パディントン2


(原題:Paddington 2)
2017年/イギリス・フランス
上映時間:103分
監督:ポール・キング
キャスト:ベン・ウィショー/ヒュー・ボネヴィル/サリー・ホーキンス/マデリン・ハリス/サミュエル・ジョスリン/ヒュー・グラント/他

 




 

前作はコチラ

ロンドンにやってきたクマと、彼を取り巻く家族を描いたファンタジー・ドラマの続編。

今回も笑って泣けて、可愛らしいクマに癒される素敵な作品になっております。

 

前作がペルーから都会にやって来たクマの騒動を描いたのに対し、今回は居住したクマと周りの人々との絆と、親子愛が中心に描かれます。

大人も子供も楽しめる、また人付き合いを通じて非常にタメになる、ぜひとも親子で観てほしい映画です。

 

 

 

さっくりあらすじ

ロンドンにやって来たパディントンは近所の人々にも好かれ、ブラウン家での生活にもすっかり馴染んでいた。

ロンドンへ来たがっていたルーシー叔母さんの誕生日のため、ロンドンの街を描いた飛びだす絵本を買うためにアルバイトを始める。

ようやくお金が集まった夜、泥棒が絵本を盗む現場を目撃したパディントンは咄嗟に追いかけるも逃げられてしまった上に、誤解した警察に逮捕されてしまう。

盗難現場からは何の証拠も検出されず、無実を訴えるもパディントンは刑務所へと送られてしまうのだが、、、

 

 

 

 

ロンドンの名所を描いた絵本
ルーシー叔母さんへのプレゼント

 

トラブルに巻き込まれ
刑務所に入ることに

 

でも友達がいっぱい

 

 

 

 

 

親切を惜しまない

前作同様、とにかく誠実で親切なパディントン。

出会いの時は毛嫌いしていた父ブラウンが「パディントンは親切を惜しまない、だから人に愛される」と言うシーンがありますが、これは名言ですよね。

 

ドジで間抜けで、危なっかしくイラつくこともあれど、真面目で優しく、誰に対しても丁寧な姿勢がとにかく素晴らしい。

また、できないことで失敗を繰り返しながらも、できるまで頑張る姿勢にも好感が持てます。

見た目的にもモフモフで可愛いしね、本当に家に持って帰って一日中モフりたくなるような魅力が満載ですよ。

 

 

物語としては、パディントンが世話になった叔母へのプレゼントを探し、結果的にトラブルに巻き込まれてしまうという流れ。

やはり普段の彼の紳士っぷりを観ているコチラ側としては、どう見ても不当な逮捕、不当な判決を押し通す司法の考え方に憤慨させられます。

よく考えればこんなファンタジー映画にマジになるのもどうかと思いますが、これも観ていれば誰でも好きになるであろうパディントンの人柄だからこそ。

とある理由から涙を流すパディントンの姿には胸が締め付けられるかのような思いになりますし、できることなら助けてあげたいと本気で思ってしまうほどに、感情移入させる深みがあるんです。

 

そして、この応援したくなる気持ち、手を貸してあげたくなる気持ちこそが本作ならではの価値であり、子供が観るべき理由でもあります。

劇中でパディントンは繰り返しルーシー叔母さんの教えを説きますが、これは人が人と仲良くなる上で、とても大事なことです。

自分がどんな苦境に立たされ、どんな困難に直面しても、平常運転で他者に優しくできる人間性(クマ性)は本当に尊敬に値するもの。

世の中の誰もがパディントンのように親切に、誠実に生きられるのならきっと良い社会になるだろうなと、本気でそう思えるくらいに愛されるキャラクターですな。

 

 

そんな愛らしいパディントンを中心に、数々のユーモアと、個性あふれるキャラクター達が物語に彩を加えます。

同じ英国産コメディのMr.ビーンをオマージュしているかのような笑いの数々、ピタゴラスイッチの如く重なっていくコミカルな演出は心地よく笑えます。

それと同時に、序盤にバラ撒いた伏線を余すことなく回収していく構成も実に素晴らしく、観終わった後のほっこり感は相当なものですよ。

 

そして、前作のニコール・キッドマン然り、本作での悪役を務めるヒュー・グラントの存在感はさすがの一言。

どこか知的でどこか不気味、どこか憎たらしくも愛嬌があると、非常に複雑で奥行きのあるキャラクターを見事に演じ切っております。

グラント本人のキャリアと若干かぶっているような気がしないでもないですが、それを分かった上でのこの演技は文句なしに素晴らしいものです。

映像的なパディントンの造形やキャラクター性だけではなく、脇を固める役者が活躍しているからこその高い完成度なんですね。

 

後は繰り返しになりますが「人に親切にすれば、人に親切にしてもらえる」という綺麗ごとも、パディントンの姿を見ていると本当かもと思えてきます。

彼氏と彼女、夫と妻、親と子、それ以外の人と人の間に生まれる愛を教えてもらえるような、そんな気がするんですな。

珍しくおセンチな事を言ってますけど、本当にそう思えてくるんだから不思議だよね。

マジで感動して、久しぶりに映画で泣きそうになりましたよ。

 

 




 

 

まとめ

映画としての娯楽度はもちろん、子供の教育という点で観るべき素晴らしい作品です。

単なるエンターテイメントの枠を超え、人付き合いの在り方を見つめ直す良い機会になるんじゃないでしょうか。

手放しで褒めちぎることは無いこのブログで、極めてレアな映画です。

 

オススメです。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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