(原題:Cool Runnings)
1993年/アメリカ
上映時間:98分
監督:ジョン・タートルトーブ
キャスト:レオン・ロビンソン/ダグ・E・ダグ/ロール・D・ルイス/マリク・ヨバ/ジョン・キャンディ
1988年の冬季オリンピックに出場した、ジャマイカのボブスレーチームの実話を元に作られたヒューマン・ドラマ。
スポーツコメディ映画の傑作として有名なこの作品は、知ってる方も多いと思いんじゃないでしょうか?
雪の降らない土地で育った選手達が、ボブスレーに挑戦するだけでも面白いですが、特筆すべきはスポ魂の王道をいくストレートな感動。
オリンピックに対する情熱、仲間に対する熱い気持ち、大人になって忘れてしまった感情を呼び覚ましてくれます。
テンポの良い展開に陽気なジャマイカのノリが心地良く、終始飽きることなく進んでいく作品です。
さっくりあらすじ
陸上100m金メダリストの父を持つデリース(レオン・ロビンソン)は、ジャマイカの100m代表選考会の最有力候補として大会に臨む。
しかし、ゴール直前で隣のレーンを走っていたジュニア(ロール・D・ルイス)が転倒し、デリースも巻き込まれて転倒、ついでに反対側のユル(マリク・ヨバ)も転倒し、揃ってオリンピック内定を逃してしまった。
大会運営委員会にレースのやり直しを訴えるも認められず、落ち込むデリースだが、壁に掛けられた写真が目に留まる。
写真には金メダルを首に下げた父と、見知らぬ白人男性が写っていた。
その男は冬季オリンピックの競技ボブスレーで金メダルをとった選手だと知り、デリースはボブスレーでのオリンピック出場を思いつくのだが、、、
寒さに馴れるため、冷凍庫入り。
ジャマイカ選手団の練習風景
ラテンなボブスレー
「ボブスレー何それおいしいの?」みたいな黒人さんが、オリンピック目指して奮闘するスポーツコメディとして傑作と呼んでも差し支え無いでしょう。
経験はもちろん無し、ソリも無ければ雪なんて見たこともない選手たちが、四苦八苦するのが本当に笑えます。
アクの強い4人組みと、アクの強いコーチが共にオリンピックを目指し、信頼が生まれ成長していく姿は頼もしく、仲間の意味を教えてくれます。
最初はバカにされていたジャマイカチームですが、予想外の活躍や、競技に対する姿勢が観衆の注目を集めて行く姿はすごくカッコいいですね。
観ているこっちとしては、感情移入っぷりがハンパじゃなく、手に汗握りますが。
普段はあまり興味がありませんが、少しだけサポーターになる人の気持ちが分かります。
ボブスレーの練習で男4人が湯船にハマってたり、寒さに慣れるために冷凍庫に突っ込まれたりとユニークな笑いに溢れています。
その一方で、勝ちにこだわるデリース。
内気だが、自分の殻を破ろうともがくジュニア。
勝つことにこだわり過ぎて、金メダルを剥奪されたコーチのアービングなど。
それぞれの人生背景が複雑で、考えさせられるところも少なくないかなと。
ついでにけっこう昔の映画なので、人種差別や排他的な表現がチラホラあります。
でもこの4人は差別に屈服することなく、どこ吹く風。
ジャマイカ人であることを愛し、堂々と誇りに思っているのが本当にカッコいいっすね。
逆に日本人であることに、どれだけ誇りを持ってるのかを考えさせられますが、、、
それを踏まえた上での、ラストシーンはマジで号泣もの。
壊れたソリを担ぎ、万来の拍手に包まれた彼らの姿はこれ以上無い、本当に素晴らしいエンディングだったのではないでしょうか。
とはいえ、現実的に考えると突っ込みどころ満載な本作、リアリティを求める方には楽しめないと思います。
しかしエンターテイメントは映画の基本のひとつです。
観ていて気持ちの良い、あー面白かった!で終わるのもエンターテイメントの醍醐味でしょう。
まとめ
目標に向かって頑張ること、仲間がいることの素晴らしさを教えてくれる良作です。
本当に笑えるので、子供でもきっと面白いと思います。
スポーツを始めたお子さんと一緒に観てほしい作品です。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。