(原題:Constantine)
2005年/アメリカ/ドイツ
上映時間:121分
監督:フランシス・ローレンス
キャスト:キアヌ・リーブス/レイチェル・ワイズ/シャイア・ラブーフ/ジャイモン・フンスー/マックス・ベイカー/プルイット・T・ヴィンス/ギャビン・ロスデイル/ティルダ・スウィントン/ピーター・ストーメア
えー,ド派手なエクソシストだと思えば大体合ってます(笑)
SFアクション大作「マトリックス」で、アクションスターとしての地位を獲得したキアヌ・リーブス。
そんな彼が脚本に惚れこんで減量に励み、ゲッソリと顔色の悪い末期癌の男の役作りをしたことでも話題になりました。
元は「ヘルブレイザー」というアメコミ作品で、天使と悪魔が人間界にて縄張り争いをするというお話。
聖書から引用した世界観や宗教色が強めな作品です。
なんちゃって仏教徒が多い日本人にはやや難解に感じるかもしれませんが、その辺はやはりアメリカのSFアクション、予備知識が無くてもそれなりに楽しめると思います。
さっくりあらすじ
世界は天国、人間界、地獄の3層に分かれていて、天使や悪魔は直に人間界に来ることはできない。
しかし、神様サイドには天使の代行者が。
魔王サイドには悪魔の代行者が。
それぞれが人間界に存在し、彼らは「ハーフブリード」と呼ばれ、人間社会に溶け込んで生活を送っている。
末期の肺癌患者であるジョン・コンスタンティンは、過去に起こした”自殺未遂”の罪を帳消しにし、死後に天国に行くため悪魔祓いとして日々悪魔を退治していた。
そんなある日の仕事中、女の子にとり憑いた悪魔が人間界に侵入しようとしているのを目撃する。
悪魔は人間界に入れないはずなのに何故?
世界の均衡が崩れつつある、そう感じ困惑するコンスタンティン。
同じ頃、女性刑事アンジェラの双子の妹・イザベラが自殺した。
敬虔なクリスチャンである妹が自殺するわけがない。
そう思ったアンジェラが防犯カメラを確認すると、イザベラはカメラに向かって一度だけ呟く。
「コンスタンティン」と、、、
末期の肺癌患者・コンスタンティン
凄腕の悪魔祓い
通称”ドラゴン・ブレス”
ロマン溢れる対悪魔兵器
「地獄」の演出が秀逸
力技の悪魔祓い
分類としてはB級アクションホラーに入りそうな本作ですが、まず独特の世界観と設定が非常に興味深いですね。
映像の迫力は素晴らしくて天使や悪魔はもちろんのこと、地獄の描写は目を見張るほどに素晴らしいもの。
熱く渇いた灼熱の地で、あらゆるものがボロボロと崩れ去っていく表現に無慈悲さがあり、地獄って本当にこんな場所なんだろうなと思わせる説得力があります。
悪魔祓いを生業とする主人公・コンスタンティンはタバコが止められず、肺癌で死にかけている男です。
死後に天国に行きたいがために、数々の聖なる武器やアイテムを駆使して悪魔を倒していくのですが、その方法が実にユニークというか何と言うか。
基本的に十字を切ったり祈ったりはせず、文字通り悪魔をボッコボコにします(笑)
この超魔術と肉弾戦を組み合わせたような戦い方、悪魔の退治方法は結構見応えがあり、アイデアに富んだ演出も見所ですな。
またコンスタンティン自身もテンションが低めで愛想が悪く、どう見ても聖人とは程遠いダークヒーローな人物像がカッコいいんですな。
破滅的な人物像と、影のあるイケメンのキアヌ・リーブスのキャラクターがとても魅力的です。
先述したように、心をくすぐるロマン武器も完備。
悪魔に対し効果を発揮するヨルダン川の聖水。
十字を型どり、聖なる弾丸を発射するショットガン&純金の火炎放射器。
祝福を受けたメリケンサック(意味不明)
などなど、神に仕える者が使うものかと疑問が湧き出るキラキラ武器がたまりません。
こういった武器の数々に加え、調査に使う電気椅子、腕に刻まれた呪術っぽいタトゥーなど、どこか新しさを感じさせるギミックの数々は本当に面白いですよ。
悪魔ハンターが実在するのなら、ぜひとも筆者も就職してみたいもんです。
まとめ
天使や悪魔などの強大な敵を相手に、非力な人間であるコンスタンティンが知恵とロマン武器を駆使して闘う姿はとってもカッコいいのです。
次回作を匂わせるようなエンディングで物語は終わり、実際に続編の製作は決定しているらしいですが、その後の情報は何にもありません、、、(悲)
伸びしろを感じる作品だけに頑張ってほしいところです。
ちゃんと信仰心のある方にはとてもオススメできませんが、オカルトやB級アクションが好きな方は観て損は無い作品です。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。
おまけ
予備知識が無いとポカーンとするので解説。
ラストバトルのシーンで、コンスタンティンがおもむろに腕のタトゥーをさらし、呪文を唱えるシーンがあります。
これは17世紀の錬金術師のシンボルマークだそうで、闇に紛れたハーフブリードの姿を暴く効果があるんです。