
(原題:Jack the Giant Slayer)
2013年/アメリカ
上映時間:114分
監督:ブライアン・シンガー
キャスト:ニコラス・ホルト/エレノア・トムリンソン/ユアン・マクレガー/スタンリー・トゥッチ/エディ・マーサン/ユエン・ブレムナー/イアン・マクシェーン/他
スピルバーグ監督の「ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」が公開されましたので、無理やりそれにちなんで巨人の映画のご紹介。
かなりオリジナルなストーリーらしいですが原作は言わずもがな、かの有名な童話「ジャックと豆の木」で、メガホンを取ったのは「X-Men」シリーズで有名なブライアン・シンガー監督。
ちなみに医療サスペンスドラマ「Dr.ハウス」の監督も務めていました。
2004年からスタートしたやや古いTVドラマですが、個人的にはめっちゃ面白かったのでオススメです。
主演は「ウォームボディーズ」や「マッドマックス/怒りのデス・ロード」で注目を浴びているニコラス・ホルト、続々と大作に出演するようになり、今売り出し中の若手俳優です。
見た目通りの長身・誠実・爽やかな青年の役ですが、髪型が変なんだよなぁ、、
さっくりあらすじ
平凡な農夫のジャックは逃走中の僧侶に”絶対に水につけてはいけない豆」を押し付けられ、その上自分の馬を乗り逃げされてしまう。
一方で王女のイザベルは王である父の取り決めにより、好きでもなく信用も無いロデリック卿との押し付けられ、馬に乗って城を飛び出してしまう。
行き着いた先でジャックの家を見つけ、助けを求めるイザベル。
すぐに王女だと気付いたジャックだったが、床下に豆を落としてしまい雨に濡れた豆は発芽し、異常な速さで成長する豆の木は家ごと上昇し、逃げ遅れたイザベルごと天空へと昇ってしまった。
地上に残されたジャックはイザベルを救うため、王国騎士団と共に豆の木を登ることになるのだが、、、
王女を救うため、果敢に登るジャック
とりあえず髪型がおかしい
勇敢な騎士・エルモント
オビ=ワンではない
天上の島で生活する巨人たち
料理上手
「丁寧」な子供向け
吹き替え版のウェンツ瑛士・千原せいじ・真栄田賢・博多華丸・ゴリ・山里亮太などほぼ芸人ばかりですが、非常に評判が良いみたいですね。
ファンタジー映画に関西弁はどうなんだ?という気がしないでもないですが、それはそれで子供が観るには面白いかもしれません。
個人的には吹き替えで映画を観る意味が分かりませんが、好みの問題でしょう。
大きな巨人の姿は迫力があり普通に怖い存在に見えますが、どこかコミカルでもあり、スプラッタなゴア表現が皆無なこともあって非常に子供に優しい設計になっております。
とはいえ安っぽいB級映画というわけでもなく、映像のクオリティはなかなかのものですし、いとも簡単に人間を捕まえる巨人の存在は怖いものです。
鈍重に見えても大きく速く、野蛮で薄汚れた巨人の造形は秀逸でした。
この辺りのエンターテイメント性と優しい表現のバランス感覚は良かったかなと思いますが、大人だけで観るにはやや退屈に感じるかもしれません。
作品としては非常にテンポ良く、ドキドキハラハラさせるファンタジー・アドベンチャーとしては王道なもの。
恋愛・アクション・巨人・アドベンチャーといった要素を2時間弱に詰め込んだせいか、物語的に浅い部分もチラホラ見受けられましたが許容範囲かな。
ノリの良いアドベンチャーでカバーできる程度です。
何度も言っておりますが、主役のジャックことニコラス・ホルトの髪型が変なせいなのか、当然主役級の活躍をしていながらも何故か存在感が薄めな印象。
むしろ正義感が強く頼りになる騎士・エルモント(ユアン・マクレガー)や、子供が見ても直感で分かる悪人面のロデリック卿(スタンリー・トゥッチ)の方がキャラが立っている上、役者としての風格もあって非常に目立っていたと思います。
言い換えれば善も悪も、主人公より主人公っぽかったってことですな。
あくまでジャックは農夫だから仕方ないんですけどね、、もう少し目立たせても良かったかなぁ。。
まとめ
童話を映像にした作品なわけですが、バンバン人が死んでいきます。
直接的に残酷なシーンは少ないにしても、小学生くらいであれば普通に怖いだろうなとは思いました。
ただ芯から来る恐怖ではなく、昔話特有の、何とも言えない得体の知れない恐怖と言いますか、子供が観てもトラウマになるようなものではないと思います。
コミカルでクスっと笑う描写が多いのも、恐怖に対する緩和剤というか、ガチでビビらせに来ているわけではないので、そういう意味では完成度の高いエンターテイメントと言えます。
今時っ子が「ジャックと豆の木」を知っているのかはやや疑問ですが、分かりやすい愛と正義の物語はぜひ見せてあげてほしいところです。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。