シャンハイ・ナイト


(原題:Shanghai Knights)
2003年/アメリカ
上映時間:114分
監督:デヴィッド・ドブキン
キャスト:ジャッキー・チェン/オーウェン・ウィルソン/ファン・ウォン/エイダン・ギレン/トム・フィッシャー/アーロン・ジョンソン/ドニー・イェン/他

 




 

前作はコチラ

引き続きジャッキー・チェンと、オーウェン・ウィルソンが織りなすドタバタなアクション・コメディ映画。

 

地味だけれども名脇役なエイダン・ギレン。

ローグ・ワン」にも出演した遅咲きアクションスターのドニー・イェン。

そして幼い頃のアーロン・ジョンソン(キック・アス)が出演。

 

舞台をイギリスに移し、更なる進化を表現したエンターテイメントと言えるでしょう。

あれだけの超人的なカンフーを持っていながらも、コミカルで明るいジャッキーの作風とハリウッドの気質が噛み合った本作。

そこにドニー・イェンの本格カンフーが加わることで、これがなかなか素晴らしい仕上がりになっております。

 

 

 

さっくりあらすじ

1887年の中国、紫禁城。

皇帝の証とされる”龍玉”を奪おうと強盗団が押し入り、龍玉の番人である老人は謎のイギリス人に刺され、娘のリンに龍玉の奪還を託し命を落とす。

アメリカ西部の保安官となったチョンの元に小包が届き、父が死んだこと、そして妹のリンが報復のためにイギリスへ渡ったことを知る。

チョンは父の仇を討つことを決意、イギリスへの渡航費用を得るためにロイの元を訪れるのだが、、、

 

 

 

ジャッキーとオーウェン
二人の掛け合いは面白い

 

妹のリンに惚れたロイ
複雑な気持ちを抱えるチョン

 

カンフーアクションは大迫力
ドニー・イェンがキレッキレ

 

 

 

 

カンフー素材の”オマージュ”

舞台がイギリスになっただけに、コナン・ドイルやチャーリー・チャップリンなど、歴史に残る偉人がチラホラと現れます。

それはサイレント映画、もしくは活動写真とも言われる映画の原点であります。

それらを物語に絡めながらも、圧倒的な武力を以って無双するアクションではなく、その辺にあるものを手あたり次第利用するアクションはとにかくユニークの一言。

映像の”魅せ方”としてのアイデアに溢れていますね。

 

特に市場での乱闘シーンは分かりやすく「雨に唄えば」に対するオマージュであり、それにカンフーアレンジを加え、もはや”芸術”の域に達しているのではないかと思うほど。

いちアクションスターではなく、いち映画職人としてのジャッキーのこだわりが見えてきますね。

 

 

オーウェン・ウィルソンは安定の面白さ、いてもいなくても変わらんくらいの立ち位置ながらも、コメディ寄りな3枚目としてしっかりと存在感があります。

 

チョンの妹・リンを演じるファン・ウォンも地味ながら素敵、中国人らしからぬ魅力がありますね。

可愛らしさと美人のバランスが良く、女性ならではのしなやかな体を武器に鮮やかなカンフーで戦います。

 

 

そしてドニー・イェンは圧巻ですね、出番は多くはないもののカンフーも演技も一級品です、キレが違います。

「イップマン」で最大級の評価を受け、スピンオフながらも「スターウォーズ」シリーズに登場するなど、今現在に輝きを増す遅咲きスターですが、本作の時点でその片鱗は発揮されていますな。

 

ついでにエイダン・ギレンもどこか憎めない悪役として素晴らしい演技を見せてくれます。

剣術の達人という設定もありますが、2本の剣を巧みに扱いチョンを圧倒する姿はマジでカッコいいっす。

 




 

まとめ

映画の撮影時はジャッキーも49歳。

往年のスピードや超人的な動きはさすがに衰えを隠せませんが、それを補って余りあるエンターテイメント性はやはり評価したいところ。

 

ハリウッド資本な作品ゆえに、しがらみもあるでしょうし、大味な部分も否めないところではありますが、結局は面白いんですよね。

香港時代のジャッキーを知っている人の意見も頷けますが、彼自身が本当に表現したかった映画の”面白さ”が詰まった作品です。

 

玄人好みのカンフーアクションではありませんが、映画としては良く出来た作品だと思います。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。


 

 

 



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