デトロイト・メタル・シティ
2008年/日本
上映時間:104分
監督:李闘士男
キャスト:松山ケンイチ/加藤ローサ/秋山竜次/細田よしひこ/松雪泰子/高橋一生/鈴木一真/大倉孝二/岡田義徳/美波/ジーン・シモンズ/他
前回はかなり暗いお話だったので、今日は明るく笑える邦画コメディのご紹介。
ヤングアニマルで連載され、「この漫画がすごい」で1位に輝いた同名漫画の映画化作品です。
筆者は原作は読んだことないんですが、かなり原作に忠実に作られていて、愛読している方々にも概ね高い評価を受けているようです。
とにかく、くだらなくて笑えます。
原作ありきの面白さなんだろうとは思うものの、実際ここまで気合を入れたジャパニーズ・コメディはなかなかお目にかかれないんじゃないかと思っています。
映画館で1800円、DVDで300円くらい、下手すりゃ100円でこんなに楽しめる映画が日本にもあるんですね。
マジですごいコスパだと思いませんか?
漫画由来で原作ありきの作品とは、基本的に読者を相手に作るものだと思います。
マーケティングの時点でそこをウリにせず、未読者でも興味を持つ宣伝広告に徹した姿勢も素晴らしいなと感じました。
筆者が中学生の頃にマヨネーズのCMソングで一世を風靡?したカジヒデキさんの姿を何年かぶりに見れたのも、個人的に懐かしくて良かったです。
マツケン演じる根岸君がこよなく愛す、カジヒデキ調な歌が全く流行ってない演出には苦笑いしちゃいましたが。。
さっくりあらすじ
おしゃれでポップなミュージシャンを目指し、大分出身の根岸君は東京の大学へと進学し、充実した大学生活を送り卒業後にレコード会社と契約する。
しかし、事務所から要求されたのは根岸君の愛するポップミュージックではなく、正反対のデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のヴォーカルだった。
自分の目指す音楽性とは全く異なり不満を抱えながらも、根岸君こと”ヨハネ・クラウザーⅡ世”の歌は大ヒット、DMCの人気もうなぎのぼりになってしまう。
ポップでスタイリッシュな歌手を目指しながらも、デスメタルでスーパースターになってしまった根岸君。
ほのかに想いを寄せていた大学の同級生、由利と再会することで一層そのギャップに苦しむことになるのだが、、、
これだけでも笑えるよね。
ぶっ飛んだ松雪泰子
一気に好きになりました。
面白い視点が分かっている演技
松山ケンイチと松雪泰子の2人、その演技がとにかく素晴らしい。
根岸君ことヨハネ・クラウザーⅡ世はすごいですよ、立ってるだけで笑えますもん。
オシャレでポップな歌を歌う姿はスベッてて気持ち悪いですし、白塗りのメイクでデスメタルしてる姿は面白いですし、事務所の社長に蹴られて踏まれて泣きながらもがいてる姿は爆笑もんです。
自分が好きなものは認められず、好きじゃないものが絶賛される姿に哀愁が漂います。
本当に良い演技をしていますね。
そして事務所の女社長を演じる、松雪泰子の怪演が光ります。
白鳥麗子でございます(古い?)のイメージが強かった彼女ですが、メチャクチャにはっちゃけた魅力溢れるキャラクターを存分に演じております。
テレビでは放送禁止な下ネタを連発し、パンツが丸見えでマツケンを蹴り倒す姿が、筆者的にはどストライクでした。
美人な方が無茶苦茶にビッチするほど魅力的なものはありません。
マジで(病気)
まとめ
良い意味で万人受けを狙った佳作だと思います。
ツッコミどころ満載だし、下品な部分もありますが、そんな小さなことはどうでも良いんです。
「品が無い」ものはただ不快なだけですが、「下品」なものは面白いんです。
差が分からない方はぜひ一度見てほしいところですね。
とにかく下品でテンションが高く、笑える映画だと思います。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。