
(原題:Charlie and the Chocolate Factory)
2005年/アメリカ/イギリス/オーストラリア
上映時間:115分
監督:ティム・バートン
キャスト:ジョニー・デップ/フレディ・ハイモア/デイビッド・ケリー/ヘレナ・ボナム=カーター/ノア・テイラー/ミッシー・パイル/ジェームズ・フォックス/他
原作はイギリス人作家のロアルド・ダール著作「チョコレート工場の秘密」で、ちなみに映画化は2回目。
ポップで明るく子供向けな内容ながら、何気に毒に溢れたファンタジー映画。
きめ細やかな映像や演出、明るく楽しい娯楽映画として、良くも悪くもティム・バートン色が強めではあります。
世間では大ヒットを記録し、ジョニデ&バートンのタッグはやはりすごい!といった評価が多いように感じますが、個人的には全然響かなかった印象深い作品です。
さっくりあらすじ
両親と、さらに両家の祖父母とつつましく暮らす少年・チャーリー。
傾いた貧乏な家で暮らすチャーリーの唯一の楽しみは年一回、誕生日に食べられるチョコレート。
ある時チョコレート工場の社長であるウィリー・ウォンカが、非公開である工場へ5人の子供を招待すると発表。
発売されているチョコレートに内包された、ゴールドチケットを得たものだけが見学できることになった。
かくして「食欲溢れる少年」「大富豪の娘」「勝負にこだわる少女」「計算が得意な少年」が続々とチケットを引き当て、チャーリーもチケットを引き当てる。
以前工場に勤めていた祖父・ジョーと共に、チョコレート工場へと向かうチャーリーだが、、、
チケットを手にするチャーリー
、、、ズルだけどな!
ウィリー・ウォンカに連れられ工場内へ
そこは夢とお菓子の世界
ウンパ・ルンパ
ちっさいおっさん
チョコレート工場の美しさ
何はなくとも特筆すべきは造形の美しさと、それに伴う美術さんたちの努力に尽きます。
全体的に色彩鮮やかな工場内部、どこか不気味さを感じさせるような奇妙な世界は本当に素晴らしい。
また極力CGに頼らず、飴細工で作られた植物や果物やチョコレートの川など、とことん本物にこだわったバートン監督並びに美術さんたちの仕事には頭が下がります。
ちなみに長期の撮影に耐えられるように加工は施してあるものの、造形は全て本物であり、加工が無ければ普通に食べれるそうです。
物語としては「家族の価値」をテーマにした王道なもの。
思いやりに溢れ、人の気持ちを考えられる清く正しい少年の心を描いた話であり、全編通して予想通りな展開ではあります。
まぁ同行する少年や保護者たちが軒並み問題ありなDQNばかりなので、嫌でもチャーリーがまともに見えてくるわけですが、序盤で彼がネコババした時点で個人的にはNG。
まぁハンパじゃない貧乏生活だから理解はできるんだけど、良い子だったら少額の、一回のネコババは許されるというのはいかがなものか?
仮に落とし主が同じくらい貧乏だったとしても清く正しい少年を演じるのだろうか?
拾った金を使うのは良いとして、いかにも良い子風なチャーリーに逆に怖さを感じる始末で、最後まで映画を楽しむことができませんでしたよ。
映画だし道徳とかモラルを持ち出すのはナンセンスな話ですが、「超貧乏だけど、お金拾って超ラッキー!!」という展開に違和感を拭いきれません。
ついでに何故か可愛い!と評価されてるウンパ・ルンパの存在が苦手。。
あれ可愛いか?
マジで?
あのおっさん大きくても小さくても絶対可愛くないでしょ?しかも大量に出てくるんだよ?
軽快なリズムで踊るシーンは面白かったですが、あんなん家にいてごらんなさいよ、絶対みんな発狂するよね!?
ただ演じたディープ・ロイ氏が幾通りものウンパ・ルンパを演じ分け、ものすごく手間暇がかかったと言っていましたから、やはりその拘りには頭が下がる想いではあります。
でもキモいものはキモいんじゃ。
うっすら狂気を感じさせる変人社長・ウォンカを演じたジョニデは良かったです。
色々と複雑で、掴みどころの無い難しい役でしたが、さすがの演技力ですね。
まとめ
とはいえ、ティム・バートン監督としてはクセはあるものの、やや甘めな印象です。
もっとグロかったり、もっと毒気のある作品が多い中で、本作はかなり子供向けにアジャストされているような気がします。
先述したネコババが気になるので子供に見せたい作品ではないですが、あの美しい造形は一度目にしてほしいところでもあります。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。