トレインスポッティング

(原題:Trainspotting)
1997年/イギリス
上映時間:94分
監督:ダニー・ボイル
キャスト:ユアン・マクレガー/ユエン・ブレムナー/ジョニー・リー・ミラー/ケヴィン・マクギッド/ロバート・カーライル/ケリー・マクドナルド/他

 




 

スコットランドの作家アーヴィン・ウェルシュの同名小説を映画化したバイオレンス・ヒューマン・ドラマ。

映画好きの人が必ず通る作品であり、むしろ観てなきゃ”モグリ”な扱いをされるであろう程に歴史に残る作品です。

 

オビ=ワンで有名なユアン・マクレガーの出世作でもあり、斬新な映像と刹那的なストーリーは当時大ヒットを記録しました。

何というか、作品としてセンセーショナルでファッショナブル、特に印象的なポスターが人気沸騰した記憶があります。

まさに90年代のポップ・カルチャーを代表するような作品であり、イギリスはもちろん世界中の若者の間でカルト的な人気を誇った映画です。

 

 

 

さっくりあらすじ

ヘロイン中毒のマーク・レントンは何度目かの禁ヤクに挑戦するために、ドアに板を打ち付けてまで自室に閉じこもるが失敗、結局一日も我慢できずに仲間に連絡をしていた。

レントンは薬を買う金を得るために強盗に走り逮捕され、執行猶予を受けたことをきっかけに今度こそ禁ヤクを決意、しかし”最後の一回”を打ったところで昏睡し病院に運ばれる事態になる。

実家に帰ったレントンは両親の管理の元で本格的な禁ヤク生活が始まり、壮絶な禁断症状の末に回復、立ち直ったレントンはロンドンで職を見つけ働き始める。

しかしかつての仲間たちにより失職し、またエイズに侵された仲間が死んだことによりレントンは故郷に帰る決心をする。

そこで金になる仕事を持ち掛けられ、これが最後だと麻薬売買に臨むのだが、、、

 

 

 

 

人生のどん底に住む仲間達

 

先進的で前衛的な映像の数々

 

不快なシーンも多いです

 

 

 

 

最狂の青春ドラマ

テーマとしては若者の堕落、貧困、そして依存といったところでしょうか。

貧乏で汚く、ドラッグや酒や女に依存する生活を送り、それでも”普通”の人生を望み、もがく若者の姿は非常に印象的であり強力なメッセージ性を感じます。

 

劇中では、一貫して貧困から来る薬物中毒が作品の背景になっています。

一応念を押しておきますが、クスリ・ダメ・ゼッタイ。

 

芸能人を除き、日本ではさすがにヘロイン中毒がワラワラいる世の中ではないですが、この”中毒”や”依存”をスマホやSNSに置き換えればある程度しっくりくるかもしれません。

止めたいけれど止められない。

「いいね」を気にしない生活を送りたい。

「既読」を気にしない生活を送りたい。

フォロワーや繋がりなど無視したい。

でも仲間外れになるの怖い。

 

薬物と違いスマホで人生が堕落することは無いでしょうが、何かに依存するということに対するメカニズムは極めて複雑なもの。

今の世の中ではメンタルを変化させる要因となり、危険な意味合いを持ち始めているようにも思いますね。

ソーシャルゲームにインスタグラム、みんなして狂ったようにスマホに触りまくる姿は時として本当に怖く見えるんですよ。

完全に余談ですが、先日某タピオカミルクティー屋さんの列に並んでいたんです。

筆者と嫁と一部の人を除き、9割はJK未満なお年頃だったと思います。

実際に列に並び始めて約15分間、皆ずーっと自撮りしてんのね。

自撮りして、加工して、SNSにアップして、自撮りして、加工して。。

マジで情報誌の編集の方かと錯覚するくらい。

楽しそうだから良いんだけど、1秒たりとも無駄にできないと言わんばかりに自撮りしまくる姿に、おじさんマジでドン引きです。

 

若き頃のユアン・マクレガーはとにかくカッコよく、パツパツのTシャツにスキニーパンツ、そしてオールスターのスニーカーに懐かしさを感じる人も多いでしょう。

また登場するキャラクター全員に強力な個性があり、どいつもこいつもクセだらけで退廃的、とにかく強烈な魅力に溢れています。

 

このドラッグ・セックス・音楽・映像が融合した演出はとにかく素晴らしく、またこれほど記憶に残る映画はそう多くはありません。

 




 

まとめ

現代の若者が観て、どんな感想を抱くのかは全く分かりません。

ものすごく心に響く子もいれば、意味不明でつまらなく感じる子も多いでしょう。

しかし伝えたいことは”依存”に対する”代償”、そして”捨てる覚悟”があれば人生はやり直しができるということ。

 

スタイリッシュに描かれたドラッグ中毒者の青春はオススメはしませんが一見の価値ありです。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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