12モンキーズ

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(原題:Twelve Monkeys)
1995年/アメリカ
上映時間:130分
監督:テリー・ギリアム
キャスト:ブルース・ウィリス/マデリーン・ストウ/ブラッド・ピット/クリストファー・プラマー/デヴィッド・モース/ジョン・セダ/他

 




 

20年以上も前の作品ながら、今でもなおカルト的な人気を誇るSFミステリー映画。

 

時間と記憶という曖昧なテーマに、「Dr.パルナサスの鏡」の鬼才・テリー・ギリアムが描く独特の映像美が重なります。

さらに多岐に渡る解釈ができる映画として有名で、未だにネット上で議論が交わされるほど。

ちなみに筆者は観ていませんが、現在ではTVドラマシリーズとして放映されていて、概ね評価は良いみたいです。

 

難解な作品で2回観たくなるものは決して多くはないものですが、本作に限っては2度、3度、思わず見返してみたくなる独特の魅力があります。

数々の伏線と、緻密に組み立てられた脚本。

演出や描写として投げ出されたメッセージやヒントを元に、自分なりの謎解きを進めていく醍醐味があるわけですな。

 

いざ観終わってみれば、あら不思議。

何故に本作がカルト的人気を誇るのか?

何故に考察が議論されるのか?

その魅力の一端に触れられるのではと思います。

 

 

さっくりあらすじ

20世紀末に発生した正体不明のウィルス感染により、人類の99%が死滅した世界。

21世紀に生き残った人々は汚染された地上から逃れ、地下での生活を余儀なくされている。

科学者たちはウィルス発生の謎を解くため、囚人ジェームズ・コールに特赦を与える交換条件としてタイムマシンに乗り、1996年にウィルスを散布したとされる「12モンキーズ」という団体を探るよう任務を与えた。

しかしタイムマシンは不安定で、故障により降り立ったのは1990年。

興奮気味にうろつくコールはすぐさま逮捕され、精神病院にて医師のキャサリン・ライリー、患者のジェフリー・ゴインズと出会う。

何とか未来へと戻り、今度こそ1996年に降り立ったコールは再びキャサリンに接触。

12モンキーズの正体を探り、懸命の調査の結果ジェフリーが12モンキーズのリーダーであることを突き止め、接触するのだが、、、

 

 

 

 

 

12Monkeys_Future地上はウィルスだらけ
防護服をつけないと死んでしまう

 

12-monkeysタイムマシンで過去へ
でも機械が不安定

 

12-monkeys-2ブラピの怪演が光る
本作でゴールデングローブ賞受賞
アカデミー賞もノミネート

 

 

 

 

テリー・ギリアムの世界

地上はウィルスが蔓延しているために人々は地下で生活しているわけですが、鉄と錆と蒸気、まさにスチームパンクな世界になった未来の描写が素晴らしい。

そんな重厚な世界観に重なるタイムトラベル、タイムパラドックス、精神分裂、そして事件の真相。。

 

もうね、文句無しに面白いんですよ。

今さら僕なんぞが評価するまでもなくね。

ただ、一度では理解し難い難解なストーリー、賛否が分かれるエンディングなど、万人受けするものではないことは言っておきます。

 

 

独特なストーリー、伏線、世界観に目がいきがちですが、特筆すべきはやっぱりブラッド・ピット。

精神病患者ジェフリーを演じているわけですが、その存在感は非常に素晴らしく、初見の方はこのミスリードを看破するのは不可能と言っても良いくらい。

異常な思考回路を持つ精神的に不安定な男ですが、その実怖いほどに冷静で計算高く、そのキャラクターもあってかなりのインパクトを誇ります。

 

主演のブルース・ウィリスも安定の素晴らしい演技。

現実なのか、妄想なのか。

未来と過去のタイムスリップを繰り返し、徐々に混乱していく難しい役どころでしたが、さすがの安定感ですね。

 

最近ありがちなパラレルワールドのお話ではなく、同じ時軸に沿った世界の話です。

つまり過去を改変したところで未来に変化は無く、未来を変えるためには過去から持ち帰った「情報」が必要になり、それを生かすことで成り立ちます。

 

これが本作のキモですな。

ウィルスのパンデミックを防いだところで、「ウィルスで全滅しかけた未来」は変わらないということです。

並行世界を利用したご都合主義な作品が多い中で、このような選択肢の無い映画はけっこう珍しいかなと感じます。

 

 




 

まとめ

全体的には回収されていない伏線もあり、多少の作品の粗さはあると思います。

しかしそれを上回って余りある、中毒性の高い映像と演出は非常に印象的で、記憶に焼き付くものでもあります。

支離滅裂なようで、しっかり繋がっている構成はもはや芸術の域。

いびつなパズルを眺めているような、解いていく楽しみと、不安定さを同時に楽しむような感覚が素敵な作品です。

 

説明を含むセリフ回しなどを一切使わず、良くも悪くもブン投げ気味な作風は好き嫌いが分かれるところか。

ちょっとずつ面白く、なんともクセになる映画です。

 

オススメです。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。




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