(原題:Ghost Ship)
2002年/アメリカ・オーストラリア
上映時間:91分
監督:スティーヴ・ベック
キャスト:ジュリアナ・マルグリーズ/ガブリエル・バーン/ロン・エルダート/イザイア・ワシントン/デズモンド・ハリントン/アレックス・ディミトリアデス/他
タイトル通り幽霊船を舞台に、数々の心霊現象を堪能するホラー映画。
劇中で描かれる豪華客船アンドレア・グラーザ号ですが、実際に海上での衝突事故により沈没したアンドレア・ドーリア号というモデルがあるんだそうです。
遥か彼方の海の上という逃げ場の無い環境に、何十年も海を漂い続けた幽霊船と、使い古された設定ではあるものの未だに魅力溢れるコンテンツではありますよね。
さっくりと楽しめる初心者向けな作品だと思いますが、少々グロめな演出なのでお気をつけて。
さっくりあらすじ
1962年、豪華客船アントニア・グラーザ号は600人もの乗客を乗せ、豪華な食事に酒、そして優雅な歌とダンスで賑わっていた。
しかし何者かが仕掛けたワイヤートラップが作動し、勢いよく放たれたワイヤーは看板を水平に横切り、人々の体は切断され血の海に染まる。
背が低かった少女だけが唯一助かり、あまりの光景にあげた悲鳴が、静まり返った船内に響き渡った。
仕事を終え、サルベージ業を営むマーフィーと仲間達が酒場でくつろいでいると、ある男が船の回収を依頼してきた。
フェリマンと名乗る男との条件に折り合いをつけ、一同は船を見つけるためにベーリング海峡へと出港する。
荒波を掻き分け海を進むと、突然にレーダーに船の影が現れ、咄嗟に減速するも衝突してしまう。
落ち着きを取り戻し、船を見上げたマーフィーは”海上に浮かぶ宮殿、アントニア・グラーザ号”だと断定し、船を引っ張る準備を進めるのだが、、、
サルベージ・チームを率いるマーフィー
みんなのオトン
その相棒&恋人的なエップス
みんなのオカン
ヤンチャな船員・マンダー
違う世界では下っ端の門番代理だったり
ジェネリックな面白さ
過去にあった凄惨な事件
↓
現代になり見つかる
↓
一攫千金を夢見て人が乗り込む
↓
奇妙な現象に襲われる
↓
\(^o^)/オワタ
みたいな流れであり、この手の作品は大量に作られていますし、特別目立つような何かがあるわけではありません。
それでも序盤の掴みはそれなりにキャッチーなものではありますし、これから何が起きるのか?というゾクゾクな好奇心は煽られるので、決して駄作とは言えないレベルのものでしょう。
良くも悪くも”ありがち”な作品であり、極めてオーソドックスで初心者向けな内容だと思います。
誰が黒幕でどういった目的があるのか、そういった謎に関してもある程度は先が読めるので、難解な内容ではありません。
ので、どちらかと言えば残酷で血生臭い演出や、生理的に嫌悪感のあるキモい演出の方が印象的。
スプラッタ・ホラーやサスペンス・ホラーともまた違う、エンタメ寄りでライトなホラーですな。
長い間を海で彷徨っていた幽霊船だけに、錆びついた不気味な船内の雰囲気はなかなかのもの。
かつてはゴシック調で煌びやかであったであろう客室と、無機質で閉塞感のある機関室と、謎解き冒険系の環境作りは及第点です。
それでも物足りなさを感じるのはやはり脚本の方であり、尻すぼみになってしまう展開もあって盛り上がりには欠けますね。
幽霊とか怨霊とか悪魔とか、どうしても最終的にはファンタジー要素が絡まってしまいますし、現実味を帯びなくなった時点で怖さも半減してしまうので、この手の作品の共通の課題と言えそうです。
まとめ
衝撃的な幕開けに始まり、平凡に終わる。
もうひと捻りくらいは欲しかった気もしますが、これはこれで退屈なわけではありません。
まさに可もなく不可もなく、それなりに面白いけれども記憶には残らない、ジェネリック(量産型)ホラー映画のスタンダードをいく作品ですな。
特に観たい映画が無い時には最適な一品です。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。