(原題:Hollow Man)
2000年/アメリカ
上映時間:112分
監督:ポール・バーホーベン
キャスト:ケヴィン・ベーコン/エリザベス・シュー/ジョシュ/ブローリン/キムディ・ケンズ/ジョーイ・ストロニック/メアリー・ランドル/グレッグ・グランバーグ他
現代の医学として、採取した細胞を培養して異なる細胞に変え、それを体のパーツとして医療に使う。
そんなゴールドエクスペリエンスみたいなことが現実に可能になるほど科学の力は発展を続けているわけですが、いまだ物体の不可視化というものは難しいようですね。
「ドラえもん」をはじめ「攻殻機動隊」や「ハリーポッター」など、2次元やファンタジーの域を出ない科学技術は、現代でも想像の産物な域を超えないものです。
それ故に、ベタなテーマとして多くの作品に取り入れられるロマンがあるわけですな。
そんな中で本作は、”透明人間”というテーマをある意味で完成させたと言える作品です。
実際に人間が透明化するのであれば、これはものすごく恐ろしいことですよね。
小さなことでは窃盗や痴漢、大きなことでは機密事項の流出や要人暗殺まで、対策が無ければ何でも可能になってしまう恐ろしい技術だと思います。
そして作中で描かれる、軍の機密が関わる透明化の研究で成功した科学者の取った行動は、、、
エロ。
エロです。
同僚の乳を揉んだり、お向かいさん家に侵入したりと、国家機密よりも男のロマンが上回るという衝撃的な展開が描かれます。
いや、最終的にはホラーなんですけどね(笑)
製作にあたっては、大半の人がが映像化は無理だと反発したみたいですね。
80億とも90億とも言われる費用をつぎ込み、新しいソフトウェアやエンジンを開発し、半年以上の時間をかけて完成させたそうです。
そこまでやって撮影したのが同僚女性の乳を揉むというry、、、
ま、そーゆーことを平気でやってしまうあたりがバーホーベン監督の魅力でしょうか。
さっくりあらすじ
天才科学者のセバスチャンが率いる研究チームは、国家機密プロジェクトである”生物の透明化”の実験を繰り返していた。
モルモットの透明化には成功していたものの、元の肉体への復元の成功率は低い上に、副作用としての性格の凶暴化が改善できないままチームの研究は止まっていた。
焦ったセバスチャンはチームの反対も聞かず、研究結果を求めて自らを透明化してしまう。
しかし見事に実験は成功しセバスチャンは透明人間に。
気を良くし、束の間のイタズラを楽しむ彼だが復元には失敗、元の可視化の肉体に戻れなくなってしまう。
肉体の復元を求めて研究は進むものの、徐々に苛立ちを募らせていくセバスチャン。
正気を失っていく彼を恐れたチームは国家に報告しようとするのだが、、、
実験成功
体が消えていく様は一見の価値あり
見えなくなっちゃうもんで、
全身ラバータイツ?で過ごします
雨に打たれて浮かび上がる透明人間
この映像すごくない?
限りなく”本物”
CGを使った透明人間ものの作品は、今までも少なからずありました。
その中でも、本作は体が透けていく過程をリアルに再現した、最初の作品だと言われています。
作中ではすでに生物の透明化には成功しているものの、元に戻せないという従来の作品の一歩先をいくアイデアが面白いと思います。
画面に映っている人間の皮膚が消え、むき出しになった筋肉が消え、血管が消えていく。
そういった透明になっていく過程を描いた表現は、未知の技術にも関わらず「ほー、こうなっていくのか」と納得させられる説得力があります。
水の中や煙の中で浮き出る透明人間の描写も素晴らしく、限りなく現実(には無理なんだけど)に近い臨場感に溢れ、リアルな怖さを感じるんです。
この映像表現だけでも十分観る価値はあるんじゃないでしょうか。
で内容ですが、色々とあって凶暴になった博士が次々と同僚をぬっ殺していくというもの。
気になる点としては、透明とかの問題じゃなくて異常に強いんです、この人。
怪力、尋常じゃないタフネス、スタミナを誇り、最後の方はもはや人間じゃないっすよ博士。
野心的で優秀な科学博士が”透明化”をきっかけにストレスに晒され、徐々に狂気に染まっていくサマはケヴィン・ベーコンの好演が光ります。
決してイケメンタイプではありませんが、鍛えられた肉体にキュートなお尻が拝めるのも本作の特徴と言えるでしょう、、、ふぅ。
まとめ
極めて規模の大きな実験の果てに生まれた技術、しかし透明人間だからこそ可能なエロという男のロマンに走る博士。
そして特に説明もないまま、謎に圧倒的な怪力を繰り出す博士。
映画としてはちょっとアレな部分がありますが、とにかく映像だけで圧倒させられる迫力があります。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。
おまけ
メタスクリーンてご存知ですか?
ものすごく薄い布を対象物にかぶせて3.6ギガヘルツのマイクロ波を当てると透明に近づくという研究があるそうで、透明マントが発明される日も遠くはないのかもしれません。