポットを当ててしまったため、そもそもの魅力が大幅にシフトされているのも個人的には違和感。

 

そのくせ部分的に一般市民や社会に対してのアンチテーゼのようなセリフもあったりと、製作陣の意図が不明なまま物語は進みます。

そういった意味ではテーマに対する掘り下げ方が甘めな印象であり、ただただ内野聖陽演じる倉石のテンションだけが目立ってしまったのかなと。

 

 

ついでに言えば無理があり違和感を感じる演出がチラホラ垣間見えるのもちょっとマイナスであり、映画として観ればリアル路線でいきたいのかシネマスティック路線でいきたいのかも分かりづらいですな。

「そもそもこんな検視官いねぇよ!」と言えばそれまでの話ですが、”TVドラマ”と”映画”というコンテンツの差を分けられないまま作品になってしまった感じが否めません。

 

毎度感じることですが映像や演技ではなく「台本」で演出するのは日本映画の悪しき習慣ですな、40~50分のTVドラマでは気になりませんが、2時間を超える映画だとやはり見過ごせないダルさを感じます。

倉石の体調不良というフラグも微妙に回収されてないし、、主人公の一大事を曖昧に終わらせるのはどうなんだろう?奥行きを持たせるというよりは雑に仕上げた印象のが強いですね。

 

とはいえ内野聖陽をはじめ松下由樹や高嶋政伸など、ドラマシリーズの演技派俳優たちは安定の演技力で魅せてくれます。

個性的でクセのあるキャラクターが多い本作ですが、どの人物も独特の魅力があり、人物相関の化学反応で上手いこと噛み合ってると思います。

社会的なテーマに加え地味ながらも鬼気迫る仕事内容、そこに加わる恋慕やドラマ性は十分に魅力的なものです。

 

 




 

まとめ

ぶっちゃけTVドラマの延長であり映画として売り出すほどの作品とは言い難いところです、TVスペシャルでの放映の方がしっくりきます。

単品で観てもそれなりですが、個性豊かな登場人物が見どころとも言えるので、できればTVシリーズから観た方が楽しんで観れるのではと思います。

 

というか、TVシリーズの方が面白い、、

個人的には好きな作品なので面白く感じましたが、映画の出来としては半端なものなのでオススメはしづらいところ。

 

しかし各俳優は非常に良い味を出しているので、それだけでも一見の価値はありますよ。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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