(原題:Thor)
2011年/アメリカ
上映時間:114分
監督:ケネス・ブラナー
キャスト:クリス・ヘムズワース/ナタリー・ポートマン/トム・ヒドルストン/アンソニー・ホプキンス/イドリス・エルバ/他
北欧神話の神々をテーマに描いたマーベル・コミックの実写化作品で、MCUとしては4作目。
主人公・ソーを演じたクリス・ヘムズワースと、弟・ロキを演じたトム・ヒドルストンの名を世界に知らしめた出世作でもあります。
MCUの例に漏れず父子や兄弟を通したドラマを組み立てながらも、派手な演出によるアクションが特徴的で、全体的に明るく楽しい作品に仕上がっております。
ちなみに「バトルシップ」「47RONIN」に引き続き、まさかの浅野忠信も出演しております。
さっくりあらすじ
かつて、ミッドガルド(人間界)をフロスト・ジャイアント(氷の巨人)より救ったアスガルドの偉大なる大神・オーディンにはソーとロキという2人の息子がいた。
2人は父の言葉に従いどちらかがオーディンの後を継ぎ、いずれは民を守る守護者・アスガルドの王となる誓いを立てていた。
しかしソーがオーディンの後継者として認められようという式典の最中にフロスト・ジャイアントがアスガルドへと侵入。
儀式を台無しにされ、同胞を殺されたソーはオーディンの制止を無視し、フロスト・ジャイアントの本拠地・ヨトゥンヘイムへと向かうのだが、、、
大神・オーディンの長男・ソー
無敵のハンマー・ムジョルニアを振るう
次男・ロキ
その出生には秘密が、、
アスガルドの王・オーディン
北欧神話の主神であり全能の神
でもちょっと抜けてる
意外と楽しい北欧神話
スカンディナヴィア(主にノルウェーとスウェーデン)で信仰されていたとされる北欧神話ですが、女神転生プレイヤーならばお馴染みの面々も、実際にはあまり日本での知名度が高いとは言えないでしょう。
スカンディナヴィアの人々は九つの世界があると信じており、各々の世界は世界樹・ユグドラシルで繋がっているとされています。
そして各世界には人間はもちろん、神の一族や巨人の一族、エルフやドワーフなどが住んでいるわけで、何ともファンタジックで複雑な世界観を構築しています。
現在の研究では13世紀頃にまで遡るんだそうで、いかに当時の人々の信仰心が高く、ロマン溢れる民族だったのかが伺えますな。
で、そんな北欧神話の世界観やキャラクターをモチーフに、よりエンターテイメント性を強化して送り出されたのが本作なわけであります。
神話の物語に科学的な解釈を加え、よく分からないけれども納得させるような世界観の構築はなかなか素晴らしいものですね。
とはいえ物語の背景に馴染みが無いだけで、物語としては傲慢な神が罰を受け、兄弟喧嘩も交えつつ成長していく王道的なものであり、内容としては割とスタンダードな印象。
しかし文字通り天上に住む神様が下界に降り、現実世界でのカルチャーショックなギャップを見せてくれるのは面白いですね。
相手が神様だけに、意外と親切だったりちょっと抜けている面などが垣間見えるのはユニークで魅力的だと思います。
ついでにホーク・アイの登場やシールドの存在、そして後の主軸となるコズミック・キューブなど「アベンジャーズ」への架け橋も盛り沢山。
映像面でも華やかで美しい神話の世界は極めて良くできているように思います。
で、本作最大の魅力として、雷神・ソーを演じるクリス・ヘムズワースがとにかくカッコイイっす。
セクシーな長髪と髭、鍛え上げられた肉体、低い声、、、ふぅ。
昔はかなり細身な体の持ち主で、バルクアップされた大胸筋・腹筋・背筋・僧帽筋・上腕三頭筋は本当に見事でもう、、、ふぅぅ。
本作に向けての役作りかどうかは知りませんが、この肉体の仕上がり具合からみて相当なトレーニングを積んだのは容易に想像できますね。
それに対し、トリッキーな嘘つき神・ロキを演じるトム・ヒドルストンもまた素敵。
シリーズ的に3枚目でお茶目な役柄になっていますが、演じるヒドルストン自身は腹立つくらいの高スペックを誇ります。
貴族家系であり、187㎝の長身にモデル並みのルックスに加え、ケンブリッジ大学を首席で卒業、ファンサービスの一環として(クリスも)病院を訪問するナイスガイ、というか完璧超人であります。
本作出演以降も順調にキャリアを伸ばし、今後が楽しみな俳優の一人ですな。
さらに名俳優アンソニー・ホプキンスや、天使ナタリー・ポートマン、ステラン・スカルスガルドなど、演技力に定評のある俳優陣も映画に厚みをもたらしています。
脇役に重みを感じさせる俳優が多いだけに、ハリウッドでのキャリアが浅いソー&ロキを陰ながら支える素晴らしいキャスティングです。
まとめ
MCUシリーズ全体に言えることですが、単純で分かりやすく、迫力がありカッコいい、そんな「娯楽映画」として非常に高い完成度だと思います。
結局はオーディンが全部悪いような気がしないでもないですが、まぁ神話の世界の話ですし、エンタメとしては面白いかなと。
痛快なSFアクション活劇としてはなかなかのもんです。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。