ヒューマン・ハンター


(原題:The Humanity Bureau)
2018年/カナダ
上映時間:94分
監督:ロブ・キング
キャスト:ニコラス・ケイジ/サラ・リンド/ヒュー・デイロン/ジェイコブ・デイヴィーズ/ヴィセラス・シャノン/他

-Warning-

本日の「観れんのか!!」は
オススメ映画の記事ではありません。

素敵な映画をお探しの方は
他の記事を参照くださいませ。

 

 




 

人類社会が崩壊した未来で、人間を選別する政府職員の葛藤を描いたSF・サスペンス。

 

いわゆるポスト・アポカリプス系の作品ではありますが、漂うB級感とニコラス・ケイジ兄貴の魅力に逆らえず視聴してみることに。

というのも、世紀末系の映画って大体それなりに面白いし、ニコラス・ケイジ作品はそんなに外れも無いし。

 

しかし何事にも例外があるもので。

低予算なのが全面に漂う、安っぽさが丸分かりな倦怠感。。

サスペンス性も薄く、アクション性も薄い絶望感。

目新しいアイデアも、斬新な結末も無い虚無感。

 

久しぶりに外しました、ハイ。

 

 

 

さっくりあらすじ

経済破綻と気候変動で食糧難となった世界は、内戦が起こり社会は崩壊した。

人類社会を立て直すために設立された政府機関「人民省」は、生産性が基準に達していない国民を選別し「ニュー・エデン」への強制送還をしている。

そんな人民省のエージェント”ヒューマン・ハンター”であるノア・クロスは、とある親子の送致を判別するため現地へと向かう。

母・レイチェルと息子・ルーカスの暮らしを調査し、送致を決定するノアだったが、その報せを聞いてレイチェルはあからさまに悲しそうな顔をした。

誰もが最低限の生活が保障されるはずのニュー・エデンへの移動を拒み、不思議に思ったノアは人民省へと向かい、ニュー・エデンの暮らしを調べてみるのだが、、、

 

 

 

 

荒廃した世界

 

人民省のエージェント
ノア・クロス

 

国民を選別し
ニュー・エデンへと送る

 

 

 

 

全体的に不足

金欠が噂され、大なり小なり見境なく出演しまくるニコラス・ケイジ。

かつてはその巧みな演技力に加え、出演作品にも恵まれ大体の作品において面白いものばかりでしたが、そろそろ陰りが見えているのかもしれません。

正確に言えば、彼自身の俳優としての価値は微塵も変わりませんが、彼の名前だけで映画を判断するには怪しくなってきたということ。

 

まずは「ヒューマン・ハンター」という題名の時点で大体の内容は察しますし、映画好きな人から見れば驚くような展開は皆無です。

政府側にいた人間が、とある事をきっかけに弱者サイドへ回るのは珍しい話ではないですし、基本的には政府を倒すか、逃げるかの二択になりますよね。

今回は逃げる方の話になりますが、その理由は主に2つ。

 

ニュー・エデンの真相を知ったから。

担当した親子と因果関係があったから。

とうことで予想通りの内容であり、あまりアイデアを感じない作りなんですな。

 

だからといって退屈だと決めるのは尚早すぎですが、映像的な変化が少ないのもかなりのマイナス。

低予算ゆえの徹底的なロケの削減なのか、特に前半はやたらと運転中のニコラス兄貴のしかめっ面しか印象に残らないくらい。

 

派手なガンファイトがあるでもなく、政府の強大な軍が動くでもなく。

終末系映画にしては迫力が無く、それを補うだけの工夫が見えないわけで。

総じて間延びした、何とも無駄に尺を使ったような感じが否めません。

 

 

生産性が無い人間を社会から追い出すという思想自体はそれなりに興味深く、社会保障と無駄な税金の微妙なバランスで成り立つ日本で暮らしていればピンとくるものもあるでしょう。

そんな不安定な世の中の新たな統治者とも言える人民省の存在も面白いポテンシャルは感じるものの、全くと言って良いほどに掘り下げられず消化不良。

いかにも悪そうなエージェントがチラホラ出てくるくらいで、彼らなりの信念や思想が見えてこないあたりがね。

抑揚に欠ける映画なのは仕方ないとして、こういう設定の作り方に雑さを感じます。

 

キャスティングは知らない方ばかりであり、可もなく不可もなく。

こんなマイナーな映画でも全力で演じるニコラス兄貴の姿勢には頭が下がりますが、逆に悪目立ちしているようにも感じますね。

彼が演じるノア・クロスの心の機微が中心に描かれるだけに、どれだけ感情移入できるかが本作を楽しむキモになるかもしれません。

 

ついでにエンディングの区切りも今一つで、もう少し先まで描いて欲しかったかな。

 

 




 

 

まとめ

面白いかどうかで判定すれば、あまり面白くない映画だと思います。

先述したように映画としての魅力を削ぐマイナス点が散見し、また完成度も低く及第点には届かないかなと。

変化に乏しい映像、安っぽい演出、締まりの無い脚本と、どれを取っても微妙ですな。

 

面白くなりそうなポテンシャルは確かに感じるものの、また駄作とまでは言わないものの、オススメできるような映画ではないです。

よければ一度ご鑑賞くださいませ。


 



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