(原題:Terminator:Dark Fate)
2019年/アメリカ
上映時間:129分
監督:ティム・ミラー
キャスト:ナタリア・レイエス/マッケンジー・デイヴィス/リンダ・ハミルトン/ガブリエル・ルナ/アーノルド・シュワルツェネッガー/他
1991年に公開された「ターミネーター2」の正当な続編として作られたSFアクション。
1984年から始まったシリーズの35年記念作品として、生みの親であるジェームズ・キャメロンが製作に参加し、ヒロインのリンダ・ハミルトンも参加するというニュースが話題を呼びました。
一応は続編も視野に入れて作られたそうで、新たなシリーズの始まりとして、方々で本当に賛否両論となっているそうで。
様々な意見が交錯するのも頷けますが、かの名台詞をはじめ「ターミネーター2」のオマージュが随所に見受けられ、往年のファンにはたまらない仕上がりになっております。
さっくりあらすじ
T-1000型ターミネーターとの死闘を経て、1997年に起きるはずだった「審判の日」を阻止したサラとジョンのコナー親子。
2人がグアテマラで休息を取っていたある日、T-800型ターミネーターが現れジョンが殺されてしまい、サラは悲観に暮れた。
時は過ぎて2020年、メキシコの車工場で働く女性・ダニーと弟のディエゴが出勤すると、家にいるはずの父親が職場を訪ねて来る。
父であるはずの男がダニーに銃を向けると、謎の女性が現れ父を撃ち殺すのだが、、、
未来から送られた強化人間・グレース
超イケメン
最新ターミネーター
骨格と液体金属で分身するよ!
”救世主の母”ことサラ・コナー
こちらも超イケメン
繰り返し
未来から送られた兵士が、未来から送られたターミネーター相手に奮闘するという流れは全く変わらず、既視感の強い内容ではあります。
今回は強化人間という新たなキャラが設けられ、驚異的な強さを誇る新型ターミネーター相手でも、それなりにタイマンを張れるあたりが特徴だと言えるでしょう。
既存のストーリーをなぞった上で新たなエンタメ性を足そうとした狙いは理解できますし、過去作と肩を並べるとまでは言わなくともそれなりに面白い完成度なのは間違いないでしょう。
「老いたリンダ・ハミルトンやシュワちゃんを見るのがつらい」との声もありますが、むしろ俳優として円熟期を迎えた2人の演技は見所だと思いますよ。
そんな、過去作と同じような流れの物語を華やかに飾る要素は主に3つ。
強化された人間として異常な身体能力と耐久性を誇るグレース。
未知のターミネーター相手でも、あまりに颯爽とカッコ良すぎる登場を果たしたサラ・コナー。
そして色々とおかしい設定でカーテンを売ることになったT-800型。
登場する主要人物がとにかく個性的で各々の魅力があり、特に往年のファンは思わず笑みがこぼれるような感動がありますね。
特に新キャラのグレースを演じるマッケンジー・デイヴィスの美しさが群を抜いて印象的で、すらりと細長いフォルムに整った顔立ちは男性はもちろん、女性も胸キュンになること間違いなし。
とにかく献身的でイケメンで、シリーズでも屈指の人気キャラになり得る素材だと思います。
対する新型ターミネーターですが、こちらは過去作から飛び抜けた進化は感じられず、強いて言えば分身するくらいでしょうか。
分身するくらいと言ってもターミネーターが2倍になるわけですから、これは本当に驚異的で恐ろしい話ではあるんですが。
最後の戦いでようやく気付きましたが、どうやらターミネーターの骨格に液体金属がくっついているイメージで、分離するとパワーも耐久性も下がるような描写があります。
1と2のターミネーターの改良型だと思えば非常に理にかなったアイデアではありますが、最近のターミネーターがもっと強かっただけに、相対的にインパクトが弱くなったのは少々勿体ないところか。
マイナス面を挙げれば、リンダ・ハミルトンとシュワちゃんを活躍させることが最優先のプロットなのが透けて見えるところ。
それは転じてキャメロン監督が復帰したところで、過去作を上回るものは作れないということにも繋がってしまいます。
個人的には満足な出来ではありましたが、ゴリゴリのファンからすると2人を中心に添えたご都合主義が納得いかないのも理解はできるかな。
逆に言えば、1作目と2作目がそれほどまでに完成された物語であり、秀逸な映画だった証明だとも言えますが。
まとめ
「デデンデンデデン!!」の音楽と共に、重々しく始まるこのシリーズは言うても面白いんですよね。
色々とツッコミどころがあるのも頷けますが、それを差し引いても何でかテンションが上がる不思議な魅力があるのもまた事実。
続編が出るのであれば、観たいなと思えるくらいの完成度ではあります。
結構面白いっすよ。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。