スクランブル


(原題:Overdrive)
2017年/フランス
上映時間:94分
監督:アントニオ・ネグレ
キャスト:スコット・イーストウッド/ギャレット・フォスター/アナ・デ・アルマス/ガイア・ワイス/シモン・アブカリアン/クレーメンス・シック/他

 




 

高級クラシックカー専門に、盗みを働く兄弟を描くクライム・アクション。

かの名俳優&名監督クリント・イーストウッドの息子であるスコット・イーストウッドが主演を務めます。

ちなみに両親は結婚はしなかったため、基本的には母性のスコット・リーヴスを名乗っているそうな。

 

全然気づかなかったけど「フューリー」や「スーサイド・スクワッド」にも出演していたんですね。

血統と言いキャリアと言い、これからの飛躍が楽しみな俳優の1人ですな。

 

 

 

さっくりあらすじ

フランス・マルセイユのオークション会場で世界に2台しか存在しない高級車・37年型ブガッティが、謎の黒人男性に落札される。

高級車専門の窃盗を働くフォスター兄弟は会場から運び出されるブガッティを狙い、見事に盗み出した。

依頼主の元へと届けるが、車はマフィアの大物であるモリエールのものだと判明し、受け取りを拒否された挙句襲われてしまうのだが、、、

 

 

 

 

フォスター兄弟
クラシックカーを専門に盗む

 

しかし大物マフィアの怒りを買い
泣く泣く仕事を引き受けることに

 

フェラーリ!!
所狭しと並ぶ高級車は圧巻

 

 

 

 

 

シャレオツ

マルセイユの美しい景観を背景に、美男美女が困難なミッションに挑む典型的なポップコーン・ムービーですな。

ワイルド系体力派イケメンな義兄に、スリム系知能派イケメンな義弟に、可愛らしくも美しい恋人たちに。

ポルシェに、フェラーリに、アルファロメオに、マスタングに。

とにかく登場する全てが魅力的で美しく、それらの背景となるマルセイユの景観もまた美しく、どこもかしこもオシャレな雰囲気に包まれています。

 

ただでさえヤバい稼業を営んでいる上にマフィアに目を付けられ、大きな災難に見舞われたイケメン兄弟。

一発逆転の作戦を実行するためにスリ師とハッカーの美女を加え、数々の困難を乗り越える内に愛情が芽生えると、真っすぐ王道な展開ですわ。

そんな命の危機なはずなのに海が見えるレストランで食事を摂り、川沿いのカフェバーで酒を飲み、刹那的で豪勢な生活感にはロマンを感じる程にオシャレなわけですよ。

到底なれそうもないですが、こういった生活が送れるのであれば窃盗団も悪くないというか、素直に羨ましくなるほどの魅力が溢れています。

 

 

ただし映画としては、というかカーアクションとしては「ワイルドスピード」や「60セカンズ」には遠く及ばず、登場する車の価値は別にして、全体的に物足りなさが否めません。

まず最終的などんでん返しは面白いアイデアではあるものの、途中の説明が極めて不十分。

後付けな設定が散見し、ご都合主義な展開が隠し切れず悪目立ちしています。

 

さらに、この手の映画の目玉とも言えるカーアクションも比較的控えめであり、全体的に迫力が感じづらい印象。

何せメインが高級クラシックカーそのものであり、単純に「傷つけられない」という前提があるだけに、カーチェイスのシーンも総じて平凡な演出になってしまうんですな。

凄腕の車泥棒なはずなのに、マフィアのボスと同レベルのカーチェイスを披露するのも微妙に矛盾しているというか、、偶然マフィアのボスが凄腕ドライバーだという展開は本当に微妙。

 

良く言えばスマートに、悪く言えば大いにワイルドさに欠けるというか、キザでニヒルな雰囲気は好き嫌いが分かれそうですね。

映画の熱に対して映像が追い付いていないというか、観てる側のボルテージが上がるような演出にまで到達していないのが最も残念なところでしょうか。

でもね、ワイルドな窃盗団が観たいなら「ワイルド・スピード」を見れば良いわけですし、差別化を図った結果こうなったのでしょう。

 

 

 




 

まとめ

アクション×美女×カーチェイスと、極めて基本に忠実な内容であり、その反面として既視感が満載な作品でもあります。

ずらりと並ぶ高級車の数々はマニアには堪らない眺めでしょうし、それもクラシックカーだけにやや玄人向けなのかもしれません。

とはいえ単純で爽快なアクション映画の一つとして、誰でもそれなりには楽しめる作品だと思います。

 

特筆すべきものは無いですが、観て損は無い映画でしょう。

良ければ一度ご鑑賞くださいませ。



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