砂ぼうず


1997年~
作者:うすね正俊
コミックビーム(エンターブレイン)
既刊18巻

 




 

 

以前に紹介した「EATER」の作者・うすね正俊によるポスト・アポカリプスなアクション漫画。

大まかに分けて2部構成であり、1巻~12巻までが「砂ぼうず編」として、13巻以降は「小砂編」として連載されているものの、何やら雲行きが怪しくなってきており、まさかの3部に突入な気配がしております。

 

基本的には漫画は連載が終了してから一気に読み切るのが筆者の読書スタイルではありますが、うっかり手を出してしまったがために苦渋な日々を過ごしてしまう羽目に。

というのも4年以上にも渡る長期休載を経て、ちょろっと連載再開したかと思えば再び3年もの休載に入り、再び連載を再開したものの不穏な空気が常に漂う始末。

 

うすね氏曰く「余裕があると働けない」性格なんだそうで、それに加え十二指腸潰瘍を患ったために体力的にも不安が付きまとっております。

もはや「ベルセルク」や「HANTER×HANTER」の如く、めっちゃくちゃ面白いのにも関わらず、物語が終る前に作者の寿命が危ないという何とも言い難い魅力に溢れる作品です。

 

 

 

さっくりあらすじ

数百年前に文明が滅びたとされる「関東大砂漠」

文明が無くなった人間達は凝りもせず今日も弱肉強食な争いを生き抜いており、その中でも便利屋として名を馳せている「砂ぼうず」は「凄腕」として一目置かれている。

”砂漠の妖怪”とも評される砂ぼうずは金と名誉とボインをこよなく愛し、目的を達成するためならばどんな卑怯なことも平気でこなすことで有名だった。

そんな過酷なサバイバルの日々を過ごす中、「関東一の凄腕美人」を目指す少女・小砂は砂ぼうずに弟子入りし、成功や失敗(借金)を繰り返しながらも逞しく生き延びていくのだが、、、

 

 

 

 

主人公・砂ぼうず
アニメにもなってますよ!

 

 

 

 

プロフェッショナルとは

まず前提として本作の舞台となる「関東大砂漠」は常に強烈な日差しが降り注いでおり、空冷装置と水が無ければ外に出ることすらままならない世界です。

当然夜になれば気温は急降下し、そのまんま砂漠の世界をイメージすれば大体合ってます。

一応政府のような存在はあり、ある程度の秩序は保たれているものの至る所に山賊のような存在が出没し、弱者はのたれ死ぬのみという過酷な環境です。

 

その中で護衛や荷物の運搬や探し物、依頼とあれば何でもこなす凄腕の便利屋として砂ぼうずは君臨しているわけですが、これが非常に魅力的なキャラクターでして。

目的を果たすためであればウソや小細工や騙し討ちは日常茶飯事であり、当然仕事以外の面ではとても信頼がある人物とは言えない存在です。

この生き延びるためには何でもするというスタンスが非常に人間臭く、どんな窮地に追い込まれても、どれだけ切羽詰まっても頭をフル回転させ可能性を見出す彼の姿は正にプロフェッショナルそのもの。

 

自分の利益にならなければ人助けなんか見向きもしない姿も描かれており、良くも悪くも自分のためだけに生きる姿勢はハードボイルドささえ感じさせます。

そんな「勝てば官軍」を地でいく彼の信念は清々しさすら感じるほど徹底しております。

ただ金とボインに滅法弱く、結果的に借金まみれになるのはお約束。

 

 

そしてそんな彼の姿に憧れ、歪ながらも信頼関係を築いていく弟子・小砂の存在もまた素敵。

便利屋としての「長身でボインの凄腕美人」を目指す見習いとして砂ぼうずのアシスタントを務めますが、どう見てもツルペタで少年のような風貌の女の子。

未熟で粗削りだけれども便利屋として成長していく彼女の姿もまた見どころです。

 

本作の特徴として、登場する銃器の質感に異常なこだわりが感じられます。

キャラクターは非常に個性的で可愛らしいものの、登場する武器やオブジェクトは細部まで徹底的に拘り、他の作品では感じられない独特の迫力に満ちています。

この圧倒的な画力による迫力満点の銃撃戦もぜひ楽しんでほしいところですな。

 

 




 

 

まとめ

前述したように1部~2部へ、2部~現在へと物語が大きく展開しており、ぶっちゃけこれ終わらせられるのか?と聞きたくなるような作品になっております。

しかしそれを差し引いても非常に魅力のある作品であり、既存の漫画に飽きた方にはぜひとも読んでほしい作品です。

 

ちなみにアニメにもなってますので、漫画がダルい方にはそっちもオススメです。

ぜひ一度ご拝読くださいませ。



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