(原題:YOU GOT SERVED)
2003年/アメリカ
上映時間:93分
監督:クリス・ストークス
キャスト:オマリ・グランベリー/マーカス・ヒューストン/ジェニファー・フリーマン/ケヴィン・ホロラン/ジャレル・ヒューストン/クリストファー・ジョーンズ/スティーヴ・ハーヴェイ/他
黒人社会とストリートダンスを主体にした青春映画。
日本では珍しいジャンルのロードムービーだけに、監督や製作、キャスティングに至るまでダンスシーンに関わる人たちだけで構成されているのが特徴的です。
俳優と現役ダンサーが入り交じったキャスティングは、ぶっちゃけよく知らない方ばかりですが、これがなかなか良い作品となっております。
感覚的には「ストンプ・ザ・ヤード」とか「ダンス・レボリューション」あたりが近いですかね。
PVクルーや振付師として有名(らしい)な方々が、本気で挑んだ末に生まれる感動。
オープニングからエンディングまで終始ヒップホップのリズムに包まれ、CGを一切使わない生身の臨場感。
人間離れした迫力あるダンスバトルや熱い友情、愛情を全面に押し出す黒人の生き様がとにかくカッコいいんですね。
ちなみに「You Got Served」とは「お前の負けだ」という意味になります。
さっくりあらすじ
アメリカ、ロサンゼルスのダウンタウン。
共に育ち、無二の親友として付き合うデヴィットとエルジン。
彼らが率いるダンスチームは地区のストリートダンス・バトルで勝ち続け、常に注目を浴びていた。
そんなある日、オレンジ郡に住むダンスチームから高額賞金を賭けたダンスバトルの挑戦を受けるも、自チームのダンサーの裏切りにより敗退。
さらに麻薬取引のトラブルに巻き込まれ、デヴィットとエルジンの友情に亀裂が入りチームも瓦解。
2つに分かれてしまったダンスチームは各々で活動し、再びダンスバトル大会に挑むことになるのだが、、、
ダンスバトルは純粋に面白い
映画のようなプロモーションビデオかな
とにかくダンスと音楽を楽しむ
まずですね、はっきり言って脚本は普通です、何のひねりもありません。
描かれるのは友情や仲間の絆、裏切り、喧嘩、そして復活する絆、そんなところでしょうか。
良くも悪くも王道的、というか週刊少年ジャンプ的なノリであり、先が読める定番ものだと言えるでしょう。
ストーリー性をウリにしてるわけではなく、あくまでダンス主体の映画なので深みのある物語を期待してはいけません。
プロのダンサーが多数出演しているので、すごい動き、カッコいい動きを素直に堪能しましょう。
熱くてクール、スタイルッシュで泥臭い演出は普通に熱いし、面白いものです。
ところどころに黒人社会の貧困と現実が垣間見えるので、アメリカにおける彼らの生活というものが理解できるのではと思います。
「情」というものを大事にし、音楽やリズムと共に生きる彼らの文化は素敵なものですな。
特に最大の見せ場となるのは、ボルテージも最大に上がる最後のダンスバトル。
彼らの愛する子供のために、全員で祈りの言葉を合唱するシーンは超絶カッコいいし泣けます。
「脚本がつまらない」とか「ツッコミどころがありすぎる」とか、見当違いな意見がたくさんあるようですが、グダグダ言わずに楽しむ姿勢を作りましょう。
素直な姿勢さえあれば、十分に堪能できるくらいの内容はある映画です。
まとめ
余談ですが、筆者がアメリカ在住時はアパートのお向かいさんがボブ・サップのような黒人の大学生でした。
最初はビビりまくってましたが、すんげー良い奴でしたよ。
大学アメフトの選手でしたが、よく試合の応援に行った(強制参加)のも良い思い出です。
尺が短めで単純なお話なので、誰が見てもそれなりに楽しめる映画だと思います。
興味無い人はとことん興味無いジャンルではありますが、本当にカッコいいので一度は観てほしい作品ですね。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。
おまけ
ウェイドのチームとの最初のダンスバトル時、お互い熱くなりすぎてガチで喧嘩になりかけたそうです。
監督が「カァーット!!」と叫んでも止まらなかったそうな。