ウダウダやってるヒマはねぇ!


1992年~1996年
週刊少年チャンピオン(秋田書店)
作者:米原秀幸
全21巻

 




 

 

「アマギン」こと天草銀を中心に据えたバトル漫画。

主人公となる二人の高校生によるヤンキー漫画との見解もありますが、そんな二人の主役を凌駕する圧倒的なダークヒーロー存在が光る作品です。

友情と根性と微かな恋心を描くような王道のヤンキー漫画ではなく、スタイリッシュな描写と壮大なスケールで描かれるストーリーの数々は非常に魅力に溢れるものであります。

ややクセのある絵柄と作風ではありますが、中毒性の高い魅力的な作品だと思います。

 

 

 

さっくりあらすじ

ヤクザをぶちのめした赤城直巳。

銀行強盗をした島田亜輝。

中学を卒業し、東京・桜城高校へと入学した2人の破天荒な高校生活が始まるのだが、、、

 

 

 

狂犬・天草銀
影の主人公・アマギン

 

 

 

キャラクターの魅力

とても高校生とは思えない、個性豊かなキャラクターを一人ひとり丁寧に描いてありますが、物語としては粗削りであり、序盤は絵柄やアクション描写などにも若干の粗さを感じます。

作品としての洗練さにはやや欠けていますが、それを補って余りある熱い展開は読み手をグイグイと惹きつける力がありますね。

特に本作の代名詞とも言える「アマギン」の存在は極めて強烈なインパクトを誇り、ほぼ主人公2人を上回ってしまっている存在感を誇りますし、その強烈なキャラクター性も本作の魅力と言えるでしょう。

 

物語としては亜輝・直巳のコンビを中心に、入学した高校内での番長争いに始まり、近隣の縄張り争いに続き、その後は北へ南へ、最終的には高校生の枠を超えた壮大な陰謀へと挑んでいきます。

そして序盤からエンジン全開。

電車が走る陸橋で喧嘩をしたり。

高校生が拳銃をぶっ放したり。

マフィアと喧嘩したり。

世界を股にかける殺し屋とタイマンしたり。

と、そんな無理のある物語を無理と感じさせない雰囲気はやはり登場人物の個性によるものでしょうか。

 

 

各キャラクターが持つ物語性の高い背景や、独特の思考にファッションセンスなど、非常にスタイリッシュな描写が多く通常のヤンキー漫画とは一線を画す内容は非常に興味深いもの。

一様に己のプライドと信念を守り、それがぶつかり合う熱い展開は緊張感と迫力に溢れ、テンポ良く進む展開も相まって次から次へと読み進めてしまう面白さがあります。

そんな手に汗握る展開とは対照的に、時折挟まれる彼らの日常の一コマも味わい深く、総じてキャラクター描写が非常に上手い作家ではないかなと思います。

 

 




 

 

まとめ

古い作品なので、現在の感覚では古めかしく感じる社会背景や描写などはありますが、そこまで気になるものではないでしょう。

もはや”美学”と言っても差し支えないほどに昇華されたキャラクターの名言の数々、それがもたらす各々の魅力。

そして圧倒的な人気を誇り、憧れさえ抱いてしまいそうなダークヒーロー・アマギンの存在。

余談ですが、彼に憧れて銀髪にしたのは筆者だけではないはず(恥)

 

笑いあり、涙あり、王道的でスタイリッシュ、少々捻りのある展開は読んで損は無し。

青春ヤンキー風漫画なのでやや人は選びますが、間違いなく傑作です。

ぜひ一度ご拝読くださいませ。

 

 

 

 



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