(原題:Shanghai Noon)
2000年/アメリカ
上映時間:110分
監督:トム・ダイ
キャスト:ジャッキー・チェン/オーウェン・ウィルソン/ルーシー・リュー/ブランドン・メリル/ロジャー・ユーアン/ザンダー・バークレー/他
最近は全く観なくなったけれども、やっぱり面白いジャッキー映画です。
異常なスピードを誇るガチなアクション中心の80年代(酔拳、スパルタンX、ポリスストーリー等)
アメリカ進出を懸けて無謀なスタントに挑んだ90年代(レッドブロンクス、Who am I?等)
そんな数々の自殺未遂体当たりな演出を経て、ある意味でアクション演出の完成形となった2000年代のジャッキー・チェン。
この時期には”衰えた””劣化した”と囁かれ始めたジャッキーですが、個人的には”演技”に対しての円熟味を感じ、最も好きな時期のジャッキーではあります。
確かにアクション性に衰えは見えるし、香港映画独特の味や雰囲気もありません。
しかしハリウッド・カンフーアクションとして、アクション・エンターテイメントとしての完成度は相当なものであるのは間違いないでしょう。
世界を視野に入れ、これほどのスーパースターにも関わらず、更なる可能性に挑戦するジャッキーの役者魂にはただただ頭が下がるばかりです。
さっくりあらすじ
1881年、中国。
紫禁城から王女・ぺぺが誘拐され、実行犯は中国に身代金として金貨10万枚を要求、人質と身代金の交換はアメリカ西部のネバダ州・カーソンシティを指定される。
指折りの優秀な近衛兵を揃え姫の奪還に臨む中国側、宮廷で姫を最後に目撃したチョンは人選から漏れてしまったものの、通訳の鞄持ちとして随行を許された。
7週間後、中国側御一行はネバダ州に到着。
砂漠を列車で横断中に強盗団に襲われ、やむを得ず列車を切り離したチョンは仲間たちとはぐれてしまう。
一方で強盗団の一味・ロイは金庫をダイナマイトでこじ開けようとするも、金庫ごと列車から吹き飛んでしまったせいで仲間に見捨てられ、首だけを残し砂漠に埋められてしまう。
そんなロイの元へ、カーソン・シティを目指すチョンが現れるのだが、、、
新たに”繩鏢”(じょうひょう)アクションで
魅せてくれるジャッキー
職人芸とも言える三枚目
オーウェン・ウィルソン
ペペ姫、ことルーシー・リュー
最近見かけないよね
言語の壁を越えるアクション
”ジャッキー・チェン”という人間性ってアクションに出てますよね。
最近ではワイヤーアクションやVFXの進化もあって、どれだけ迫力ある戦いを表現するかが一つのポイントになっていますが、彼が目指すのはあくまで楽しい活劇なわけで。
評論家や映画オタク向けなものではなく、あくまで一般大衆が楽しめるアクションやアイデアに、彼の人となりが滲んで見える気がします。
アジア、アメリカを股にかける作品ですが、彼が描く”すごいアクション”という共通言語は世界中どこに行ってもウケることでしょう。
そんなジャッキーの相棒を務めるオーウェン・ウィルソンもまた素敵。
もはや職人芸とも言えるヘタレっぷりはこの頃から健在であり、最強のコメディリリーフとして物語に華を添えます。
自らのアクションを信念に、香港からハリウッドへと移ってもブレないジャッキー。
そんな大物相手にも、いつもの演技でブレないオーウェン。
この二人の絡みはとにかく面白く、コミカルな演出においてピッタリとハマる不思議な魅力がありますね。
お互いに培った揺るぎない自信の表れとも取れます。
ついでに久しぶりに見たルーシー・リューも相変わらず可愛いす。
何だろうね?
特別美人なわけではないと思うんだけど、、キリッとした顔立ちに時おり覗くはにかんだ笑顔はメチャクチャ可愛いす。
強いて言えばこの人もバリバリのアクション・スターな印象が強く、ヘルプミーなお姫様にはやや違和感を感じますけどね。
まとめ
「やっぱりジャッキーは面白れぇや」ということを思い出す作品です。
”映画”としてはアラも多く、完成度が高いとは言い難いものではありますが、これは”ジャッキー・エンターテイメント”であり、映画の枠組みに入れること自体間違っているのです。
難しいこと云々とか、理屈っぽいこと云々とかはいいんだって、そんなベクトルで語る作品じゃないんだから。
テンポ良く進む物語、目の前で起きているドタバタ活劇を素直に楽しみましょう。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。