(原題:Point Of No Return/The Assassin)
1993/アメリカ
上映時間:109分
監督:ジョン・バダム
キャスト:ブリジット・フォンダ/ガブリエル・バーン/ダーモット・マローニー/アン・バンクロフト/ハーヴェイ・カイテル/ミゲル・フェラー/他
リュック・ベッソン監督の出世作とも言われる、フランス映画「ニキータ」のハリウッドリメイク作品。
当時筆者は小学生だったはずですが、金曜ロードショーかなんかで観た記憶があり、難しいことは分からん鼻タレ小僧でも愛の何たるやを多少学んだような思い出があります。
監督は「サタデーナイト・フィーバー」で有名なジョン・バダム。
本作を先に観てしまったのと、子供の頃なんでリメイク映画というものの意味がよく分かってなかったせいか、「ニキータ」という映画が原作だと知ったのは高校生になってから。
で、どちらも大筋では同じ展開・結末らしいので、結局「ニキータ」は観ないまま今に至ります。
主演を務めたブリジット・フォンダは、日本では有名とは言い難い女優かもしれません。
しかし少女のような可愛らしさと、妖艶な大人の美しさを兼ね添えたビジュアルに、少年だった筆者の心を鷲掴みにする魅力があったように思います。
ちなみに彼女の家は芸能一家、家族や親族に俳優が多いそうです。
脇を固める俳優陣がまた豪華で、
ガブリエル・バーン(仮面の男、エネミー・オブ・アメリカ)をはじめ
ダーモット・マローニー(スティーブ・ジョブズ、ゾディアック)
ハーヴェイ・カルテル(ムーンライズ・キングダム、イングロリアス・バスターズ)
故人ですが、オスカー女優のアン・バンクロフトなど、ものすごく豪華な布陣です。
しかし評判はあまり芳しくなく、映画通に言わせると「ニキータ」のような奥深さには欠けるようですが、これはこれで面白いっすよ?
さっくりあらすじ
麻薬欲しさに仲間と店を襲撃したマギーは、警官たちと銃撃戦の末に警官を一人撃ち殺してしまう。
警官殺しの重罪で死刑判決が下ったマギーだったが、政府の秘密組織のエージェント・ボブが接触し、死ぬか、秘密工作員として生きるかの選択を迫られる。
生きることを選んだマギーは厳しい訓練の末、暗殺者として成長していく。
最後のテストをクリアし、新しくクローディアという名とコードネームを与えられ、都会の中で生活を始めることになる。
その中で写真家のJ・Pと出会い、恋に落ちるのだが、、、
マギー役のブリジット・フォンダ
かわゆす
愛を知ったマギー
暗殺者であることに思い悩む
”愛”と”後悔”
麻薬に溺れ、自暴自棄な暮らしをしていた少女が、生きるために”暗殺者”という人生を選ぶことになってしまいます。
逃げ場が無く、課せられた使命をひたすらに遂行する姿はシチュエーション・スリラーのテイストがあり、そこに「必然的な愛」と「偶然生まれた愛」が交錯する複雑な物語でもあります。
さっきから何度も言っているように、ブリジット・フォンダが可愛いのなんのって、、、ふぅ。
しょーもない不良少女がドレスに身を飾り、洗練された女性へと変身するのはお約束ながら、ブリジット・フォンダの美貌も相まって非常に見応えがあります。
粗暴で感情的に不安定、ある意味で愛に飢えていた少女が暗殺者の訓練生となり、自分を育ててくれた組織の人間に対しての家族愛のような感情。
特にボブに対しては父親に対する愛情に近いというか、自分を育ててくれた存在に対しての無垢な愛情のようなものを感じさせます。
それ故に突き放されたり、裏切られたときの絶望感もより深くなるわけですが、、、
そして暗殺者となり、任務を遂行する中で出会ったP・Jに対しての恋心。
成長し大人になり、心から生まれる愛情に気づくマギー。
しかし自分の正体を悟られないよう嘘をつき続ける自分に、そして容赦なく指示される暗殺に心底絶望してしまいます。
初めて知った愛情が深いが故に、より深くなる絶望感、うーん悲しい。。
一方で男性サイド、つまりボブとP・Jからの視点もなかなか味があります。
心からマギーを愛し、彼女の正体を知っても愛し通そうと決意していたP・Jの愛情、対して彼女を許したというか、解放してあげたボブの愛情。
二人ともベクトルこそ異なれ、マギーという女性を大事にしていたのは変わらないはず、言うなれば立場の差が愛情の形を変えるわけですね。
まとめ
リメイク作品だけあって、分かりやすくシンプルな作りになっています。
そのシンプルさ故に、原作と比べ深みに欠けるのかもしれませんが、それは好みの問題と言っても差し支えないでしょう。
どこかサスペンス調で悲しいラブストーリーです。
古い映画ですが、一度は観てほしい作品ですね。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。