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シン・ゴジラ

      2017/11/27


2016年/日本
上映時間:119分
監督:庵野秀明/樋口真嗣
キャスト:長谷川博己/竹野内豊/石原さとみ/大杉漣/柄本明/渡辺哲/余貴美子/平泉成/他多数

 




 

こないだ地上波でやってましたね。

何だかんだで観ないまま随分と経ってしまいましたが、有難いことですな。

 

ご存知の通り東宝の代表作ともいえるシリーズの29作目として、実に12年ぶりとなる新作です。

今までの怪獣娯楽映画だった過去シリーズから一新、「現実(ニッポン)vs虚構(ゴジラ)」と銘打たれ、公開前からその異色な匂いが話題を呼んでおりました。

 

実写映画作品では実績が無く、「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」の後遺症である鬱病が回復したばかりの庵野監督。

「進撃の巨人」の実写化作品で壊滅的な評価を受けた樋口監督。

更に「進撃の巨人」から続投されたスタッフ&キャスティング。

 

これらの理由から、長年ゴジラを待ち続けたファン達、並びにエヴァの新作を待ち続けた庵野監督のファン達、双方ともにどちらかと言えば不穏な空気が漂っていたように思います。

しかし蓋を開けてみれば80億を超える興行収入に加え、シリーズ累計動員1億人を突破する偉業を達成、更に日本アカデミー賞で7部門で受賞するなど、話題性こそ「君の名は」に一歩及ばずながらも堂々の大ヒットを記録。

 

つーか東宝は「君の名は」と「シン・ゴジラ」の大ヒットで相当に潤ったことでしょうし、これから内容のある素晴らしい作品を期待したいところですな。

さっくりあらすじ

東京湾上を漂流するボートが発見され、海上保安庁がボートの調査・拿捕に向かうも突然大規模な水蒸気爆発が発生し、東京湾アクアラインには亀裂が入り浸水にまで至ってしまう。

テロなのか、海底火山の噴火なのか、いずれにしても幸いにして死者が出なかったため、政府官僚は情報集めに走るも楽観的な空気が漂っていた。

内閣官房副長官の矢口はネット上にアップされた「未確認巨大生物」の動画に注目し、官邸会議にて巨大生物による災害を提言するも、失笑を買い誰も賛同する者はいなかった。

最終的に自然災害としての対応として収束しつつあったが、急報が伝えられTVをつけると矢口が指摘した「巨大生物」が映っていた。

どのような生物なのか?

日本に上陸するのか?

駆除するのか捕獲するのか?

集まらない情報、想定外の事態に日本政府は対策を検討するのだが、、、

 

 

 

変態し上陸したゴジラ
未曽有の災害が日本を襲う

 

これに対し自衛隊は兵器を投入
様々な許認可の末に攻撃を始める

 

誰かコレの意味を教えてください

 

 

 

 

新たな切り口

ハリウッド版「GODZILLA」が記憶に新しいだけに、予想とは全く異なる演出・世界観で構築された作品として、まずは驚きましたよね。

てっきりvs怪獣シリーズだとばかり思っていたので、この切り口は予想外な展開であり、またそれが面白いものなので本当に驚きです。

ハリウッドを超えるものはできないだろうなとか思ってて本当にすんませんでした。

 

 

「怪獣」という概念でなく「巨大不明生物」として登場したゴジラの存在は斬新であり、尚且つ予想できない圧倒的な脅威に晒された時に政府はどういった対応を取るのかという点にフォーカスしたセンスは極めて素晴らしいと言えます。

要は対ゴジラの緻密なシュミレーションとも言えますが、作戦展開に至るまでの会議プロセスは地味ながらも興味深いものであり、「国民の安全」と「武力の行使」というジレンマを描いた作品としてのリアリティがあるように感じます。

 

更に言えば最初は意味不明な造形だった巨大生物が環境に合わせ、最終的に僕らに馴染み深い「ゴジラ」になる進化の速度を訴える脚本も面白いなと。

どこまでも現実的な日本の描写、対して虚構の脅威とも言えるゴジラの存在、なかなかに良くできたキャッチコピーだと思いますね。

 

構成としてはとにかく説明文と早い台詞回しが徹底されており、集中して観ないと乗り遅れる強引な仕様が印象的。

非常にテンポの速い展開で次から次へと物語は進んでいきますが、そもそも「脅威」や「災害」は待ってなんかくれないしね、賛否があるようですが、個人的には良かったような気がします。

結局は突然現れた怪獣に対して団結して策を練り、無力化するだけの話ではありますし。

 

良く言えばそんな短いプロットをとことん掘り下げて、内容深い仕上がりにした手腕は素直に褒めるべきところでしょう。

が、矢継ぎ早に続く緊張感もややメリハリに欠け、倒壊し見る影も無い都市の映像はあっても亡くなった方の描写は無く、抑揚の無い演出が続くだけなのでちょっと飽きますね。

 

細かいコマ割りと音楽だけで乗り切るには少々長い作品ですし、早いテンポについていけず冷静になると次々とアラが見えてきてしまうし、そうなると最大のウリである「現実味」も次々と綻びが見えてくるわけで。

一部の俳優の頑張りもあるからつまらなくはないけれど、正直熱狂するほどに面白いかと言われると何とも、ね。

 

せっかく「災害対策」という面に硬派に臨んだにも関わらず蛇足なキャラや演出もチラホラあるし、もう少し削るべきところが目に付くだけにもったいなく感じます。

必要かどうかは置いといて妙なバイリンガルキャラとして石原さとみをねじ込んだりとか、必要かどうかも曖昧なフランスへの根回しの件とか。

 

ついでに官僚や政府高官にスポットが当てられているため仕方ない部分もあるものの、いざ作戦の協力をした民間人の描写も欲しかったかなと。

国の安全を考える義務がある人間達はカッコよく描いてあるのに対し、自発的に国を守ろうと動く人間達はモブで終わるのは少々残念な気持ちになります。

 

あとはアレね、最後の尻尾の描写の意味ね。

誰か意味が分かる人は教えて欲しいのですが、ある程度すっきり終わったにも関わらず、最後によく分からん謎をぶん投げて終わるのは庵野監督の悪いクセですな。

そーゆーのはエヴァだけにしときなさい。

 




 

まとめ

「反核」や「反原発」の描写が足りないとの声もありますが、あくまで新しい切り口での「ゴジラ」なので個人的には全く気にならず。

改めて思えばそれほどに完成度の高い作品だとは思いませんが、ノリとテンポで楽しむには悪くはないかなと思います。

まぁ、あまりにも評判が良いものだから期待値が高すぎたかな。

とはいえ「ゴジラ」としては初代に近いような、「vs怪獣シリーズ」に慣れている人からすれば異質な作品ではありますが、目新しいアイデアと演出で完成した作品とも言えますし、観る価値は十分にあると言えます。

 

国産のニッポン万歳映画もたまには良いですね。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

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