オールド・ボーイ


(原題:Old Boy)
2003年/韓国
上映時間:120分
監督:パク・チャヌク
キャスト:チェ・ミンシク/カン・ヘジョン/ユ・ジテ/チ・デハン/オ・ダルス/イ・スンシン/ユン・ジンソ/他

 




 

カンヌ国際映画祭で、特別グランプリを受賞した韓国産バイオレンス・サスペンス。

日本の漫画原作が韓国で映画化され、変態映画監督タラちゃん(タランティーノ監督)も絶賛したそうな。

ちなみにハリウッド・リメイクもされています(2013年公開)

 

小汚いおじさんがハンマーを持ってるパッケージ写真を見るだけで「こりゃただ事じゃないぞ」と思わせるインパクトがありますが、内容はそれを遥かに上回るインパクトを誇ります。

前半は謎かけもあり大いに盛り上がり、後半はやや失速気味な仕上がりになっていますが、それを差し引いてもかなり面白い作品だと断言できます。

普段はなかなか観る機会が無いですが、韓国映画もバカにできませんよ。

 

 

 

さっくりあらすじ

平凡なサラリーマンのオ・デスは酒に酔って暴れ、交番にいたある夜に突然姿を消した。

何者かに拉致され、監禁されたオ・デスは部屋のTVで妻が惨殺され、しかも容疑者が自分になっていることを知り憤慨する。

怒りを胸に監禁部屋で体を鍛え、TVで情報を集める日々を送り、過ぎた月日を忘れないように腕に傷を刻むオ・デス。

ある日突然ガスで眠らされ、自分が拉致された場所に解放されたオ・デスだが実に15年もの月日が経過していた。

一体自分の身に何が起きたのか?誰がやったのかを調べ始めるのだが、、、

 

 

 

 

”偶然”出会った女性・ミド

 

ミドの助けで拉致の黒幕を探す

 

残酷×コミカルな演出が特徴

 

 

 

 

生々しい”残酷さ”

訳も分からず”15年”という時間を奪われ、正体不明の黒幕を追うオ・デスの執念や復讐心、それに伴う暴力的な描写がとにかく印象的。

何故に黒幕がオ・デスを狙い、15年もの監禁を続けたのか。

精神的にも肉体的にも、生々しい痛さや苦しさが独特の重い雰囲気を作り上げます。

 

正体不明、意味不明な犯人の思考が読めないだけに展開も全く読めず、とにかく不気味な黒幕を相手に奮闘するオ・デスの姿には自然と感情移入してしまうことでしょう。

 

 

本作を観るまでオ・デスを演じるチェ・ミンシクという俳優を知らなかったのですが(不勉強ですんません)、韓国では大御所な俳優だそうで、実際に彼の持つ演技力や風格は実に素晴らしいものです。

独特の演出もありますが、実に残酷で薄気味悪い映像の中に現れるコミカルな演技は思わずクスリと笑わせる力があります。

緊張感が続く映像の中での”笑える”彼の表情や仕草は映画の中で一服の清涼剤となるわけですが、こういうさりげない印象深さを醸し出すのは本当に難しいものです。

 

 

基本的には濃いめなサスペンスですが、途中のアクションシーンはかなり良くできています。

アクションというよりは乱闘シーンではありますが、ファイナルファイトの如く横スクロールで流れる一連の映像は一見の価値あり。

けっこう長回しな映像ですし、チェ・ミンシクもかなり大変だったのではと思います。

 

映画としては非常に悲しく、やるせなく、エンディングも含めて何ともつらーい気分にはなると思います。

救いがあるようで無いような、とてもハッピーエンドでは終われない奥行きのある結末であり、観終わった後の感想はやや重ためな印象。

しかしそれも含めて良作だなと思わせるパワーはありますね。

 

韓国映画はなかなか侮れないっす。

マジで。

 




 

まとめ

最近の大統領問題を見て分かる通り、同じアジア系でもより感情的になりやすいというか、良くも悪くも感情の爆発がすごい国民性がありますよね。

本作はその感情に訴えかけてくる迫力があります。

 

一時期の狂ったような韓流ブームが終わり、アイドル的な勢いでやって来たくだらないドラマも一掃された今日この頃。

反射的にやって来たような嫌韓ムードが漂う昨今ですが、映画に関しては非常に濃厚で完成度が高いものが多いように感じます。

まぁ歴史ものや恋愛ものが多いので普段お目にかかることはありませんが、これからも良質な作品に期待したいところですな。

 

切磋琢磨して、日本も良い映画を送り続けてほしいものです。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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