俺の映画が観れんのか!!

新作も旧作も、映画中心のレビューサイト

[広告]

初恋

      2017/12/13


2006年/日本
上映時間:114分
監督:塙幸成
キャスト:宮崎あおい/小出恵介/宮崎将/小嶺麗奈/柄本佑/青木崇高/他

 




 

女性作家・中原みすず唯一の同名小説を原作にした、「日本の犯罪史上最大のミステリー」といわれる「府中三億円強奪事件」をモチーフにした青春恋愛ドラマ。

原作はフィクションでありながらも、さも自身が経験したかのような視点で描かれた作品なんだそうで、主演の宮崎あおいは中原みすずとの対談を経て、彼女こそが事件の犯人であるとコメントしたんだとか。

余談ですが宮崎あおいの兄・宮崎将も出演し、劇中でも兄弟として演じております。

さっくりあらすじ

母親は兄を連れて失踪したままで、叔母に引き取られ高校生になったみすずは友達もおらず、ひたすらに本を読む孤独な少女だった。

数日前に突然現れた兄はみすずにマッチを手渡し、ある日の帰りに新宿の繁華街に向かったみすずはマッチに書かれた「B」というジャズ喫茶のネオン看板を見つけた。

煙草の煙がこもりジャズ・ミュージックが鳴り響く店内では兄とその仲間たちがたむろしており、一人だけ異なる雰囲気を纏う東大生・岸に子ども扱いされ、憤慨するもみすずは「B」に通うようになる。

徐々に「B」で過ごす時間が増え、自然と笑顔も増えていくみすず。

初めての”仲間”や淡い恋心はみすずにとって初めての体験であり、かけがえの無い場所になっていくのだが、、、

 

 

 

 

孤独な少女・みすず

 

そんな彼女が語る事件の真相

 

若い人は知らんかな?
こんな写真見たことない?

 

 

 

完璧な劇場型犯罪

サスペンスを主体にした作品ではなく、あくまで青春恋愛映画なのでお門違いではありますが、まずはさっくりと事件の背景に触れましょう。

 

詳細は他の文献を参考にしてもらうとして、まず1968年12月10日、東京都府中市にて現金輸送車に積まれた現金3億円が偽物の白バイ隊員に奪われた事件が発生。

事件前から起きていた不審な脅迫電話や爆弾予告、その他諸々も含め一連の事件は同一犯の可能性が高く、大量の遺留品が残ってはいたものの犯人逮捕には至らず、1975年に時効を迎え未解決事件として歴史に残ることになりました。

 

ちなみに当時の三億円を現在の貨幣価値に換算(消費者物価指数や当時の給与換算)すると約10~20億円に相当するんだとか。

いやぁ、、ミステリアスでロマンがありますなぁ。

 

 

で、犯人は女性説だとか、当時盛んだった学生運動を沈静化させるための捏造だったとか、様々な説が飛び交い事件は闇の中へと消えていったわけですな。

そういった一連の謎を上手いこと絡め、一人の少女の独白として描いた本作はユニークな発想ですし、トンデモ説の域は出ないまでもよく練り込まれた脚本だと思います。

とはいえ、前述したように事件を紐解くサスペンスではないので、それを目当てに観ると期待はずれかもしれません。

 

良い意味で当時の雰囲気が作り込まれており、ファッションや街並みや娯楽など、いわゆるレトロな雰囲気の再現は良くできているように思います。

それ故に、現代の60~70代くらいの思想や恋愛観など、ある程度の社会背景を勉強しないと理解が及ばない部分があるような。

特に物語の背景となる学生運動などはあまり大っぴらに教わらない分野のものですし、警察や国家権力に対する反発という思想自体、現代の価値観では理解し難いのが正直なところかなと。

それを差し引いてもしっとりと、穏やかな恋愛模様を描いた作品としては悪くはありません。

 

 

主演の宮崎あおいはその魅力を存分に発揮してますし、諸事情により活動休止中の小出恵介のイケメン・インテリっぷりも十分な説得力。

それ故に自身の挑戦を優先した岸と、ただ一緒に過ごしたいが為に計画に加わったみすずの存在は宙ぶらりんになり、何とも空っぽなエンディングを迎えたのは少々残念でした。

新しい切り口で開くユニークなアイデアではありますが、それを補うほど脚本の魅力が追い付いていないというか、、反抗期から抜け出せない幼稚な大人たちの物語にも見えてしまうんですよね。

 

結局面白みが無く、薄味で盛り上がりに欠ける内容に終始してしまっているので、いまいちのめり込むほどの展開を期待できないんです。

ただコレは現代の価値観で考えているからであって、竹の子族とかヒッピーとか言ってた当時の世相を照らし合わせると、やっぱりこんなもんなのかな。

 

あとは邦画を観ると毎回感じることですが、必要以上に登場人物が多いこと、あと無駄に長い尺を挟む映像は相変わらず嫌いです。




 

まとめ

謎が謎を呼んだ事件にロマンスを加えた切ないラブストーリーです。

超絶可愛い宮崎あおいの魅力を堪能するか、プラトニックな恋愛に涙するか、いずれにせよダウナーな作品なのでテンションは下がります。

冷静に考えると色々と無理のある脚本なので、スマホ片手に三億円事件の過程を確認しつつ、当時の社会背景も楽しめれば良いのかなと思います。

 

個人的にはオススメしませんが、宮崎あおい、小出恵介、謎の三億円事件、どれかのワードに引っ掛かる方なら観て損はないでしょう。

よければ一度ご鑑賞くださいませ。

 - ヒューマンドラマ/ロードムービー, 恋愛/ラブコメ/ロマンス, サスペンス/ミステリー, 邦画 , , , , ,