(原題:Arien vs Predator)
2004年/アメリカ
上映時間:101分
監督/脚本/原案:ポール・W・S・アンダーソン
キャスト:サナ・レイサン/ラウル・ボヴァ/ランス・ヘンリクセン/ユエン・ブレムナー/コリン・サーモン/トミー・フラナガン/他
強酸性の血液を持ち、非常に獰猛で高い繁殖力を誇る究極生命体ことエイリアン。
強靭な身体能力を持ち、高い知性と科学力を武器に獲物を狩るプレデター。
宇宙出身のお二人が地球でノールールバトルを繰り広げるという、正にドリームマッチを描いた作品です。
ちょうど前年である2003年に「フレディvsジェイソン」なんて映画も公開され、最近では「バットマンvsスーパーマン」とか「貞子vs伽椰子」とか。
映画の壁を超える対戦は苦笑いしつつも胸を躍らせるものでもあります。
監督は知る人ぞ知る「モータルコンバット」や大作「バイオハザード」で有名なポール・アンダーソン監督。
ちなみに奥様は「バイオ」シリーズで主演を務める元天使ミラ・ジョヴォヴィッチ。
今でこそクロスオーバー作品が評価を得ている時代ですが、ほんの十数年前まではこういった企画はキワモノ扱いされ、製作会社やスポンサーも前向きではありませんでした。
本作も同様で、1990年公開の「プレデター2」の製作中、スタッフの遊び心でエイリアンの骸骨が映るシーンを作ったらマニアックなファンたちが大騒ぎとなります。
実際に早い段階で映画化の声は出ていたようですが、キワモノだけに交渉は難航。
しかし前述した「フレディvsジェイソン」が何気にヒットしたことで、こちらも映画化と相成りました。
さっくりあらすじ
2004年、人工衛星が南極にて大規模な熱反応を発見、調査の結果、地中深くにある遺跡が熱源だと判明する。
大企業・ウェイランド社の社長であり大富豪のチャールズ・ビショップ・ウェイランドは調査の為にチームを編成。
女性登山家のレックス。
考古学者のセバスチャン。
地層学者のグラハム。
傭兵マックス。
そして採掘業者クインらを連れ、遺跡探査チームを編成し南極・ブーヴェ島を目指す。
チームは熱源を辿りかつての捕鯨基地に到着、人工的に作られた深く大きな穴を降ると謎の巨大なピラミッドを発見するのだが、、、
赤コーナー
200cm 160kg(公式設定)
エイリアン
青コーナー
250cm 160kg(公式設定)
プレデター
期待に応えるアルティメット・ファイト
先に言っておきますと、面白いかどうかは何とも言いづらい作品ではあります。
「エイリアン」も「プレデター」も古い作品ではあるし、どちらもスプラッタなSFパニックホラー&アクションな色が強いので、その時点で興味が無い人も多いことでしょう。
加えてどこぞのグラップラーが思いつきそうな究極の異種格闘技戦なもんで、こんな映画で興奮する人はそう多くはないでしょうね。
ストーリー的には誰でも予想し得るもので、特別ひねったような印象はありません。
バケモノvsバケモノのゴングが鳴り、しどろもどろする人間たち。
その中でどちらかといえば話が通じそうなプレデターにすり寄って起死回生を狙うというもの。
でもそれで正解です、究極のドリームマッチに蛇足はいらんのです。
さすがポール監督はよく分かってます。
古代から人類とプレデターの接触があったという驚愕の設定で、古代人に作らせた遺跡にエイリアンを繁殖させ、経験の浅いヤングプレデターがエイリアンを狩ることで成人の儀とする、という演習場のような舞台設定。
突拍子もない話だと感じる反面、なかなか面白いアイデアだなとも思います。
まぁ、この手の映画にシリアスなストーリーを求める人はいないでしょうから、脚本は及第点。
しかし本格的にファイトが始まるのが中盤を過ぎてからなので、ぶっちゃけそこまでの道のりは少し退屈ですね。
そして、満を持して始まるエイリアンvsプレデターは期待通りの盛り上がり。
久しぶりに見たエイリアンはメチャクチャ強く、3人組のヤングプレデターはあっさり2人殺されてしまうものの、最後に残ったやたら紳士なプレデターが孤軍奮闘。
唯一生き残ったレックスにお手製の武器をプレゼントしてあげるなど、明らかな足手まといに対してまさかの気遣いが素敵です。
マジメに見ると、恐らくレックスとプレデターの友情の芽生えという最強のツッコミどころになるのですが、個人的にはこれがツボで爆笑。
むしろここで笑っておいた方が、後に出てくる怒り狂ったエイリアン・クイーンの恐ろしさが際立ちますよ。
まとめ
こういう映画なのでご都合主義や細かいツッコミどころは多々あるものの、それをスルーして楽しむ姿勢が大事な映画です。
期待が大きかったせいか、不満を持つファンの方も多いようですが、これだけ個性的で魅力的なモンスターを同じスクリーンに収めただけでも良しとしておきましょう。
最初に言ったように万人にオススメできる作品ではありません、というかニッチなジャンルというのが正しいかもしれません。
実に大味でイロモノな作品ではありますが、ギリギリB級パニック映画ではないという絶妙なバランスは観て損は無いでしょう。
何かのオマケに借りてみるのも一興です。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。