(原題:National Treasure)
2004年/アメリカ
上映時間:131分
監督:ジョン・タートルトーブ
キャスト:ニコラス・ケイジ/ダイアン・クルーガー/ジャスティン・バーサ/ジョン・ヴォイト/ショーン・ビーン/他
「クールランニング」「魔法使いの弟子」を手掛けたジョン・タートルトーブ監督。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズをはじめ、「ローン・レンジャー」「プリンス・オブ・ペルシャ」の製作を手掛けた名プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー。
そして恐らく世界でも有数の”浪費家オタク”ことニコラス・ケイジが送るアクション・サスペンス作品。
「フリーメイソン」や「テンプル騎士団」そして「秘宝」という、冒険心をくすぐるキーワードはなかなか魅力的なものです。
それに加えテンポの良さ、適度な緊張感、これぞ冒険活劇と言わんばかりの仕上がりはやはりディズニー制作によるものか。
さっくりあらすじ
歴史学者であり、冒険家のベン・ゲイツはテンプル騎士団の秘宝を受け継ぐ一族の末裔である。
秘宝はイギリスの手に渡らぬよう、秘密結社・フリーメイソンらによって封印されたと教えられていた。
富豪の冒険家・イアンの出資を受けたベンは海泡石のパイプを発見し、アメリカ独立宣言書にこそ秘密が隠されていることを突き止める。
すぐさまイアンは独立宣言書を盗むことを考えるが、ベンはこれに反発。
国立公文書館に対し警告するも相手にされず、ベンは先手を打って独立宣言書を盗もうとするのだが、、、
物語の中心・アメリカ独立宣言書
100ドル札にも手がかりが
辿り着いた秘宝とは、、
基本に忠実
大いなる謎を発見し、手掛かりを追い、宿敵との競争を制し、ロマンスに終わる。
歴史的な謎を現代風にアレンジしてあるものの、物語の構成としては非常に王道を行くもの。
ある程度の展開が決まっているにも関わらず、適度な緊張感や迫力を保ちつつ、娯楽映画として完成度を高めるのは非常に難しいものです。
そういう意味では非常に映画としての組み立てが上手なんだと思います。
人が立ち入れぬ場所にあるような人知を超えるような神秘的なものではなく、「大都市の中に人知れず眠る財宝」ある種の都市伝説のような雰囲気が良いですね。
同じアドベンチャーでも、冒険映画での金字塔である「インディ・ジョーンズ」との差別化も頑張った印象。
ついでに言えばアクション要素が強めなインディ・ジョーンズに対して、こちらは謎解き要素が中心です。
未開の地で探検するインディ風も好きですが、徳川埋蔵金のようにロマンがある話も素敵です、夢がありますな。
テンプル騎士団やフリーメイソンという実在する団体を背景にしたのも良かったかな。
そんな背景を大都市の中に持ってくるもんだから自然とエンターテイメント性も高くなりますよね、知ってるようで知らない団体を知る良い機会にもなるでしょう。
ただ全般的に起伏の変化に乏しく、面白いとは思うものの、何故か盛り上がりには欠ける印象です。
良く言えばテンポが良く、悪く言えば謎解きが早すぎて重厚感が無いですね。
しかしこの手の映画には珍しく死人が出ないのも特徴的か。
やはりディズニー作品なのでその辺は気を使ってるんすかね?分かりやすい勧善懲悪も好き嫌いが分かれそうです。
そんなあっさりした物語に奥行きを持たせているのはやはり主人公・ベンを演じるニコラス・ケイジ。
歴史学者のようには全く見えませんが、それでも妙な説得力を含む表現はさすがです。
相棒ダイアン・クルーガーも実に可愛らしく素敵ですが、構成的にストーリーの流れ重視な感じで人物を掘り下げることが殆どないので特筆すべきことはありません。
まとめ
良い意味で平均的な娯楽アドベンチャーといったところか。
予想を覆すようなどんでん返しにはなりませんが、淡々と楽しめる作品ではあります。
細かいところに目をくばればなかなかツッコミどころも多いように思いますが、その辺は言ってたらキリの無い話なので野暮なツッコミはスルーしましょう。
テンポ良くサクサク進むが故に、どこか物足りなさの残る感じがしますが、そこそこに楽しめる映画です。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。