STAND BY ME ドラえもん


2014年/日本
上映時間:95分
監督:八木竜一/山崎貴
キャスト:水田わさび/大原めぐみ/妻夫木聡/かかずゆみ/木村昴/関智一/松本さち/他

-Warning!-

今日の「観れんのか!」は
オススメできる記事ではありません。

素敵な映画をお探しの方は
別の記事をご参照ください。




 

久しぶりに怒ってます。

言わずもがな藤子・F・不二雄先生による国民的アニメ・漫画の「ドラえもん」ですが、藤子先生の生誕80周年記念作品として、シリーズでも初となる3DCGによる作品となっております。

 

「ドラえもん」を3Dにする意味が分からなかったのでスルーしていた映画ですが、ちょうどTV放映されていたので鑑賞したわけです。

その結果、湧き上がってくる怒りと悲しみ。

「どんな映画にも一見の価値はある」というのが筆者の持論ではありますが、こと原作ありきのものに対しては例外もあるという、ある種の勉強にはなりました。

 

 

 

さっくりあらすじ

心優しくもドジで間抜けな少年のび太は今日もジャイアンやスネ夫にイジメられ、冴えない日々を送っていた。

そんなのび太の元へ孫の孫であるセワシが未来から猫型のロボットを連れて現れ、このままでは悲惨な将来を迎えセワシの代まで影響があると言う。

嫌がるドラえもんをよそに、「のび太を幸せにする」というプログラムを埋め込みセワシは去ってしまうのだが、、、

 

 

 

ドラえもんは可愛い

 

 

 

血が通っていない

まず最初に最終興行成績は80億円オーバーと、これはもう大ヒットです。

「一緒にドラ泣きしませんか?」という、いかにもな薄っぺらいキャッチコピーと、これまたペラッペラな内容にも関わらずこれだけの成績が残ると言うのは本当に驚きです。

作品が優れているというよりも、「ドラえもん」というコンテンツがいかに素晴らしいものかを証明しているのだと信じたいところです。

 

しかしこの作品を観に行くのは全く問題ないとして、この作品で泣く人がいるというのは信じがたい事です。

 

笑えて泣ける数多くのエピソードを繋げた作品として、一つひとつのエピソードの表面を撫でただけの構成。

全くやる必要性を感じないオリジナルの脚色。

クオリティ以前に血の通っていない、模型のような背景(演出)。

不自然で陳腐な演出。

 

ドラえもんの世界観やキャラクターをCGで起こす作業の大変さは分かるだけに、映像面で「もの凄いクオリティ!」とまでは言わなくともそこに文句は一切ありません。

声優が代わり、世代的に多少の違和感も感じますが、それも全く問題ありません。

 

 

つまりこの作品が面白くない問題点はハッキリしていて、作った映像で感動させる”演出”が無いに等しいこと、これに尽きます。

 

眼鏡が取れても目が(33)にならずにつぶらな瞳ののび太くん(基本中の基本)

何故か削除された静香のパパが語るのび太くんの印象(名シーン)

「未来に帰る」と発言すると全身に電流が流れ、苦しむドラえもん(これはマジで最悪、センスを疑う

引っ掻くわけでもなく、服にしがみついてるだけでダメージを負っているジャイアン(のび太の覚悟が表現できていない)

 

もうね、意味が分かんないです。

ここまでダメダメな作品は本当に久しぶり。

 

「ドラえもん」といコンテンツが有名過ぎるが故に、「どうせ知ってるでしょ?」と言わんばかりに説明や演出を端折った製作陣の手抜きには本当にがっかり。

ただでさえエピソードを詰め込み過ぎな上に、余計な蛇足を盛り込むもんだから本当に、ほんっとーに薄っぺらい。

 

 

VFX製作を中心に事業展開する白組、主にゲームやアニメの絵コンテやCGの作成を担当する八木竜一監督、今やヒットメーカーの筆頭とも言える山崎貴監督。

本当に製作に関わった人間は「ドラえもん」が好きなのか?

藤子・F・不二雄先生に対するリスペクトがあるのか?

この二つは本当に疑問であり、もし人並み外れた愛情があるのであれば、相対的にそれは映画を作る能力に欠けているという点が浮き彫りになってしまいます。

 

盛り込まれたいくつかのエピソードはどれも涙を誘う素晴らしい話であり、コミックを呼んでいた世代には思い出深い内容なはずです。

その中でも大切なセリフや表現を使わず、過信した己の表現を盛り込むセンスの悪さにとにかく腹が立ちました。

 




 

まとめ

あくまで個人的な意見です、こんな四流映画評論家が言うことなど何の価値もありませんが、これだけはハッキリ言っておきたい。

「この映画を観るくらいならコミックを読め」

筆者は苦手なんで使いませんが、この際電子書籍でも漫画喫茶でも、なんでも良いです。

 

「ドラえもん」という書籍が生んだ感動を、楽しさをこの映画で得てはいけないし、何も知らない子供に触れさせてはいけない。

日本に生まれたら「ドラえもん」に触れずに大人になることはまず無いでしょう。

これから「ドラえもん」という愛くるしい、素敵なキャラクターと出会う子供たちにはオリジナルの方を読ませてあげてください。

 

あ!主題歌「ひまわりの約束」はすごく良かったです、すごく素敵な歌でした。

むしろ他の映画のために使ってほしかった。。

 

 

 



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