日本映画に思う事

アカデミー賞の授賞式も終わり、前評判通り「パラサイト 半地下の家族」が作品賞・国際映画賞・脚本賞・監督賞を受賞しましたね。

外国語の映画が最高賞となる作品賞を受賞することは極めて栄誉なことであり、これは本当に素晴らしい。

エンタメ業界全般に言えることだと思いますが、音楽業界といい、映画産業といい、日本はアジアの中でも相当に遅れをとってしまったなぁと、改めて思います。

 

嫌韓ムードが漂う昨今の日本ですが、良いものは良いと認める度量はあるだろうと思いますし、今回の偉業は手放しで褒めて然るべきことであります。

ただ、日本のエンタメ産業はどうして一向に海外勢に追いつく気配が無いのでしょうか?

 

筆者は詳しくないですがBTS(防弾少年団だっけ?)はビルボードで1位を獲得し、先述したように「パラサイト」はオスカーを獲得し、韓国発のエンタメは世界で通用する土台ができ始めています。

それに比べ現状の日本を鑑みると、将来的な展望を予測しても、どうにも日本産のエンタメが海外で評価される気配がしないですよね。

もちろん海外受けだけすれば良いというものではないにしろ、ここまで世界基準で差をつけられると少々寂しい気もします。

 

 

唯一「日本人」として脚光を浴びたのが松たかこさんだけというのも実に寂しい話ですし、ディズニーの声優が呼ばれただけで、まるで快挙を成し遂げたかのように報道する日本メディアの在り方には疑問が拭えませんしね。
(念のため言っておきますが、松たかこさんがステージで歌うこと自体は素晴らしいことですよ)

比べるものではありませんが、やはり「日本人」としてメディアが脚光を浴びせようとしたカズ・ヒロさんの方に、もう少しスポットを浴びせるべきだったのは言うまでもないでしょう。

カズ氏は「日本の文化では夢を叶えるのは難しい」と本音を語られましたが、明らかに「日本人の誇り」的な、日本を称賛してくれる答えを求めたメディアとの温度差が浮き彫りになった瞬間だと思いました。

 

そもそも2018年に米国籍を取得し、厳密に言えば日系米国人になるわけですが、その上でも「日本人の快挙」としようとした日本エンタメ業界の悲しさたるや。

カズ氏のように映画を愛し、一流の情熱と技術を持つ人間が居場所を見つけることができず、また持ち得る技術を発揮できる場所が無いことを認識する必要があるのでしょう。

島国社会で内輪褒めしかできない日本のエンタメ業界は間違いなく先細りになる一方でしょうし、海外の情報が簡単に手に入る現代において、あらゆる方面で海外エンタメ勢の方が優れていることはもう隠しようがありません。

 

 

似たようなアイドルを中心に添えた映画は論外ですし、アイドルに毛が生えたような俳優&女優の映画もお金を払い、時間を割いてまで観る気にはなりません。

漫画原作を映画化し、お茶の間を席捲する新作映画のCMの数々。

当たり前のようにバラエティに俳優や監督がが登場し、押しつけ気味に宣伝を繰り返すワンパターンの流れ。

さらに大ヒットやら何やら、世に溢れる忖度だらけのメディア戦略。

事務所の力関係がモノを言う芸能界の在り方では今後改善できる余地は無いでしょうし、ベスト〇〇賞の存在もさることながら、日本アカデミー賞ですらどうかと思うような内輪褒めの祭典ですしね。

 

ついでに、何かと言えば予算を言い訳にしていますが、そもそも脚本の時点で劣っていることも間違いないでしょう。

総じて「この映画が観たい!!」という気持ちになることが極端に少ないのが正直なところですな。

端的に言えば「日本は凄い!」とか、「日本の〇〇が世界へ!」はもう通用しないことを自覚しないといけない時期に来ているということです。

 

文化的な大成功を収めた希代の天才のコメントを忘れることなく、映画産業もメディアも、今一度考えなおして欲しいと心から思います。

 

 

 



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