（原題：The Watch）
2012年/アメリカ
上映時間：102分
監督：アキヴァ・シェイファー
キャスト：ベン・スティラー/ヴィンス・ヴォーン/ジョナ・ヒル/リチャード・アイオアディ/ロースマリー・デウィット/他
田舎町のコストコの店長と、地球を侵略しようとやって来たエイリアンとの戦いを描いたSF・コメディ。
残念ながら、日本ではビデオスルーになりました。
まぁベン・スティラーとヴィンス・ヴォーンが共演な時点でお察しの通り、実に下らない作品です。
何でオーウェン・ウィルソンを出さなかったのか問い詰めたいくらい。
何てことのないコメディ作品ではありますが、クスっと笑える佳作かなと思います。
少々エロめなシーンがございますので、子供に見せる際は要注意。
さっくりあらすじ
オハイオ州の田舎町に住むグレンはコストコのマネージャーを務めながら、自治体のリーダーも務める生真面目な男。
しかしある日、自身が務めるコストコ店内で警備員が惨殺される事件が起きる。
愛する町の安全が脅かされていると考えたグレンは町民に呼びかけ、町の安全を見張る団体「ご近所ウォッチャー」を結成するのだが、、、
コストコのマネージャー・グレン
町の脅威を排除するため立ち上がる
呼びかけに応じ
3人のボランティアが集まる
そして結成された
ご近所ウォッチャー
安定のアホっぷり
まぁ本当になんてことのない、アホな映画でございます。
お金のかかったコント風な演出に、しょーもない下ネタと、良くも悪くもベン・スティラーの味付けが満載ですな。
とにかく真面目に働き、町内会レベルの自治体を仕切り、しょぼい町のイベントでも欠かさず参加する男・グレン。
そんな堅物っぽいキャラクター性に、ベン・スティラーの演技がまた良く合います。
地域の中に馴染んでいるような、浮いているような、そんな絶妙な匙加減の演出が素晴らしいですね。
全然悪い人ではないんだけど、微妙に付き合いづらいと言うか、冗談が通じづらいというか。
本当にこういう人いそうですもんね。
物語としては、そんな彼がマネージャーを務めるコストコの警備員が殺され、町全体の警備&犯人捜しを決意するというもの。
町人が集まるアメフトの試合で有志を募る演説を行い、ダダ滑りしていることにも気付かず、本気で団結を考えている姿は本当に滑稽なわけで。
この時点でコミュニティでの彼の立ち位置がよく分かりますね（笑）
そんな彼の心の叫びに何かを想い、3人の男が集まるわけですが、これがまたクセのある人ばかり。
というか、基本的にやる気など微塵も見せず、ただ単に遊び相手が欲しくて集まっただけという体たらく。
真面目だけれども融通の利かないグレンと、遊び半分で自警団気取りをする3人と、傍から見ればよく分からない集団の完成です。
そこからはもう、ゆるーいテンションでくだらないコントの数々が展開されます。
一応エイリアンも出てきますし、明らかに怪しい隣人の存在など、ちょっとしたサスペンスやスリラー的なエッセンスも加わりますが、本当にくだらない。
ホラーやスリラーは緊張と弛緩の温度差こそが最高の恐怖感を生むものですが、本作に限っては緊張するだけ無駄なのであしからず。
ベン・スティラーとヴィンス・ヴォーンの往年のコンビは安定のお笑い芸が期待できます。
それに加え、厨二病なアウトロー・フランクリンと、ヤバい保安官のブレスマン巡査も個人的に結構ツボで、不覚にもこんな映画で笑ってしまいましたよ。
特にブレスマン巡査を演じるウィル・フォーテは「ネブラスカ」のイメージが強かったもので、こんなにも面白いコメディアンだったのかと痛感。
また新たに好きな俳優を見つけられた嬉しい誤算でした。
あとは繰り返しになりますが、結構な下ネタのオンパレードなので、一緒に観る相手は吟味してから鑑賞しましょう。
ライトなコメディながら子供には不適切な作品であり、間違っても小学生とかには見せないように。
まとめ
あまりにもくだらない内容と、ややキツめな下ネタが大半を占める作品なので、これは大人向けな娯楽作品です。
しかも明らかに人を選ぶニッチな内容であり、誰もが楽しめるエンターテイメントとは到底言えないようなものです。
しかし、そのニッチな枠にハマる人が観るのであれば、それなりの満足度を得られる映画だとも思います。
ベン・スティラー。
ヴィンス・ヴォーン。
下ネタ。
B級映画。
どれかに引っかかるのであれば、観て損はないでしょう。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。
