(原題:The Hole)
2001年/イギリス
上映時間:102分
監督:ニック・ハム
キャスト:ソーラ・バーチ/デズモンド・ハリントン/ダニエル・ブロックルバング/ローレンス・フォックス/キーラ・ナイトレイ/他

 




作家ガイ・バートが大学生の時に書いた小説を原作にしたサスペンス映画。

非常に”雰囲気のある映画”と言いますか、、いわゆるクローズド・サークル系のサスペンスであり、密室で疑心暗鬼に陥る人間模様と狂気を描いた物語です。

 

どこかホラータッチな演出と、とにかく不快で嫌悪感を感じさせる映像が特徴的であり、冒頭で少女が叫ぶシーンは見応えがあります。

あとキーラ・ナイトレイの貧乳美しいボディがお披露目されます。

さっくりあらすじ

全寮制ハイスクールに通う生徒4人が行方不明になり、唯一戻ってきた少女・リズは行方不明に至った経緯を精神科医のフィリッパに語り始める。

至って地味な少女のリズは思いを寄せる青年マイク、その親友のジェフ、リズと交友関係があり学園でも評判の美人フランキーを交え、学校行事をサボるために4日間を防空壕で過ごす計画を立てる。

そして4人は穴(防空壕)の中へと入り、リズの親友であるマーティンが鍵をかけた。

しかし4日後になってもマーティンは現れず、4人は穴に閉じ込められてしまうのだが、、、

 

 

 

冒頭、憔悴したリズが突然叫ぶ

 

”秘密基地”なノリで穴にこもる4人

 

快適な4日間になるはずが、、、

 

 

 

弱い脚本、補う工夫

えーまず脚本並びに原作のパンチが弱いっす。

さすがに18歳の若者(でもオックスフォード大)がデビュー作として書いた作品だけあって、色々な意味で粗いストーリーであり、作品のプロットとしては及第点に届いてはいません。

それでもホラー性、ミステリー性、サスペンス性を良いとこ取りしたような独特な雰囲気は興味深いものでもあり、個人的には物足りないけれども、面白いといった感想ですかね。

 

そんな弱いパンチ力を補うために様々な工夫が凝らしてあるのが本作の特徴で、とにかくキモいというか、エグいというか、不愉快な映像が多めになっております。

視覚的に不快な映像を織り込まれるとサスペンスとしての判断力が鈍るんですよね、話の大筋は見えてるんだけれども直視しづらくなるというかね。

ウジ虫、汚れたトイレ、そして防空壕の暗い閉塞感と、文字通り”逃げ場”の無い鬱な雰囲気は映像としては上手い作りかなと思います。

 

ただ原作では様々な人間の視点を通した群像劇のような面があり、様々な人間の心理の変化を描いてあるのに対し、本作では一貫してリズの視点での物語になっております。

せっかく映画化したんだし、そこは原作通りでも良かった気がしますけどね。

4人の気持ちの変化を表現した方が疑心暗鬼を描きやすいはずですし、観ている側としてもより深みのあるミステリーが生まれるのではと感じます。

 

特筆すべきは主人公の少女・リズを演じるソーラ・バーチ。

「アメリカン・ビューティー」辺りから頭角を現してきたユダヤ系女優ですが、何とも言えぬ怖い顔で屈折した人格を演じさせたら一流ですな。

先述したように色々なテイストが入り混じる本作の中で彼女の存在感だけは抜群に際立っており、映画を通して感じる不気味さは彼女を通して感じるものに他なりません。

悲しみと喜び、ところどころ欠けた喜怒哀楽の演技は群を抜いており、歪んだ人間の愛憎表現が秀逸です。

 

逆に言えばソーラ・バーチ頼りな映画とも言えてしまい、彼女の存在感が大きくなればなるほどに結末が見えてしまうのが作品としては悲しいところ。

徐々に増えていくツッコミどころも相まって、結論としては何とも肩透かしで後味の悪いものです。

 




 

まとめ

とにかく雰囲気のある映画であり、終わってみればストーカー気質な歪んだ女性の独占欲が生む心理サスペンスといったところか。

個人的には結構好きな作品なんですが、間延びする展開もあり面白い!と太鼓判を押すような映画ではないですかね。

目のつけどころやアイデアは決して悪いものではなく、現実的には考えられないプロットの粗さやご都合主義がもったいないところですね、面白い映画になるポテンシャルは感じます。

 

惜しい作品ですがレンタルの価値はあると言えるでしょう。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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