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ザ・ウォール

   


(原題:The Wall)
2017年/アメリカ
上映時間:81分
監督:ダグ・リーマン
キャスト:アーロン・テイラー=ジョンソン/ジョン・シナ/他

 




 

イラク戦争で実在したとされるスンニ派武装グループの狙撃手とアメリカ兵との闘いを描いた戦争系サバイバル・スリラー。

だだっ広い砂漠のど真ん中で1.5km先から銃口で狙われ続け、戦うのか?逃げるのか?どう危険な状況から脱するのかを描いた息の詰まる映画です。

 

監督は「ボーン・アイデンティティー」やそのシリーズの監督・製作総指揮を務めたダグ・リーマン、相変わらず痛そうな描写が得意ですな。

主演はチャップリンキック・アスだったとは思えない程に精悍で筋骨隆々な肉体改造を実現したアーロン・テイラー=ジョンソン。

そのアーロンと、相棒となるジョン・シナ、映像としてはこの2人しか登場しません(エンディング除く)

極めて静かで、終わることの無い恐怖に包まれた緊張感。

久しぶりに疲れる映画でした。

 

 

さっくりあらすじ

2007年、イラクで斥候の任務に就いていたアイザックとマシューズは予想していない狙撃に襲われ、2人とも重傷を負う。

瓦礫で作られた壁の向こう側へと逃げ延びたアイザックは脚を負傷し、無線での応援を要請しようとするが、無線に応えた相手は”死神”と恐れられている狙撃手・ジューバだった。

脚からの出血は止まらず、水筒を撃ち抜かれ水は無くなり、さらに強い日差しが降り注ぐ砂漠のど真ん中で、アイザックは生き残るために試行錯誤を始めるのだが、、、

 

 

 

 

斥候任務についていた
アイザック軍曹とマシューズ軍曹

しかし敵の狙撃を受けてしまい、、

 

壁の後ろに隠れることに

 

 

 

生々しい後味

パッと見での印象は戦争映画な感じですが、限定された極限状況で動くに動けないという状況は密室系のサスペンスの方が近いと思います。

黒幕や犯人の狙いがイラク兵によるアメリカ兵の排除なので、本来この手のソリッド・シチュエーション・スリラーの目玉となる”目的”はハッキリしていますけどね。

 

物語としては2人のアメリカ兵が狙撃手に撃たれ、深刻な重症を負ったにも関わらず逃げ場も無く、無線で繋がった狙撃手との探り合いに終始します。

裏をかこうと必死に考える主人公のアイザックと、余裕で何もかもを見通しているような狙撃手と、緊張感のあるやり取りがひたすらに続くわけですな。

 

何せ登場人物は3人、しかもその内の1人は声だけでの出演になるので、灼熱の太陽の下を耐え抜くという演出は映像的に変わり映えがしません。

この一連の流れを”極度の緊張”ととるか、”退屈なやり取り”と取るかは紙一重な部分があり、個人的には満足できるハラハラ感でしたが気に入らない人も少なくないでしょう。

ぶっちゃけ砂漠の真ん中でスナイパーvsスナイパー!みたいな展開の方がエンタメ性は高いですし、そういう意味では玄人向けな映画と言えるかもしれません。

 

「戦争映画」だとすれば映像的な迫力が無く、「密室系サスペンス」だとすればアッと驚く展開が待っているわけでもなく、新鮮味があるような無いような難しいところですな。

ただ、淡々とした2人の会話にも伏線があり、何故に殺そうとしている相手の話を聞こうとしているのかにも意味があるので、観終わってからは割と納得いく仕上がりではあります。

 

ただね、何とも後味が悪い映画なんですよね。

長い膠着状態が続き、張り詰めた緊張状態が続いた後に色々と状況が変化してくるわけなんですが、最終的には「こんな終わり方なの?」と言いたくなるようなエンディングが待ち受けております。

 

そういう意味でも戦争映画というよりかはソリッド・シチュエーション的な風合いの方が強く、なかなかに挑戦的な作品だとも言えるわけですが。

非常に張り詰めるというか、疲れる映画なので、もう少し報われる内容であれば観た甲斐もあるんですけどね。

難しい作品です。

 

 




 

まとめ

戦争系の映画に密室系のスリラーを組み合わせたユニークな映画ではあります。

が、先述したように変わり映えしない映像、やたらと緊張感を煽る演出、そしてぐったりとくるエンディングなど、通常のエンタメ系作品を好む方からすれば何とも言えない嫌な作品でしょう。

 

迫力ある戦闘シーンや、相手を欺く駆け引き、敵を倒してハッピーエンド系の作品ではありませんので、その辺を好む方にはオススメできません。

それでも、報われない不毛な闘いを描いた戦争映画として、また新たな切り口で戦争を描いた作品として、一見の価値はあると思います。

 

よければ一度ご鑑賞くださいませ。

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