(原題:The Birds)
1963年/アメリカ
上映時間:119分
監督:アルフレッド・ヒッチコック
キャスト:ティッピ・ヘドレン/ロッド・テイラー/ジェシカ・タンディ/ヴェロニカ・カートライト/スザンヌ・プレシェット/他

 




 

 

動物系パニック映画の元祖と評され、「最も怖い映画」の一つに数えられるパニック・ホラー映画。

「サスペンスの神様」とも称されるヒッチコック監督作品ですが、ヒッチコックと言えば「サイコ」か「鳥」かと言われるほどの代表作でもあります。

その辺にいるような鳥、一羽だけでは何とも思わないような鳥が群れを成し、ひとつの塊となる恐怖。

ちょっと引くくらいの大量な生物は何とも言えぬ不気味さを醸し出し、日常に潜む恐怖を駆り立てます。

非常に有名な作品ではありますが、なにせ60年代の映画ですし、聞いたことはあっても観たことのない方も意外と多いのではないでしょうか?

 

さっくりあらすじ

サンフランシスコの鳥類ペットショップで九官鳥の受け取りを待っていたメラニーは、妹の誕生日プレゼントを探しに来店したミッチと出会う。

メラニーは覚えていないがミッチはメラニーを知っており、興味を持ったメラニーは車のナンバープレートから住所を割り出し、ミッチの自宅にラブ・バードを届けたのだが、その際に一羽のカモメがメラニーの額をつつくハプニングに遭う。

メラニーは若手弁護士でもあるミッチとすっかり仲良くなり、ミッチの家族や元彼女のアニーに紹介されるも、アニーの家のドアにカモメが突っ込み死んでしまう事件が起きる。

さらに翌日のミッチの妹・キャシーの誕生日パーティーでは子供たちがカモメに襲われる事件が発生し、次々と鳥が飛来してくるようになるのだが、、、

 

 

外には鳥がびっしり

気が付けば、もっとびっしり

訳も分からず襲われる羽目に

映画の”お手本”

とでも言いますか、当時の最先端の合成技術が使われているものの、今の価値観で言えば「特撮未満」な仕上がりなのは間違いありません。

しかし特殊メイクやCG技術に頼らずとも緊迫感があり、恐怖を煽る演出ができるという見本のような作品です。

さすがに劇中で現れる本物の鳥と偽物の鳥のさは大きく、一目で大体分かってしまうところですが、緊張感がジワジワと圧迫してくる演出はさすがの一言ですな。

更にこの映画は基本的にBGMが無く、台詞と効果音を除けば非常に静かな作品であり、それもまた不気味さを助長させています。

 

ぶっちゃけ鳥が来たり、去ったり、襲ってきたり、すごく増えたりしているだけの物語です。

何故に鳥が人を襲うのかも判明しなければ、問題が解決して映画が終わるわけでもありません。

しかし異常な数の鳥に気づかないメラニー(ヒヤヒヤ)→今にも襲ってきそうな雰囲気(ハラハラ)→メラニーはようやく気付くと更に数が増えている(ビックリ!)のように、分かりやすい演出で誘導した上で、予想の斜め上をいくのがヒッチコック。

有識者が事件の惨状をドヤ顔で読み解こうとしたり、恐怖に耐えきれずヒステリーを起こす者がいたり、少ない人間関係の輪の中で犯人捜しを始めたり、演出も脚本も現在の映画によく見かける内容であり、数々のオマージュを生み出したという意味ではやはり価値のある作品なんだと思います。

 

とはいえ一部を除き、今の映画に馴れた方が観ると面白くは感じないかもしれませんね。

悪く言えば安っぽく見えるでしょうし、俳優の迫真の演技もややわざとらしく、逆に滑稽に見えるかもしれません。

ただ映画としてのエンターテイメント性はさておき、本作を観た次の日は確実にカラスが怖くなるはずです。

 

あと余談ですが、ヒッチコック自身は大の鳥嫌いだったんだそうで、そのくせ鶏料理は好んでよく食べたんだとか。

やはり天才と変態は紙一重ですなぁ。。




 

 

まとめ

理由も分からず意味不明なままに逃げ惑う、それこそがパニック映画の基本にして真骨頂なのかなと考えさせられます。

昨今でリリースされる作品はどれもよく出来ていて、怖いは怖いけれども原因のネタバレを知ると急に冷めちゃったりするもんね。

観終わった後のモヤモヤが残らないよう丁寧な説明も必要だけれども、本作のように背筋にブルブルっとくるような、不気味さを前面に出す作品も良いものです。

 

古い作品ですし、好き好んで観たい方は少数派だと思いますが、決して観て損するような作品ではありません。

よければ一度ご鑑賞くださいませ。



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