(原題:Spawn)
1997年/アメリカ
上映時間:98分
監督:マーク・A・Z・ディッペ
キャスト:マイケル・ジェイ・ホワイト/ジョン・レグイザモ/マーティン・シーン/ニコル・ウィリアムソン/D・B・スウィーニー/他
カナダ人コミック作家、トッド・マクファーレンの原作漫画を映画化したホラータッチなアクション。
1992年から現在まで連載が続いており、累計2億万部を超える出版数を誇るなど、長期に渡って愛されている作品です。
権利の関係上、日本では絶版となっておりコミックを入手するのは困難なので知名度は高いとは言えませんが、異常にクオリティが高いフィギュアが97年当時は流行した記憶があります。
マーベルやDCとは異なるベクトルでのダークヒーローですが、これがなかなか魅力的なものです。
というか、個人的には一番好きなアメコミヒーローです。
さっくりあらすじ
地獄の王・マレボルギアは最終戦争に向け、闇の軍勢・ヘルスポーンを率いる司令官とすべく、CIAの優秀な特殊工作員であるアル・シモンズに目をつけた。
マレボルギアの部下・クラウンはアルの上司・ジェイソンに取引を持ち掛け、テロリストが潜伏する工場へと送られたアルは工場ごと吹き飛ばされてしまった。
妻・ワンダへの想いを胸に地獄に落とされたアルに対し、マレボルギアは妻に会わせてやると提案し、それを受けたアルは魂を差し出し現世に復活する。
しかし彼が地獄にいる間に現世では5年の月日が流れ、彼自身も”スポーン”として変わり果てた姿になったのだが、、、
謀殺された工作員アル・シモンズ
地獄で取引し現世に復活
”スポーン”であるアルのお目付け役・クラウン
やんわり苦労人
生物のように動く攻防一体のマント
一見の価値あり
リメイク希望!!
個人的には好きな作品ですが、6割強の方はつまらないと思うかもしれません。
ぶっちゃけ最近の仮面ライダーと比べても遜色ない程度の完成度であり、ハリウッド映画と呼ぶには少々寂しい印象。
キャラクターの造形、アクションの演出、当時にしてはハイレベルなCG技術と。
どれを取っても素晴らしい出来かなとは思いますが、いかんせん脚本が弱めなのが残念なところか。
映像のスタイリッシュさに物語がついてこれなくて、観終わったときの印象の無さにビックリします。
更に言えば決してテンポの良い作品というわけでもなく、生まれ変わってからの特殊能力の披露までも間延びしてる感じでモヤモヤしますかね。
物語の特性上で仕方ないところではありますが、引っ張った挙句のアクションも少な目で物足りなく、爽快感に欠けます。
とはいえ、いざ変身してからのカッコよさはなかなかのもの。
特にマントと鎧の造形は非常に良く出来ていて、これを見るための映画と言っても差し支えないでしょう。
まるで生き物のように、アルの怒りを表現するかのように動き回るマントの映像は秀逸で、むしろココに予算を使い過ぎてラスボスがしょぼくなったのではと思ってしまうくらい(笑)
それだけに全体的なクオリティの低さ、構成の雑さが浮き彫りになってしまうわけですが、、
物語としては地獄の王と契約し、醜い姿で現世に蘇ったスポーンが失った日常に悲観し、最終的にダークヒーローへと目覚めるまでを描いた作品です。
当時の(今もか?)日本では知名度の低さがネックなのか、昨今のダークヒーローもののように突き抜けた演出は無く、何か惹きつけるような魅力に欠ける展開が一番の問題かなと。
スポーンの監視役に任命され、最終的に敵に回るクラウンの存在が目立つにも関わらず、「下品で汚い」のでひどく嫌われてしまったのも個人的には悲しいところです。
結構パンチがあって好きなんだけどなぁ。。
でも原作(アニメしか見たことない)は実に魅力的で面白いエンターテイメントであり、素材は決して悪いものではありません。
ってか脚本・演出の未熟さもあって、すごくもったいないように思います。
スポーンというキャラクターとインパクト、性格や戦い方、物語の背景など、どれを取っても現在のクオリティでリブートできれば魅力的な映画になると確信します。
というか続編を匂わせるエンディングといい、上手くいけばシリーズ化も視野に入れてあったのかもしれません。
肝心のリブートは実現するやらしないやら、、、色々と情報が交錯し、未だに決定的な情報はありません(悲)
まとめ
粗っぽいCG技術とスカスカな脚本、とてもオススメできるような内容ではありませんが、それでも個人的には好きな映画です。
映画としての完成度ではなく、「スポーン」というキャラクターを楽しんでもらえればと思います。
B級映画に成り下がってしまったのは本当に悲しいところですが、いつかド派手にリメイクされると信じて、予備知識を身に着けておきましょう。
よければ一度ご鑑賞くださいませ。